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田崎 健太(たざき けんた、1968年3月13日 - 54歳)は、日本のノンフィクション作家。早稲田大学スポーツ産業研究所招聘研究員。
京都府の私立東山高等学校を経て早稲田大学法学部を卒業後、小学館に入社。
作家志望であったため、作家に接触できる出版社に入りやり方を見れば自分もなれるだろうという動機だった[1]。
週刊ポストの編集を担当し1999年に退社。その後ノンフィクション作家として活動している。
『球童 伊良部秀輝伝』で2014年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞した[2]。
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サッカーにはいくつかの箴言がある。
その1つは「明らかな格上との対戦であっても、10試合やれば1、2試合は勝つ可能性がある」というものだ。
真っ先に思い出すのは、1982年のスペインでのワールドカップで下馬評の低かったイタリア代表が2次リーグでブラジル代表を破った試合だ。
ジーコやファルカンなどの「黄金の中盤」と言われた有力選手を揃えた優勝候補を3対2で破り、準決勝に進出。そのまま優勝にまで輝いた。
そして、今回の日本代表がドイツ代表を2対1で下した試合もこれに当てはまる。
そして、今回の日本代表がドイツ代表を2対1で下した試合もこれに当てはまる。
■浅野のゴールはワールドクラス
優勝を狙うドイツ代表であっても初戦は怖い。
だからこそドイツ代表は慎重に試合を始めた。
まずは失点しないように、きちんとボールを保持し、丁寧にパスを繋いだ。 ドイツ代表の1点目は、キーパーの権田修一のファウルによるペナルティキック(PK)であったが、試合はいつドイツ側に得点が入ってもおかしくない流れであった。
日本代表には、勝ち目のない力の差があった。
しかし、前半でドイツ代表は追加点を奪うことができなかった。ここでもう1つの箴言を思い出す。「得点機を逃し続けると、相手に流れが行ってしまう」という。
日本代表の森保一監督は、後半に入る際、守備に追われ持ち味を出せずにいた久保建英に替えてディフェンダーの冨安健洋を入れ、5バック気味の3バックの陣形にシステムを変えた。
そして後半12分、今度は攻撃的な浅野拓磨と三笘薫が入ると、試合の流れは日本代表のペースとなった。
そして後半26分に堂安律が、そして29分に南野拓実が入った。
すると後半30分に、三笘からのパスを受けた南野がシュート、こぼれ球を堂安が決めた。
日本代表にとってはあらかじめ想定されていた「作戦」ではあったが、ドイツ代表にとってはある意味このシュートはアクシデントのようなもので、運が悪かったとも言える。
しかし、続く38分の浅野の得点は違った。
ドイツ代表のゴールキーパーは世界最高の選手、マヌエル・ノイアーである。浅野は、速さはあるものの、シュートはそれほど巧みではない。
その浅野がノイアーとゴールポストの間、僅かな隙間を撃ち抜いたのだ。
少々失礼だが、彼らしくないワールドクラスのゴールだった。これが決勝点となった。
冷静に考えれば、格上相手のドイツ代表に対して、浅野、三笘、堂安、南野という攻撃の選手を4人も次々と入れるというのは無謀である。
中量級のボクサーが重量級相手にノーガードで撃ち合いを挑むようなものだ。 また、これまで森保監督は選手交代が遅いという評価があった。
その彼が先手先手で選手交代の手を打ったのは、前半に先制点を許したからだ。
初戦で勝ち点を取れなかったチームがグループリーグを突破する可能性は低い。
ましてや、同じ組にドイツ代表に加えてスペイン代表がいるのだ。
このアグレッシブな開き直りが功を奏した。
日本代表にとっては10試合で1回あるかないかの試合。それがワールドカップという大舞台で起きた。
1982年の優勝候補ブラジルを破ったイタリアにあやかれば、日本代表がめざすベスト8進出も現実化してきた。
これだからサッカーは面白い。
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