もうあと、5年もすると、還暦を迎える。
年をとるのは、嬉しくはないが、悪いことでもない。
それは、若い頃にどうしても理解できなかったことが、年を重ねるにつれ、理解できるようになっていくことだ。
僕の人生基準は、60年
母は、還暦を迎えた、その数ヶ月後が命日となった。
どうやらその日から、僕の場合は、自然と、人生60年が基準となってしまったようだ。
とても、親切で優しい看護師さんが、心を込めてお化粧をしてくれたから、母は、とっても美人になり、いつまでも、美しい微笑を浮かべていた。
だから今も、僕には、永遠に、世界一、美人の母ちゃんしかいない。
先月だったか、6月に、高校の大規模同窓会やります。
との連絡を、高校からの、長い友人から頂いた。
この同窓会は、五年後に、大々的な還暦大同窓会をやるための、予行演習を兼ねているのだそうだ。
高校を卒業以来、一度も会ってない人ばかりなのに、もう、還暦同窓会の話題がでるのか…
"思えば遠くへきたもんだ"
なぜか、パッと、その言葉を口ずさんでしまった。
悔しいことに、中原中也からではなく、武田鉄矢の海援隊だった(ーー;)
人生の、宴もたけなわを迎え、向こう岸を確かめる、僕がいた。
長い川下りも、そろそろ河口が見えてきて、いよいよ大海原へと舵をとる。
その準備の時と言うべきか。
僕は、これから、少しずつ、心を研ぎ澄ませたいと願っている。
僕は、若い頃から、仏教に興味があり、僕の旅好きも、そんな、ところに原点があった。
そんなものに出会えそうな、土地や、人や、書店を、長年、僕なりに徘徊したつもりだが、僕を腑に落としてくれる出会いは、一度もなかった。
それがつい最近、山下良道と言う人物を知った。
僕の中に、仏教と言うものが、生まれて初めて、腑に落ちていった。
この方の書籍を読み、より、それを確信した。
運命の時は、みな平等に訪れる。
振り返ることなく、全力を尽くすのみ。