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「サバ・サケも高騰」日本人が魚を食べなくなる日2023/05/04中尾 謙介

2023-05-04 14:38:10 | 連絡
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中尾 謙介(なかお・けんすけ)
 
東洋経済 記者
1998年大阪府生まれ。
現在は「会社四季報」編集部に在籍しつつ水産業界を担当。
辛い四季報校了を終えた後に食べる「すし」が世界で1番美味しい。
好きなネタはウニとカワハギ。

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サバにマグロにサーモンまで――。魚の価格が高止まりしている。3月に豊洲市場(東京都中央卸売市場)で取引されたサバの平均価格は1キログラム584円と、1年前より6割以上も高騰した。
国産マグロは同4372円と36.3%増へ値上がりしている
回転ずしのすしネタなどに使われるノルウェーのアトランティックサーモンは、3月の輸入価格が1キログラム2000円近くまで上昇した。
「キロ1000円を上回ると需給が調整され自然に価格が下がっていくことが多かったが、1年半前に1000円を超えてから落ちる気配がない」(水産大手担当者)。
まさに異常な魚価高が続いている。
「1皿100円」が主流だった回転ずし業界では、スシローやくら寿司が値上げに踏み切った。
水産業界でも大手3社のマルハニチロ、ニッスイ、極洋を中心にサバなどの缶詰や水産加工品が値上げされている。
日本の食卓に欠かせない魚をめぐり、2つの大きな潮流が起きている。 
〇世界に根付いた「すし文化」
①1つ目は、輸入水産物の「買い負け」だ。欧米では健康志向で魚食が広まり、アジア圏でも経済成長に伴い動物性タンパク質の需要が高まっている。
さらに「日本のすし文化が各地で根付き、すしネタを中心に引き合いが強い」(水産卸大手・中央魚類の伊藤晴彦社長)。
日本では嗜好の変化や調理の手軽さで肉の消費が増えて「魚離れ」が顕著だが、海外では魚の需要が伸び盛りとなっている。
例えばメロという魚種は、かつて「銀ムツ」の通称で食べられてきた。
しかし「中国に買い負けしている。
彼らは多少の高値でも気にせず、部位をえり好みせずに一匹丸ごと仕入れていく」(水産大手幹部)。
かつて安価だったメロは、百貨店で並ぶような高級魚になってしまった。
魚価高はデータからも明らかだ。
日本は2006年に水産物を約315万トン輸入していたが、2021年は220万トンと3割以上も落ち込んでいる。
反面、輸入金額はコロナ禍などで2020年は落ち込んだものの、上昇トレンドで推移している(財務省「貿易統計」)。
<下記URL

参照

 極洋の井上誠社長も「われわれは30年間、デフレにどっぷり浸かりすぎた。日本の食生活を守るためにも、今後はインフレの中で勝負していくという考え方へ転換しなければならない」と危機感をあらわにする。 
➁2つ目は、日本近海での漁獲量減少だ。
「国内の水域では、海水温上昇などに起因して水揚げ量が明らかに減っている。
アジ、サバ、サンマなどの大衆魚が代表例」(中央魚類の伊藤社長)。
そのうえで「ブリは富山県の氷見市、金沢市が有名だったが今では北海道が一大産地になっている」と水揚げ地の異変を語る。
 特に深刻なのはサンマで、4年連続で漁獲量が過去最低を記録している。
水産研究・教育機構によると、これまで日本沿岸に近づいていたサンマが2010年頃から急に沖合へとどまるようになったという。
冷たい親潮が弱化したのに伴い道東・三陸沖の水温が上昇し、さらに海洋環境の変化でプランクトンが減少したことなどが原因とみられる。
地球環境だけでなく、人為的な原因があるとの見方もある。
日本近海での水産資源の枯渇については資源管理の甘さも要因。
サバが不漁になったのは乱獲の影響も大きい」(極洋の井上社長)。
今後も魚価が下がる見込みは薄い。
前出の水産大手幹部は「春先から仕入れシーズンが始まるが、1ドル130円程度の円安基調のため輸入価格は下がらない」と語る。
極洋の井上社長も「足元はカニやチリギン(チリ養殖の銀鮭)などの価格が崩れているが、あくまで相場のあや。
これからコロナ禍で眠っていた中国の需要も本格的に戻ってくる」と予想する。
国産の水産物についても「漁獲量が急激に回復することは考えにくい」(豊洲市場関係者)と期待薄だ。 
〇日本のサンマ漁獲枠は青天井
厳しい環境下で業界が取り組むのが、水産資源の有効活用と管理保全だ。

「小型で知名度が低く、輸送コストに見合わないという理由で捨てられている魚は少なくない。
スーパーに並ばないような魚種も優良なタンパク源で、流通に乗せる取り組みが必要」。
日本水産学会の東海正会長は市場に出回らない「未利用魚」の利活用を提案する。 
(。>﹏<。)日本のもろさ ウクライナ侵攻で見えた食料の危機的状況 2023年02月21日山下一仁
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/1226759d6cd51f7ff3a3ada0172bd4e3


資源管理については4月24日、水産庁がサンマ漁獲量の上限を前年比24%減の約11.8万トンにする方針を決定した。
しかし前年のサンマ水揚げ量は約1.8万トンであり、実質的に青天井。
日本ではサンマ以外でも漁獲枠が設けられているが、対象魚種が少ないうえに漁獲枠が実態に即していないのが実情だ。

「欧州ではマグロが資源回復しているしサバも獲れている。
日本も見習ってIQ(漁獲枠を漁業者または漁船ごとに配分する制度)を実施するなど、手立てを考える必要がある」(極洋の井上社長) 
世界での買い負けと漁獲量の減少という二重苦に、日本はどう対応するのか。対策を講じなければ、魚は手の届かない存在へと遠のくばかりだ。



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