苦しくてたまらない…ほとんどの病気が「最後は肺炎で死ぬ」

2020年06月13日 | 病気 余命を考える 死を迎える準備
苦しくてたまらない…ほとんどの病気が「最後は肺炎で死ぬ」

6/13(土) 7:05配信
NEWS ポストセブン

コロナによる間質性肺炎(下)では両方の肺全体に白い影が広がる(写真/GettyImages、時事通信フォト)

「まさに“陸で溺れる”という感じで、いくら息を吸っても肺に空気が入ってきた感じがせず、苦しくてたまらない状態がずっと続くんです」(50代・女性)

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「深呼吸しても酸素が体内に入ってこない。まるで首を絞められているようでした。胸が痛くて、這わないと動けず、このまま気を失って死んでしまうのではと強い恐怖に襲われました」(30代・女性)

 これらは、肺炎を経験した人たちの体験談だ。異口同音にそのつらさを訴えることから、いかに“しんどい”病気であるかがわかる。

 日本語には「息を引き取る」「息がない」といった表現があるように、呼吸はまさに生命活動の象徴。外部から新鮮な空気を取り込み、古くなったものを吐き出す。私たちはこの呼吸を1日に3万回ほど行っている。

 無意識に行われている呼吸。いま、それを司る臓器である「肺」の重要性が見直されている。重篤な肺炎を引き起こし、これまで全世界で40万人もの命を奪った新型コロナウイルス感染症の拡大がその理由だ。

 国内でも、3月29日に新型コロナ肺炎で亡くなった志村けんさん(享年70)の最期の様子は、詳しく報じられた。微熱からたった3日で呼吸困難になって意識不明となり、そのままこの世を去った。重症化すると自分の力では呼吸ができなくなり、人工呼吸器や人工肺(エクモ)などの医療機器による治療が必要になるといったことが私たちの知るところとなり、「肺の強さ」が死亡率を左右すると痛感させられた。

 当然ながら、肺炎の原因は新型コロナだけではない。厚生労働省の最新データ(平成30年人口動態統計)によれば、国内の肺炎による死者数は9万4661人。がん、心疾患、老衰、脳血管疾患に続く死因の第5位。過去20年以上にわたって日本人の死因ワースト5に入り続ける“常連”でもある。

◆ほとんどの場合、最後は肺炎になって死ぬ

 そう聞くと、すぐにでも恐ろしい肺炎の予防法を知りたくなるところだが、深い理解のために、肺を中心とした呼吸器の構造を知っておきたい。


まず肺とは、気管から気管支へとつながった末端にある臓器で、3億個ほどある風船状の「肺胞」で成り立っている。肺胞の隙間には血管やリンパ管があり、それらを支える組織を「間質」という。

 医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんが解説する。

「肺の役割は大きく2つあります。1つは空気を『吸って、吐く』こと。気管を広げて空気を取り入れると肺は膨らみ、吐くときは肺の周りの筋肉が収縮し、肺から押し出された空気が外に出る。

 2つ目は間質で行われる酸素と二酸化炭素のガス交換です。血液中に酸素を取り込んで、不要になった二酸化炭素を体外に出す。この2つの機能によって、体の中を『換気』するのです」

 その肺に問題が起これば、生命にかかわると上さんは続ける。

「人間が死ぬときは、呼吸ができないか、心臓が止まったときです。人間の臓器の中でも、『肺』は最も重要な組織なのです。がんと比べると、世間的には『肺炎』のイメージはそれほど深刻ではありませんが、医師の間では、肺炎とわかれば非常事態です」

 たしかに、腸に異変があったとしても、すぐには死なないが、肺はそうはいかない。長く息を止めていられないからだ。すなわち、肺は命に直結する臓器なのである。

 それほど大事な肺だが、ガス交換を担う部分の肺胞が壊れてしまうと、もう二度と元には戻らない。

 人気番組『笑点』(日本テレビ系)の司会を務めていた落語家の桂歌丸さん(享年81)も、長年の喫煙によって肺胞が壊れるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気に侵され、2018年7月にこの世を去った。最期まで酸素吸入をしながら高座に上がる姿が記憶に残っている人も少なくないはずだ。

 このような肺そのものの疾患だけでなく、ほかの病気から肺炎になることも少なからずある。東邦大学医療センター大橋病院教授で呼吸器内科医の松瀬厚人さんが話す。

「ほとんどの病気で、最後は肺炎になって亡くなります。たとえば、死因が『老衰』となっている場合も、実はうまくたんが出せないことで起きた『誤嚥性肺炎』だったりするケースがかなりあるのです。肺炎で亡くなるときは、体中の酸素が不足し、全身の臓器に異常が出ることによって『多機能不全』となり、死に至ります」


肺炎はいきなり症状が表れ、あっという間に重症化することも多い。神奈川県に住む清水昌代さん(81才・仮名)が言う。

「数日前まで元気に日課の散歩をしていた夫が、ある日から微熱が続くようになり、たんがからんだ咳をするようになりました。風邪だと思い市販薬をのんでいたのですが、2週間たってもよくならず、病院へ行ったら重度の肺炎と診断されました。入院後みるみるうちに悪化し、そのまま亡くなりました」

 高齢になると、若い世代と比べて、発熱や咳などの症状があまり出ず、重症化するまで気づかないことも珍しくない。なんの自覚症状もない人が健康診断で肺のCTを撮って「肺炎です」と診断されることもあるのだ。

 このように、自覚症状が出ずに急速に肺炎が進むことを、最近では「サイレント肺炎」と表現することもある。医学用語ではないが、新型コロナの流行とともにメディアを中心に広まった。

「通常、肺に関する病気は自覚症状がすぐに出ます。ところが、新型コロナ感染による肺炎は、自覚症状がないままどんどん悪化するケースも多いことがわかってきています」(上さん)

 とはいえ、ほとんどの場合、肺炎になれば想像を絶する苦痛が押し寄せる。冒頭の経験者の「苦しくてたまらない」という言葉は、多くの肺炎患者に共通する感想だ。

※女性セブン2020年6月25日号





赤ちゃん優先のBCG奪わないで!! | 7時間前

肺がんもそんな様なものですね。肺に水が貯まるから呼吸が出来なくなる。

病気になったら、ある程度の年齢になったら、楽に眠れる尊厳死を。苦しんで死ぬのが美学とか美徳だとかくだらなすぎる。

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fuk***** |4時間前

家族が肺がんで肺に水が貯まり溺れるように苦しんで亡くなっていきました。このような経験がない人や、医師ですら薬でコントロールするなどと軽く言いますが、薬のコントロールには限界があります。尊厳死を認めてほしいです。
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san***** |5分前

父は肺がんで最後の20時間ほど死ねほど苦しんでなくなりました。苦しみはじめた時に、楽になるよう医者は対処するのですが、そこでいきなり安楽死させるのはもっとかわいそうでできません。最後は苦しむ元気もなくなって穏やかに話もできます。
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lyx***** |4時間前

同じく同意です。
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dai***** |1時間前

GDPが減少するからダメです。by日本政府
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yuz***** |4時間前

そうですね。
最期に苦しんでも意味ないですから。
寿命は縮んでも、楽になれる方がいいですね。
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hir***** |4時間前

尊厳死に 私も同意です。
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flo***** | 6時間前

親が間質性肺炎で亡くなる前、苦しみのあまりホスピスに入りたくてもホスピスは癌が対象であるとして入れず、
モルヒネなども頼んでもなかなか投与してくれなかった。
医師は治療や命の長さを説いたが、本当にその人らしく生きる事は理解してくれなかった。
酸素不足で幻覚や幻聴なども起こり、苦しみは相当なもの。
あの苦しみを目の当たりにすると、喫煙などしようとも思わないし、感染してもいいからパチンコ行くとか、旅行行くとか、絶対無理だ。

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bun***** |5時間前

>医師は治療や命の長さを説いたが、
>本当にその人らしく生きる事は理解してくれなかった。

同じ経験をしました。
やはり「癌末期じゃないからダメ」と。
かなり食い下がって交渉した結果、睡眠導入剤と痛み止めを投与してくれ、よく眠れた親(元来生命力が強い)は、幸運にも回復することができました。
高齢者の肺炎には、とにかく苦痛緩和に徹してくれることを切望します。
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qq3***** |4時間前

モルヒネは痛みは取れるが息苦しさには効果がないって医者に言われた。
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kaz***** | 6時間前

ほとんどの病気がとは思わないけど、心不全(肺炎じゃない)にせよ、肺の何らかによる機能低下にせよ、酸素供給が足りなくなって苦しいのは同じ。

酸素不足は苦しい状態が長く続くので、年齢関係なく安楽死を認めるべきだと私は思っている。まぁ、健康な人には重い息苦しさが続く不安は理解できないようにも思うので疑似体験させてあげると賛成してくれると思う。

返信2

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西浦徹 |5時間前

30代で心不全持ちです。
肺では無いですが心不全も呼吸苦があり本当に苦しい時があります。吸っても吸っても酸素が足りない感じでトイレに行くだけで息切れしたりします。
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yuz***** |4時間前

パニック障害は過呼吸ですけど、同じく苦しいです。発作時には、死んでしまうのではないかという恐怖がつきまといます。
呼吸は大事ですね。
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tha***** | 6時間前

ウチの母も肺がんでしたが、肺炎で見てて辛かった。水が溜まる。チューブを背中から直接刺して血の水を抜く。痛がって苦しんで…思い出すだけで涙が出ます。ああなると家族は何もしてあげられない。手を握りたいけどミトンを装着させられる。苦しむので手・足縛られて
肺炎は甘く見てはいけないです。コロナに罹患された方、辛かったと思います。後遺症 少なかったら良いですね。血栓で又苦しむ方が多いとか…乗り越えて欲しいです

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eso***** | 6時間前

息をしても酸素が入ってこない苦しさは体験しないと分からないだろうな。
普段は意識しなくても呼吸してるのに、意識しないと出来なくなる。
去年経験したけど、二度と経験したくない。
本当に辛いです。

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ryu***** | 6時間前

老衰が、誤嚥性肺炎か心不全だろうからだいたいそんなもんだろう。苦しいからモルヒネなどで呼吸抑制かけて苦しまないように看取るのが治療になってる。他疾患が理由でなく年齢によるものが原因な場合、生存機能の低下だから、治療で何とかというのも難しい・・・

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-***** | 4時間前

息が出来ない。陸の上で溺れた感じ。
喘息の発作の時は毎回その状態。死ぬほど苦しい。いつも苦しくて力尽きて気絶したようにやっと眠っては苦しくて目が覚める。
最初の頃コロナの症状を聞いておそろしくて喘息持ちの人は余計に気をつけて生活をしてると思う。

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qmy***** | 3時間前

東京都内の空気は90年ぐらいまでものすごく汚れていた。80年代後半都内の飯田橋附近に住んでいたが、首都高ぞいの道を歩くことが多いせいか、鼻の中がいつも真っ黒になった。

その後、石原都知事がディーゼル規制をして、都内の空気は画期的に改善し、都内を歩いても鼻が黒くなることはなくなった。

あの政策は評価されていいと思う。
日本人の肺炎は今後減ると思う。

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ao***** | 4時間前

重度の喘息を持っていますが、喘息発作と肺炎の苦しみは全然違います。
喘息も、呼吸ができない苦しさと恐怖心は半端ないものですが、肺炎はそれをはるかに上回ります。

普通に無意識に呼吸ができているのって、本当に幸せなことです。

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leg***** | 6時間前

小学校1年生の時、海で溺れかけて水をしこたま飲んだんだよね。息ができなくてすごく苦しかったことを今でも覚えているよ。親に聞いたらその後、肺炎になってそれも結構大変だったんだよ、と言われたんだけどそっちはあまり記憶がないんだよね。

返信1





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