延命で苦しむのはイヤだ」「慌てて救急車」…在宅死のリアル

2020年06月14日 | 病気 余命を考える 死を迎える準備
「延命で苦しむのはイヤだ」「慌てて救急車」…在宅死のリアル

6/13(土) 11:00配信
幻冬舎ゴールドオンライン

「最期は自宅で過ごしたい」、「最期は自宅で看取ってあげたい」。高齢者の介護において多くの人が望むことです。しかし、願望に反して「在宅死」や「在宅看取り」は実現可能であると答える割合はごくわずかであり、医療機関などの自宅以外の場所でなくなる人が圧倒的多数であるという現実があります。高齢社会に生きる人々としていっそう身近なテーマとなる「最期の過ごし方」に希望はあるのでしょうか? ※本連載は『大切な親を家で看取るラクゆる介護』(幻冬舎MC)から抜粋・再編集したものです。
「在宅看取りは実現可能」と考える人はわずか6%

本音は「最期まで、住み慣れた自宅で過ごしたい」。しかし現実は…

現在の日本社会は、かつて経験したことがないほど高齢者が多くなっています。そのため、終末期にどのような医療を受けたいか、どこで人生最期のときを過ごしたいか、といったことが盛んに議論されています。

病院でたくさんのチューブにつながれて意思表示もできない。そんな状態で無理に生かされるのはごめんだ、できるならば自宅で穏やかに逝きたい。そう思う高齢者が増えていることもあり、最期まで自宅で過ごす「在宅死」や「在宅看取り」も、一般の人びとの間で話題に上るようになってきました。

しかし実際には、在宅死・在宅看取りが身近になっているかというと、必ずしもそうとはいえません。まだまだ病院で亡くなる高齢者が圧倒的多数を占めています。

在宅でしばらく介護をしていて、なんとなく「いずれは看取りも」と考えていた家族でさえいざ親御さんの容態が変わると、慌てて救急車を呼んで病院へ運んでしまうケースが多々あります。

おそらく、高齢者本人は「最期まで、住み慣れた自宅で過ごしたい」というのが本音だと思います。

内閣府が60歳以上の人を対象に行った調査では、完治が見込めない病気になった場合の最期を迎える場所の希望を尋ねたところ、「自宅」が51%でもっとも多くなっていました。性別で分けると、女性は自宅を希望する人は43.8%ですが、男性では59.2%と6割近くに上ります。また年齢が高くなるほど、自宅を希望する人の割合が高くなります(「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」)。

これまで、1000人以上の看取りを行ってきた筆者としても「看取りの場所は自宅がいい」と感じています。

これは必ずしも、もとから住んでいた自宅でなくてもいいのですが、高齢者住宅なども含め、日常生活を送っていた場でそのまま命を終える、というのが高齢者本人にとって、もっとも自然で安らかな最期ではないでしょうか。

ところが、別の調査によると、最期まで自宅で療養することが「実現可能である」と考える一般国民は、わずか6%に過ぎませんでした。逆に「実現困難である」と回答した人は、66.2%に上ります(厚生労働省「終末期医療に関する調査」)。


「理想は在宅死・在宅看取りだが、非現実的」と諦念
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[図表1]終末期医療に対する国民の意識調査 自宅での療養:60%以上の国民が、最期まで自宅での療養は困難と考えている。「実現可能である」と回答した者の割合は一般国民(6%)よりも医療福祉従事者が上回った(医師26%、看護師37%、介護士19%)出典:平成20年厚生労働省「終末期医療に関する調査」

自宅で最期まで療養することが困難な理由としては、「介護してくれる家族に負担がかかる」という人が8割、「症状が急変したときの対応に不安がある」と答える人が半数を超えていました。

要するに、高齢者は、本当は家にいたいにもかかわらず、「自分のことで子どもに迷惑や苦労をかけたくない」という思いから、在宅死は無理だろうと考えているようです。

そして親の介護をする子ども世代も、「できるものなら親を最期まで自宅で過ごさせてあげたいけれど、急変時などの対応に自信がもてない」と、在宅看取りに踏み切れずにいます。

結果的に親にも子にも、「在宅死・在宅看取りは理想だが、現実には厳しい」、そんなあきらめの気持ちを持つ方も多いようです。
「気楽で緩やかな介護」が「最期まで家で」を実現

筆者が在宅医療に関わるようになって、すでに20年以上が過ぎました。そのなかで親御さんの介護にたいへん苦労をされている娘さん、息子さんを数多く見てきました。

同時に、人生の最終盤に病院で自由を奪われ、望まない延命医療を施されて、苦しみのなかで亡くなる親御さんも、たくさんいらっしゃいました。

筆者自身も年齢を重ね、高齢者の一人となって感じるのは、いまのような「最期まで治療する」「できることはすべてやる(やってあげたい)」という頑張る一方の介護・医療では、高齢の親御さんも子ども世代も幸せにならない、ということです。

人が年をとって病を抱え、やがて命が終わる。それは本来、決して特別なことではありません。ごく自然で当たり前の、すべての人が通る道です。

筆者は「高齢になった親の介護」というものをもっと気楽に、ゆるやかに考えたほうがいいと思っています。子ども世代の生活に無理のない範囲で、できることをする。本当はそれで十分です。

親御さんだって、娘や息子に介護をしてもらえればありがたいと思う反面、自分のためにわが子が苦しむ姿は見たくないはずです。それが親心というものでしょう。

たとえ認知症が進んで子どもの顔がわからなくなっても、子を思う親の気持ちが完全になくなるわけではありません。高齢の親は、穏やかに自分自身の人生を終えたいと願いつつ、息子・娘たちにもやはり幸せになってほしいのです。

幸いなことにいまは「介護が必要になった高齢者を、住み慣れた地域で支える」という方針で始まった介護保険制度があります。

2000年にこの制度が導入されてちょうど20年になる現在は、各地で在宅医療を行う診療所や訪問介護・訪問看護の事業者も増え、家族とともに要介護の高齢者を支えるネットワークが広がっています。

そうした社会資源をうまく活用すれば、家族にとってより無理のないかたちで、高齢者の療養生活を支えることができます。

そして、ゆるやかな在宅療養・介護で穏やかな時間を過ごすことができれば、「最期まで家で」という在宅看取りも、もっと身近で実現可能なものになるでしょう。

“生活の場で生活を終える”ことは、その人の尊厳を守りながら命を終えることであると、筆者たちは考えています。

井上 雅樹

医療法人翔樹会 井上内科クリニック 院長


死に方について考える 海外移住25年フィリピンでギター弾こう
苦しくてたまらない…ほとんどの病気が「最後は肺炎で死ぬ」「まさに“陸で溺れる”という感じで、いくら息を吸っても肺に空気が入ってきた感じがせず、苦しくてたまらない状態がずっと続くんです」



opc***** | 12時間前

私は義母を在宅で看取りました。
最終的に在宅になったのは2か月位でしたが、訪看さんやヘルパーさん達に助けられて最後はちょうど孫達がいてみんなで送る事が出来ました。
でも、実際は24時間気が休まることはなく、自分が1人の時急変したら、も思うとホントに不安でした。
緩和の先生に、よく頑張ったね、と言われた時は緊張?から解き放たれたからか涙が止まりませんでした。

時間もお金も束縛されて、確かに富裕層でないと長期間とかになると無理かもしてないですね
高齢者は保険も入ってない場合が多いので思った以上に経費はかかったのを覚えています。

それでも、本人が家がいいとずっと言っていたのでそれが守れたのは良かったかな、と思います。

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mkp***** | 11時間前

家族には、私が倒れても、救急車を呼ぶなと言っているが、
その時に直面した家族にはそれは難しいであろう。
呼ばれた救急隊も延命処置をしないわけにはいかない。
こうなると後は本人次第となるか。
悟られないように静かに・・・・・・去りたい。

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yuk***** | 3時間前

認知症の母が入院した時は身体拘束があり
母にとっては過酷としか言いようがなかったので
退院後は訪問診療をお願いし
いざという時には救急車は呼ばないで訪問診療の先生に看取って頂こうと弟と相談しました
しかし訪問介護の方からはヘルパー訪問中に急変した場合は救急車を呼びますと言われてしまいどうなるのだろうと不安な気持ちです

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popopo | 10時間前

一度倒れ入院して介護認定して退院後訪問診療受けていた方なら、まだ在宅死の道はあるけど、突然倒れた時救急車呼ばないと
家族が罪に問われるでしょ。

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kon***** | 9時間前

在宅死を希望してた父ですが念の為、緩和病棟のある病院にもお願いしていました。
具合が悪くなって5日間は訪問看護のお世話になっていましたが、死が近づくのが分かると、訪問看護の方の帰った後は不安で不安で•••。
結局最後2日間は緩和病棟でお世話になりました。
でも良かったと思ってます。

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xcd***** | 14時間前

ソロ老人が増える中、家族に自宅で看取られるのは極々少数の富裕層特権になりそうです
逆ピラミッドの年齢分布では容易に想像出来る

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rie***** | 12時間前

自宅で静かに逝くのは、理想だけど、現代ではそうはいかないようです。警察が来て、不審死かどうか調べたり、病院では最後まで延命治療で慌ただしかったり、悲しみに浸る静かな時間も、かき消される様な忙しさの様です。
何が良いかは分からないけど、自分は元気なうちに色々楽しんだり、親にも出来るだけの事が出来れば、最後がどうであれ、いい人生だった、って思えるのではないかと、と思っています。

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msi***** | 37分前

うちのじぃちゃんは、現在家でベッド上で過ごし訪問ヘルパーさんに来てもらってる。手と足だけが悪く歩けない。でも食べるし喋るし元気。
死ぬのは病院でもイィけど、葬式は家でしたい。家から出してくれ!ってずっと言ってるわ。

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ranran | 2時間前

在宅の看取りって、救急車呼ばなかったら逮捕されないの??

最近、病気の爺さんを家に置いて外出したら亡くなってて、逮捕された親子がいたよね?

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tak***** | 12時間前

野生動物だとひっそりいなくなって、そして死んでゆく。人間だけが最期まで苦しんで死んでゆく。孤独死が当たり前になる時代も近いのだろうが、人間ってのは死ぬまで辛いことばかりだ。


たーちゃん | 12時間前

独身の一人っ子の親が無くなれば天涯孤独になる
それが病気になった時誰も保証人になってくれないから病院に入ることもできず家で孤独死することになる
十数年後これが社会問題になると思うけどしっかり対策立てて欲しい
個人的には家財道具などを処分後安楽死できることを希望してる


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