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領海守るプロの目 警戒監視の要、哨戒機に記者搭乗2023/6/22 産経市岡 豊大

2023-06-30 15:26:29 | 連絡
領海警戒任務の主力である海上自衛隊P3C哨戒機




に搭乗できる機会が14日にあり、海自下総(しもふさ)航空基地(千葉県柏市)へ向かった。
日本の周辺海域では近年、中国やロシアの軍艦が活動を活発化させている。
哨戒機の搭乗員たちは上昇、下降、旋回を繰り返す機内から洋上や海中に目をこらし、周辺国の脅威から日本の海を守っている。
約2時間半の訓練飛行に記者が同行した。
「10時方向、日本漁船」「14時方向も漁船」「正面、貨物(船)」
P3Cのコックピット内に、双眼鏡を手に洋上の船舶を識別していくベテラン搭乗員の声が響く。機体が傾き、貨物船の背後から右側へと回り込んでいく。すかさず搭乗員が一眼レフカメラで船を連写し、撮影画像を確認した。
映し出された船名や船籍港、積み荷を拡大して不審な点がないかチェックするためだ。
P3Cの「P」は英語のパトロールの頭文字だ。
日本周辺海域の常続的な警戒監視を主な任務とする。
下総航空基地には搭乗員を訓練する教育航空隊があり、この日は新潟県・佐渡島沖での洋上監視訓練に同行した。
機密保持のため機内は撮影が禁止され、対潜能力の見学はできなかった。
P3Cは全長35・6メートルで小型旅客機ほどの大きさ。
1基当たりF1マシン約6台分に相当する最大4600馬力のエンジンを主翼に4基備える。
最大速力は時速730キロ、航続距離はシンガポールまで到達できる約7千キロに及ぶ。
タラップを上がって機内に乗り込むと幅2~3メートルと意外に広い。
一般的な民間空港より短い2250メートルの滑走路を駆け抜けると、機体はぐんぐん上昇し、約10分後には高度約3200メートルに達した。
監視対象は全ての水上艦船と潜水艦だ。
目視だけでなくレーダーなどの電子機器類を駆使する。「サブマリン・ハンター」と言われるように音波探知装置「ソノブイ」を海面に投下して潜水艦の音も聞く。
訓練海域に入ると、機内の暗い場所で無線連絡を取りながらモニター類を忙しく操作している搭乗員がいた。半径16マイル(約25キロ)を示す丸いレーダー画面に艦船を示す輝点が11個もある。
それを赤外線映像や電波探知、磁気探知などの画面で一つ一つ識別しているのだ。
機体は船を見つける度に高度1000メートルからわずか1~2分ほどで目視による確認高度である高度150~300メートルへの接近降下を繰り返す。訓練時間内に記者は2度も吐き気を催し、搭乗員から白湯をもらい休憩室で休ませてもらった。 
その間、ベテラン搭乗員が教えてくれた。
哨戒機乗りはシルエットで国籍や所属を瞬時に答えられるようあらゆる艦影を目に刷り込む。
「もちろん、軍艦だけ追いかけているわけではない。民間船でも『臭いがする』(おかしいと感じる)船は何度も確認し、場合によっては追尾する」。不審船は船名表示を隠したり、甲板の積み荷に不自然な覆いをしたりするという。
防衛省は警戒監視任務に人工知能(AI)を利用する研究を行っているが、
搭乗員は「人間の目だからこそ気付けることがある」と話す。
機内には整備員に加え、満載された電子機器の故障に対応する電子整備員も搭乗する。
電子整備員は定期的に機器を見て回り異変がないか確認していた。
本番の哨戒任務は最長でおよそ8時間に及ぶ。
艦艇と違って食堂はなく、食事は持ち込んだ弁当など簡素なものだ。
緊張を強いられる任務中、一体何を楽しみにするのか。
「チームのメンバーとの会話ですね」
1チーム11人の搭乗員は常に無線を通じて全員と話せる状況にある。
任務地に着くまでのひとときに「小話」を準備しておくのが日課なのだという。
領海を日々守っているのは熟練の目であると同時に、われわれと同じ生身の人間であることを実感した。(市岡豊大) 




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