ただ、銀行には、中小企業や高齢者の多い地方などではまだキャッシュレス化が浸透していないという事情もある。「預金や融資の相談などは、やはり担当者に窓口で行ってもらう方が安心する」(地方商店店主)という声も多く、銀行の窓口サービスへの需要は根強い。
銀行側は「窓口の人員を相談業務など別のサービスに重点配置して、利用価値を高める」と説明する。だが、これまで総合的な窓口サービスでつなぎ留めていた既存顧客をないがしろにすれば、顧客と銀行との距離はさらに遠のきかねない。銀行は地域や顧客ごとの特性に応じたサービスを提供できるかが問われる。(西村利也)