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Hey bulldog

2015-01-23 | 街の灯 "A Day In The Life"



人生誰もが、ある日、自分探しの旅にでる。


湯川さんと、後藤さんは、イスラム国に拉致された。

そして今、その交渉期限を迎えた。





メデイアは、後藤さんばかりを詳しく報じる。

そりゃそうだ。
後藤さんには、報道に値する、立派な背景がある。

外国人記者クラブで会見をした、後藤さんの母親は、インテリそのもの。
凛々しい会見だった。

か細く小さな声の湯川さんのお父さんは、どこにでもいる、小さな善人だ。

だから、ニュースにならない。

あまりにマヌケな湯川さんは、外務省からもマスコミからも、そのまま、マヌケとして扱われてきた。

だから、どんなニュースにも飾りがつかない。


愚か者だと、誰もが嘲笑する。



しかし、僕らは、大切なことを忘れている。

湯川さんは、人生を賭けた、男の旅にでたのだ。
男なら、理解すべきだ。

こんなドラマチックな男を、ちゃんと見届けてあげよう。

人生平等。

イスラムの神様は、どう大岡裁きをされるだろう。



まるで、はだしのゲンを彷彿させる、父と子のクロスロード。



父、湯川正一さんは、長く絶縁していた大バカ者の息子を、誰よりも愛していた。


その息子が、人生復活を賭けた命がけの、シリア渡航する日に、成田空港へ息子を見送り、"腹をくくって行け"と送りだした。

湯川さんは、ここで、はっきりと、誓えたに違いない。

人生を失敗し、夜逃げしても、あれを切りとっても、死に切れず、オカマにもなれず…。

全てをなくした。
それでも生きるのだと、自分をささえた妻までを病気で失う。

湯川さんは、誓いを口ずさんだ。


湯川さんは、ぶよぶよの体を、ありったけ着飾って、シリアの戦場に立っていた。


湯川さんは、神の前に、仁王立ちしたのだ。

僕は、今時どこにもいない、そんな大バカ野郎に、エールを贈りたい。

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