40歳になった時、肩書きが主任になった。
経験はそれなりに積んで、それなりに仕事はこなせる様になって、良くも悪くも余裕が出てきた。
ん?これでいいのか?
児童養護施設の仕事は、経験値だけでも何とかなるっちゃなるけど、何とかならないっちゃならない。
経験値の高いベテランは余裕をどう使うか…だ。
楽しようと思えば出来る。
でも向上心を持って、丁寧に仕事に向き合おうとするとキリがない。
世間的にはマイナーだけど、実は高い専門性が求められる仕事なのである。
そこで、自閉症スペクトラム支援士という民間資格を取得するコトに。
発達障害に関する専門性は今や児童養護に欠かせない。
金払えば誰でも取れる資格でもないので、研修受けて、学会出て、認定試験を受けて取得した。そして45歳に。
更に経験を重ね、主任という肩書きだけでなく、沢山のコトを求められる立場になったボク。
心身共に余裕を持って仕事をこなせていた。
決して仕事が楽という訳ではない(すげー大変だけど余裕を持てるよう努力している)。
ん?これでいいのか?
経験値に頼って楽をしてないか?
発達障害の理解は必要不可欠だけど、更に精神保健分野への専門性も必要に感じてきた。
虐待をされたい子どもなんていない。
当たり前だ。
虐待したくないけど、色んな事情で結果的に虐待行為に至ってしまう保護者がいる。
色んな事情ってのが、自身の被虐待経験だったり、発達障害だったり、精神的な理由だったり、経済的理由だったり…本当に様々だ。
責めても仕方ないので、とにかく理解して支えるコトが大切。精神保健福祉の視点や理解って人生の色んなシーンで必要なのだ。
そして、ストレスフルな対人職なので少なくない同僚達がメンタルの課題を抱え、少なくない同僚が退職という道を選んだのである。
経験値だけで何とかなる問題ではなくなってきた。
うん、このままではいけない。
とは言え自分に何ができる?
教員資格は持っているけど、何だかんだで「福祉」をちゃんと勉強してこなかったボク。
現場経験は積んだし、必要な勉強はしたけど、福祉の専門家と自信を持って言えるのか?
よし、福祉の国家資格を取ろう。
福祉と言っても色んな分野があって、「福祉士」に関する国家資格は、社会福祉士と精神保健福祉士、そして介護福祉士がある。
それぞれを調べた結果、今の自分に必要な資格というか勉強してみたい資格が「精神保健福祉士」である。
その名前だけは20年位前に知ったけど、当時は全く興味がなく、必要性も感じなかった。
今も別に仕事上、取らなくても良いし、取得に向けた補助が職場から出る訳でもない。
でもこの資格をボクが取得するコトで誰かの助けになる気がする。
そんな経緯や動機で「精神保健福祉士」資格取得に向けて動き出した。
しかし、さすが国家資格である。
まずは受験資格を得るために一年半、養成校で学ばないといけないコトを知った。
1ヶ月間の現場実習も必要だ…え?ムリ(>_<)
あれこれ調べた結果、自宅から一番近くにある名古屋の専門学校を受験するコトに。
近いと言っても高速バスで二時間以上かかる。
働きながら通うのなんて不可能なので、通信制を選択。
ネックだった現場実習は職歴を考慮されて免除となった。
課題レポート他を提出して無事に合格、昨日今日と初めてスクーリングに行ってきた。23年ぶりの学生証ゲット!今後も数ヶ月に一回、二日間のスクーリングがあり、二週間に一度、レポート課題を提出しないといけない。でも、自分でやりたくてやる勉強なので楽しみだ。二年後の国家試験にスムーズに合格するかは分からないけれど、受験する資格を得るだけの勉強はしていく訳である。数年前、国家資格について少しだけ考えたけど、現実的には考えていなかった。
この歳で学生になるなんてね。
人生って想定外の展開になるから面白い。
ちなみに一週間後には久々のフルマラソンにチャレンジしている予定。
自信はないけど楽しみだ。
リタイヤするかもだけど、今の自分の肉体的限界に挑戦してこようと思っている。
人生って本当に面白い。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます