北九州で4人の女性が集団自殺……“事故物件を知り尽くす男”大島てる

2019年10月29日 | 消費者情報



北九州で4人の女性が集団自殺……“事故物件を知り尽くす男”大島てるは、なぜそのニュースに驚いたのか?

10/29(火) 17:00配信

文春オンライン
北九州で4人の女性が集団自殺……“事故物件を知り尽くす男”大島てるは、なぜそのニュースに驚いたのか?

大島てる氏 ©文藝春秋

 これまでの連載では、まずは関東、次に関西の事故物件を取り上げてきましたが、今回は九州の事故物件を紹介したいと思います。注目したいのは北九州市。本州最西端の山口県下関市とは、関門海峡を挟んでお隣の市になります。

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( 全3回の1回目/ #2 に続く)
なぜか“特殊な”事故物件が集中している「トライアングル」

 そんな北九州市の事故物件というと、「 北九州監禁殺人事件 」を思い出す方も多いのではないでしょうか。男が内縁の妻とともに、拷問や虐待によって被害者たちをマインドコントロールし、合計で7人もの命を奪った凄惨な事件。2002年(平成14年)に監禁されていた女性が逃げ出して事件が発覚した際には、非常に大きなニュースになりました。

 とはいえ、今回紹介したいのは、それとは全く違う物件です。ただ、「北九州監禁殺人事件」の現場からは、車を使えばすぐの場所にある物件で、エリアとしては近いところに位置しています。

 そこには非常に“特殊な”事故物件が、ほとんど距離を置かずに3つも存在しています。地図上でそれぞれの物件を頂点にして線を引いてみると、綺麗な直角三角形を描くことができます。この「トライアングル」で起きた事件を、1つずつ紹介していきましょう。
高層マンションで発見された4人の女性の遺体

 もっとも新しい事件は、そのうちの1つの頂点である高層マンションで起きました。タワーマンションとまでは言えませんが、それなりの高さがあるビルの一室で、4人の女性の遺体が発見されたのです。

 しかし4人は家族でも、友人同士でもありませんでした。1人はその部屋の住人でしたが、残りの3人はSNSを通して集まった、おそらく初対面の自殺志願者たち。練炭を用いた集団自殺でした。
4人は閉め切った室内で練炭を燃やした……

  前回の記事 の中で、「集団自殺はなぜ練炭で行われるのか」について述べました。首つりや刃物を用いた集団自殺では、誰かが失敗する可能性が高く、そうなると「自殺を装った殺人事件ではないか」と疑われることにも繋がる――というのが、その大きな理由でした。この事件でも、4人は確実に全員で死ぬために、閉め切った室内で練炭を燃やしたのでしょう。

 ただ、大家の立場からすると、4人もの人間が同じ部屋で集団自殺するというのは、とてもショックが大きいはずです。たとえばこれが飛び降り自殺であれば、遺体が発見されるのは屋外になるので、部屋そのものは直接の死亡現場にはなりません。ただ、練炭自殺となると、正真正銘「この部屋で○人が死んだ」ということになり、その影響を考えると、経済面でも大家へのダメージは少なくないでしょう。


すぐに忘れ去られてしまった事故物件

 この事件は、当初こそ大きく報じられたものの、殺人というわけでもなく、有名人や小さな子供が亡くなったわけでもなかったので、続報はなく、すぐにほとんどの人から忘れ去られてしまいました。しかし、私はその現場の住所を確認して驚きました。そこはすぐ近くにあと2ヶ所、とても印象的な事故物件がある場所だったからです。

 ここで公平を期すために、というと少しおかしいかもしれませんが、一応補足しておくと、高層マンションなどが集まるエリアに事故物件がいくつも存在している、ということ自体は、実は当たり前のことです。
世帯数が多ければ事件も事故も起きる

 法令上の制限があるため、高い建物は通常大通りに面した土地に建っています。すると、東京などでは特にそうですが、ある程度発達した都市に住む日本人は、その多くが大通り沿いに住んでいるということになります。

 細い路地が入り組む住宅街に住んでいる人ももちろんいますが、大通り沿いに建つ集合住宅、なかでも高層マンションは入居している世帯数が桁外れに多いからです。

 世帯数が多ければ、中には火事を起こす人も、自殺する人も、孤独死する人もいる。家族や住民同士のいざこざから殺人を犯す人もいる。そして高い建物が存在すれば、そこから飛び降りる人もいる――。そう考えると、大通りに沿った一帯に事故物件が何軒も存在することは、特段珍しいことではないのです。
他の殺人事件が平凡に思えてしまうエリア

 しかし、「普通ではない死に方」となると、話は別です。今回紹介した集団自殺などはその一例で、4人もの人が同じ部屋で同時に亡くなるというのは、事故物件の中でも“例外”に含まれる事件です。実は、この“トライアングル”のすぐ近くでは、父親が小さな子供をテレビ台の下に閉じ込めて殺害してしまった、という悲しい事件も起きています。しかし、これからお話しする2軒を見ていくと、それすら平凡な殺人事件に思えてしまうのです。

 さて、次は三角形の“2点目”のマンションを紹介しましょう。北九州の“トライアングル”を語る上では、ここからが本番と言えるかもしれません。その事件は、「あの部屋に住んでいる女性の姿が見えない」という、とある住人の通報から始まりました。

( #2 に続く)

マンションの一室で発見された“ミイラ化した遺体”……大島てるが語る「事故物件の裏にちらつく謎の祈祷師」 へ続く

大島てる




マンションの一室で発見された“ミイラ化した遺体”……大島てるが語る「事故物件の裏にちらつく謎の祈祷師」
事故物件サイト運営人が見た“魔のトライアングル” #2

大島てる
3時間前

genre : エンタメ, 社会, ライフスタイル
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 北九州市の特定のエリアになぜか集まっている、3つの“特殊な”事故物件。まずは1つ目として、4人の女性が集団自殺した物件を紹介しました。次にお話ししたいのは、そこから徒歩圏内に位置する別のマンションです。始まりは、「あの部屋に住んでいる女性の姿が見えない」という、住人からの通報でした。

(全3回の2回目/#3に続く)
※写真はイメージです ©iStock.com
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身元の特定すら困難なミイラ化した遺体

 警察が部屋に駆けつけると、中から3人の遺体が見つかりました。しかし、いずれもミイラ化、もしくは白骨化していて、身元の特定すら困難な状態。かろうじてわかったのは、どの遺体にも外傷や争った形跡が見られないこと、そして少なくとも1人の死因が餓死であること。さらには、以前はその部屋からしばしば、太鼓の音やお経を読む声が聞こえていたということでした。

 元々そこは、高齢の女性が1人で暮らしていた部屋でした。おそらく、彼女が3人のうちの1人なのでしょう。しかし、残りの2人は一体何者なのか。そして、近所の人が耳にしていた「太鼓やお経」は何だったのか……。
“真相”に迫る鍵は80年代の死体遺棄事件にある

 あらかじめ結論から言ってしまうと、この3人が誰なのか、なぜ死んでしまったのかについては、遺体の状態が悪すぎたため、はっきりとしたことはわかっていません。ただ、この事件の“真相”に近づくためのヒントはあります。実は、この部屋の所有者の女性は、80年代にある死体遺棄事件を起こしていたのです。
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 私が事故物件の情報サイト「大島てる」を開設したのは、2005年(平成17年)のことでした。当然、サイトに掲載されているのはそれ以降に起きた事故や事件についてのみであり、サイト開設以前に生じた昭和の事故物件についての情報は載せていません。

 そのため、この女性が80年代に起こした事件についても、私はリアルタイムで知っているわけではありませんが、後から報道などで知った事実をまとめると次のようになります。


なぜ女性は母親の遺体を“放置”したのか?

 80年代、その女性は母親の遺体を自宅に放置した罪で書類送検されていました。と言っても、彼女は母親を殺したわけではありません。おそらく病気などで自然と亡くなった母親を火葬に出さず、そのまま自宅に置いておいたのです。

 葬儀の費用が払えないから、あるいは今まで貰っていた年金がなくなると困るから、との理由で家族の死を届け出ずに隠蔽しようとする……といった話は時々耳にします。しかし、この女性の場合は事情が大きく異なっていました。彼女は、自分の母親を“生き返らせる”ため、その遺体を自宅に放置していたのです。
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 実は、彼女は「蘇生信仰」を持つ祈祷師の“信者”でした。その祈祷師は、自分には死んだ人を蘇らせる力があると主張し、信者である彼女もそれを深く信じていたようです。

 このときも、彼女はおそらく病気などが原因で亡くなった自分の母親を生き返らせるため、祈祷師に蘇生を依頼。祈祷師は自分の“信仰”に従って、なんらかの儀式を続けていたようです。しかし亡くなった人間が蘇るはずもなく、結局遺体は腐敗が進み、その臭いに気づいた近所の住人から通報があり、事件が発覚した……というのが、だいたいのところだと思います。結局、彼女は祈祷師とともに死体遺棄の容疑で書類送検されました。
「誰かに蘇生してもらいたい」

 それから20年以上が経ち、彼女の自宅で3人の遺体が発見されました。互いに殺し合ったり、集団自殺を試みたわけでもない、奇妙すぎる状況。しかし、彼女がかつて蘇生信仰を持つ祈祷師の信者だったこと、彼女自身が間もなく死を迎える年齢だったこと、そして近所の人たちが「太鼓の音やお経の声」を耳にしていたことから考えると、こんなシナリオが浮かび上がります――。
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 母親の蘇生に“失敗”したその女性は、20年以上の時を経て、やがて自らの死期が近づいていることを悟ります。祈祷師の力があれば死者も蘇ると信じていた彼女が、そこで考えるであろうことはおそらく1つ。自分が死んだら、誰かに蘇生してもらいたい、ということでしょう。


太鼓やお経は「蘇生の儀式」のものだったのでは?

 年齢的に、彼女が信じていた祈祷師は既に亡くなっていたはず。しかし、彼女は「蘇生マニュアル」のようなものを受け継いでいたのではないでしょうか。そして自らの考えに共鳴してくれる仲間を自宅に呼び、それを伝授。自らは死のタイミングをコントロールするため、彼らの前で食事を断ち、餓死に至ります。
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 肝心な蘇生の方法が何だったのかは、今となってはわかりません。しかし、現場の状況や他の蘇生信仰の考え方から想像するに、仲間2人に対して少なくない身体的負担を課すものだったのではないでしょうか。たとえば、彼女と同じように食事を断つことで、“生命エネルギー”を移行させる、といったような……。近所の人が耳にした太鼓の音やお経の声は、このときの「儀式」のものだったと考えられます。

 しかし、結果的に今度も蘇生は失敗し、命を削った仲間2人も道連れになった――。あらゆる状況を考慮して、筋の通ったシナリオを考えてみると、私には上記のような状況が思い浮かぶのです。
かつての祈祷師の後継者だった可能性も

 この3人は、かつての祈祷師のもとでの信者仲間だったとも考えられます。しかし、これも推測にはなりますが、80年代に書類送検されていた女性は自宅に他の2人を呼び、自身の蘇生を依頼していたとなると、彼女は祈祷師の後継者的な立場にいたと考えるのが自然ではないでしょうか。少なくとも信者の中では別格の存在で、もしかすると、かつて祈祷師とともに書類送検されたことで「昇格」していたのかもしれません。
※写真はイメージです ©iStock.com
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 ある女性の部屋で見つかった、奇妙な3つの遺体。殺人でもなく、練炭を用いた集団自殺でもないのに、マンションの一室で静かに命を落とした3人。祈祷師、蘇生信仰、太鼓にお経と、事件を取り囲むキーワードの特殊さを含めて、私にとっても非常に印象深い事故物件です。

 ここが、北九州の“トライアングル”の2点目です。次はいよいよ3つ目。衝撃的な「自殺が連鎖したマンション」についてお話ししましょう。


mkx***** | 23分前

心霊スポットになりそう

1 0

返信0
eye***** | 58分前

幽霊…ねえよそんなもん。このサイトの情報なんて実際の事故物件の10分の1以下ですね。
業界のものですが、ウチは事故物件積極的に買い取ります。安く仕入れられるし、希少地域なら相場の8〜9割の値段つけてもすぐ売れます。

1 4

返信0
mas***** | 2時間前

知らなけれ不運で済まされること…

2 1

返信0
ng***** | 53分前

この方、データで見せる内は興味深いと思っていたけど、とうとう、そっち(オカルト)にてを染め始めましたか。
まぁその方が、講演(料)に結び付き易いのかもしれませんね。

1 0

返信0
yawarax | 48分前

幽霊、風水、神様も信じてへん。犯罪が起きた部屋や自殺された場所なんて気持ち悪くて住む気にはなれん。それにホントに怖いんは生きてる人間やしね

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返信0
天皇賞(秋)やないで秋の天皇賞だ! | 2時間前

修羅の国…北九州やど、なめんなよ

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返信1
fut***** | 3時間前

事故物件なんて数ヶ月誰かが住んだら無くなるそうな…。
知らなきゃなんでもないのだろうが、とうに過ぎた過去でも知ってしまうと嫌だよね…。
社会から自殺する人が減ることを願うばかりだ。

17 3

返信2
xsx***** | 1時間前

続くんかい?

4 1

返信0
blancA | 2時間前

とあるアパートで住民ではない方が屋上から飛び降り自殺をはかるらしく住んでる人が迷惑してるそうです。
何かに呼ばれるのかな




no1***** | 1時間前

実際の幽霊は、隣の部屋や上下の部屋くらいなら移動してきたりもするけど。

そもそも、生前に部屋よりも家族や自分を傷つけた人等関係者が重要だったはずで、関係者に出るなり憑くべき。
後の居住者とその幽霊は、互いに見えない場合も多く、一方的に見えても何も交流できない関係がほとんど。
だから本来はその部屋にいても祟られたりする筋合いはない。が、住人が不幸な部屋は、いわゆる住環境や家相等が悪い、周りの人も良くない場所の場合が多いので、結局後の住人の体調や人付き合いがあまり良くない場合は多い。
今まで人間が住んでいたはずがないタワマンや、新規造成した山を崩したり埋め立て地の宅地だと、まず幽霊は出ない。
私たちから見えないが、幽霊から見える場合に、助けてとか死んだけど話したいとアピールしてくるらしいね。幽霊がその場所に執着してたり、寂しいからと仲間にしようと死にたくさせるのが問題。

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返信2
nar***** | 1時間前

事故物件=幽霊が出るっていうのは無いと思います
ただ、フローリングの下板に残る血痕やどんなに綺麗に掃除しても残る「痕跡」は気持ちいいものではないですよね
自ら死を選ぶ理由は、その人本人にしか分からない事だと思いますが、列車や高い所から飛び降りる勇気を生きる勇気には変えられなかったのかと、いつも胸が痛みます
前に線路のわきに高齢の女性が立っており、掃除しながら心配だったので声を掛けたら「先日ここで娘が自殺したんです。最後に娘が立っていた場所で娘がなにを考えていたんだろうって思ってきてみたんです」と泣きながら話してくれました。残された家族は、一生悔やむことになると思います。自分に何かできたんじゃないだろうかと。
死んでほしい極悪人がのうのうと生き、生きていて欲しい人間を死に追い込むまで壊していく。やりきれないですね

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返信0
loo***** | 2時間前

日本を絶対銃社会にしてはいけない理由がこれ、自殺者数が膨大に増えるはずです。

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返信2
過干渉の母親と無関心の父親から産まれて | 2時間前

実家近くの踏切は、年2人ペースで飛び込んでた。
飛び込むところ、車輪が何かを轢く音が続き、車輪に切断された肉塊を小学生から何回も目撃した。
バイトに向かう道の歩道橋から落ちる人、頭から固形物が飛び散ってる人も見た。
移転する前の店前の道路でも年1回以上のペースで人間が車に突っ込んで亡くなってたな。
人が死ぬ過程を何回も見たから、危険度も解るようになった。
まあ、よく見る人は、どこにいても同じってことやな。
ちなみに霊感は全く無いから、心霊現象には会ったことはない。

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返信0
gsx***** | 30分前

東京で事故物件に住んでた。この人のサイトにも載ってた。
でも、スーモとかの情報と同じだったから実際に見てはないんだろうね。
階数だけで部屋番号までは載ってなかった。
載ってたら嫌だよなー。
前に住んでた人の名前で新聞受けに検針票とか入ってたりするから、そこは気持ち悪いくらいかな。
北九州に帰ってから思ったんだけど、事故物件が20分の1くらいしかない。

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返信1
kin***** | 3時間前

他の事件やらと絡めたり、、、物語としては注目
ネットで参集、、自殺、、、現代は、数多に。

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返信0
blu***** | 2時間前

事故物件は必ず幽霊がでるのですか?
幽霊肯定派ですが
これだけ事故物件を不動産屋さんが告知しなければいけなかったりとすると 出るのですね…
引越しは怖い 生身の人間も怖いですが。

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返信5
hxy***** | 3時間前

安くても住めないなぁ。

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返信0
rau***** | 3時間前

こんな物件を掴まされたと
知ったら、数日で病みそう

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返信1
意地でクリア | 59分前

事故物件買っていたのに、今回の台風被害で流れた。





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