習近平政権が“新たな隠蔽”を開始……次々と削除される新型コロナ「負の記録」ーー文藝春秋特選記事

2020年04月14日 | 国際紛争 国際政治 


習近平政権が“新たな隠蔽”を開始……次々と削除される新型コロナ「負の記録」ーー文藝春秋特選記事

4/14(火) 6:00配信

文春オンライン
習近平政権が“新たな隠蔽”を開始……次々と削除される新型コロナ「負の記録」ーー文藝春秋特選記事

マスク姿の習近平 ©共同通信社

「文藝春秋」4月号の特選記事を公開します。(初公開:2020年3月19日)

 中国の習近平国家主席は3月10日、新型コロナウイルスの発生地・湖北省武漢市にようやく入り、「感染蔓延を基本的に抑え込んだ」と表明した。「パンデミック」が日本、欧米などに拡大する中での「勝利宣言」だが、共産党はウイルスとの「人民戦争」に続き、“新たな戦争”を展開している。

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 習の「恐怖支配」が地方幹部の情報隠蔽を招き、感染を爆発させたことは「文藝春秋」4月号(「 習近平『恐怖支配』が招いた感染爆発 」)で詳報したが、共産党は今、こうした負の記録を次々と削除し、「宣伝」の力で、人々の「記憶」を消し去ろうとしているのだ。
「全部ウソだ」と叫んだ武漢市民

 最初の感染報告から3カ月余。習が武漢入りを回避し続けたのはウイルスへの恐怖も大きいが、「勝利宣言」できるタイミングを待っていたからだ。習の視察を伝える中央テレビ(CCTV)を見て驚いたのは「距離感」である。

 医療用マスクを着けた習は、武漢で慰問した医療従事者と直接対面せず、スクリーン越しに話し、しかもそのスクリーンともかなりの距離を置いていた。習の顔とマイクとの間にも距離がある。習は別の幹部とかけ離れ、遠い存在であるという「皇帝」像をつくろうとしているようだ。しかしその「距離感」からは、誰も信用せず、暗殺を恐れている用心深い真の姿も伝わってくる。

 習の武漢視察に至る過程で、奇妙な事も相次いだ。1つは、3月5日、現場指揮を執る孫春蘭副首相が武漢市内の団地を視察した際、住民が自室から次々と「全部ウソだ」と大声を上げたこと。実際には生活物資が届いていないのに、地区幹部が「順調だ」と報告していたことに住民の不満が爆発したのだ。
「民に優しい皇帝像」を演出

 人民日報やCCTVなど国営メディアがこの騒動を即座に伝え、武漢市のやり方を「形式主義だ」と批判した。だが、国営メディアが“ネガティブ情報”を一斉に報道する場合には、権力側の政治的意図がある。

 実際、その5日後の3月10日、習が武漢を訪れ、同じように団地を視察し、今度は住民の大歓迎を受けたという「宣伝」を見て、筆者は納得した。習は幹部の前で「民衆は自宅から出られない時間が長くなると、不満の感情をぶちまけることがある。理解、寛容、包容の気持ちが必要だ」と命じたが、「民に優しい皇帝像」を誇示する狙いがあったのだ。 

 もう1つは、3月6日の「市民が総書記(習)や共産党に恩を感じる教育を展開しなければならない」という王忠林武漢市党委書記の発言である。「犠牲を払った市民に感謝しろとは何だ」と批判が全国的に渦巻いた。


「隠蔽」に「隠蔽」を重ねる

 だが、習は武漢を視察した3月10日、「武漢とその人民は英雄の名に恥じない。党と人民は武漢人民に感謝する」と、書記と逆のことを言い、「民衆重視」が宣伝された。つまり側近らの違和感のある行動や発言は、武漢視察に合わせて習の権威を高めるためにあらかじめつくられた舞台装置だったと、筆者は見ている。

 官製メディアは感染拡大が抑えられ始めた2月下旬から、「武漢封鎖」など強力な措置を講じ、すべての国民を総動員し、従わせることができる「共産党体制の優位性」の宣伝を本格化させた。この頃、ウイルスは中国から日本や韓国、欧米などへ拡大した時期であり、国営新華社通信は3月4日の論評で「中国の巨大な犠牲と代価があったからこそ、全世界は戦いのための貴重な時間を得ることができたのだ」と指摘し、「世界は中国に感謝しなければならない」と主張した。

 さらに、中国外交部の趙立堅副報道局長は3月12日夜、自身のツイッターで「米軍がウイルスを武漢に持ち込んだかもしれない」と書き込み、習の「病原体がどこから来たのかはっきりさせろ」という指示も伝わった。自らの「宣伝」で、世界に感染を拡大させた初期の「隠蔽」に新たな「隠蔽」を重ねようとしているのだ。
「武漢の真実」を記録する女性作家の日記

 一方で、中国のネット上で人々の共感を集めているのが「方方日記」だ。武漢に住む著名な女性作家・方方さん(64)が、封鎖された武漢で起こる真実を記録しようと毎日書き続けるブログ形式の日記で、「何が原因で今日の災難に発展したのか徹底調査するよう望む」(3月9日)と、真実を語らなかった政府への批判が貫かれている。

 当局から削除されても、脅迫があっても今なおペンを置かない。習が武漢入りした日には「勝利はなく、あるのは終わりだけだ」と、「勝利宣言」に疑問を投げ掛けた。

 深刻な感染に警鐘を鳴らした真実の告発が、「デマ」だと警察から処分を受け、その後院内感染し、2月7日に亡くなった李文亮医師。彼の中国版ツイッター「微博」での最後の言葉は検査結果が陽性だったと知らせた2月1日の投稿だが、その欄に自身の思いを書き込む人が後を絶たない。

 別の女性医師も早い時期にウイルスの存在を知り、警告を発したが、直後に当局から激しく叱責された。女性医師は中国誌のインタビューを受け、当事者の1人として真実を明かした。記事は3月10日にサイト上に掲載されたが、すぐ削除された。この当局の規制に反発する人々は検閲をかいくぐる様々な方法で、削除された記事を発信し続けている。

 中国で3200人超が命を落とした悲劇に対し、沈黙を選ばない人の輪がどれだけ広がるのか。「宣伝」と「記憶」の攻防の行方が共産党体制の行方を占うと言っても過言ではないだろう。(一部敬称略)

◆◆◆

「文藝春秋」4月号および「文藝春秋digital」に掲載した「 習近平『恐怖支配』が招いた感染爆発 」では、習政権が「武漢封鎖」に舵を切った経緯、党中央に正確な情報が上がらない背景、SARSに対応した胡錦涛との違い、清華大教授の“決死の告発”などについて詳しくレポートしている。

※「文藝春秋」編集部は、ツイッターで記事の配信・情報発信を行っています。 @gekkan_bunshun のフォローをお願いします。



lik***** | 1時間前

コロナに尖閣侵入に本当に秩序を乱す国ですね。凡ゆる手段を使って他国に圧力をかけ、どうやっても覇権を握りたいんですね。つまらない安物のマスクを送って誤魔化して大きな利を得ようとしている危ない国。騙されてはならない。

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tak***** | 38分前

全世界にコロナという災厄をばら蒔いた張本人。責任を認めるどころか、「米軍が撒いた」など支離滅裂な事を言い出す隠蔽体質。しかし、中国に言わせてみれば、そんな事は毛沢東時代からの御家芸。ヒトラーやスターリンよりたちが悪い、「悪の帝国」の独裁者。こんな事で一帯一路とかAIIBなんか、上手く行くはずがない。日本は、どっちにも入っていないのが大正解。
 これは国際的な犯罪なのだから、第二次大戦の時のように戦犯裁判を行って、習近平ら中国政府首脳を裁くべきだと思う。

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タイガー・チョット・シン | 37分前

時間が経ってワクチンが中国以外の国で開発され供給が始まり
時を同じくして中国もワクチン開発が成功したと謳い、全世界に向けて供給販売を開始したら、完全にコロナウィルスは中国の生物兵器である事の証明になるだろう。
ワクチンが開発供給されるまで欧米、日本の国力は落ち続けるからそれをわざわざ止める事を中国はしないし、ワクチンが他の国で開発されたらこれ見よがしに中国も開発しました、供給量も他の国よりもあるって言って吹っ掛けていくに違いない。
これに味を覚めてこれからも中国が経済的、文化的に世界的不利な状況が生まれれば第二、第三の中国産ウィルスを全世界に撒き散らすのだろう。

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ntz***** | 38分前

日本の国民は、地政学的に中国の恐怖政治の影響をまともに受けて、
その正体は知っているが、世界にはまだ見抜けていない国が多い。
何とかしないと末恐ろしい未来が来てしまう。

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空 | 33分前

コロナが武漢から広がり世界に蔓延したのは真実です。それを隠蔽したのも真実。その責任が中国共産党のあるのも真実です。いくら真実を隠そうとしても、これだけの死者と感染者を出して謝らないのも真実です。

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pir***** | 49分前

中国って世界から見限られるよね。勝利宣言?ああ、もう全土に蔓延しちゃってるのね。怖いから中国行くのやめよ。って人や企業は多いはず。

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rid***** | 21分前

> 中国で3200人超が命を落とした悲劇に対し、沈黙を選ばない人の輪がどれだけ広がるのか。

上記の数字に計測すらされず、ろくに供養されることも無く命を落としていった人々が今の中国でどれだけいるだろうか。人の命や権利すら弄ぶ事を平然と行う中国共産党との関係を国際社会は今一度見直さなければならず、尖閣諸島をはじめとする軍事行為に対しても敢然と立ち向かわなければならない。

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koi***** | 1時間前

この最中に尖閣にも侵入して来るし、マスク貰って喜んでいる場合じゃないぞ。

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mmx***** | 10分前

中国政府は軍備拡大も良いが、中国では公衆衛生や上下水道の完備が余り出来て無い、表通りは見た目には綺麗ですが、裏に入ったらトイレの汚水は下水と一緒に川に垂れ流しですね、その下流の地域では日本向けのうなぎの養殖や野菜にその川の水を汲み上げて使ってます、日本の衛生的とは、ほど遠いですね、そんな国民が衛生的と言えますか?コロナウイルスで世界各地で感染者や死亡者が出てますが、中国の指導者は謝罪しませんね、こんな時に尖閣諸島に接近してますが、いい加減な国ですね、中国には厳しい態度で

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mk_***** | 5分前

韓国も良く似ているね。
武漢ウイルス対策が成功した韓国、検査でウイルスを封じ込めた、世界は韓国を称賛し規範となる、国連でムン氏に韓国の事例を説明要請・・・現在の経済苦境をすり替え。
最近では駐韓米軍駐留経費交渉で米国との交渉が妥結すると発表し、トランプ氏の反対で妥結できなかったと責任をトランプ氏に押し付けた、本来は交渉過程なのに情報をリークし韓国側の13%アップで妥協させたかった情報戦の姿を晒しただけだった。
共産圏の国はプロパガンダ戦略に長けている、慰安婦や徴用工などの情報戦に劣る日本人は充分注意する必要が在る。



jei***** | 2分前

習近平を本当に国賓として入国させるのだろうか?コロナ被害が拡大して延期となったいま再考すべき時ではないのか。大手企業は勿論多くの企業が中国に拠点を整備、生産ラインを移し良好な関係を維持・拡充してきたのかも知れないが、今回の様な事態に陥ると手のひらを返され、委託生産していたマスクすら抑えられてしまった。都合の悪い事実は隠蔽し告発しようとした人物は消息不明になっている。今この時期に公海上とはいえ沖縄本島近くを空母まで通過させた。明らかに我が国を飲み込もうとしているように思える。韓国は捨て置いても中国、特に習近平には甘い顔を見せてはならないのではないか。

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tor***** | 26分前

どんな小細工をしようと中国の歴代王朝は倒されて他の王朝や政府と交替してきた。
それが彼等が誇る3000年の歴史の事実だ。
力で無理やり押さえ込めば込むほど人民の不満はたまり寿命は短くなるだろう。
ただ、現代の中国で政変があれば周りの国がどんな影響をうけるのかが心配になる。

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wes***** | 7分前

今現在進行系でプロパガンダが堂々と行われています。

武漢市民は今現在も苦しみの声を抑え込まれています。

プロパガンダを信じた国民の間では収束ムードが広がり無料解放した中国の世界遺産では観光客が殺到しています。

北京オリンピックの時ホームレス達をトラックに乗せ遠くの地に置き去りにした時にも、ウイグル自治区の人々の現状を聞いた時にも思いましたが、中国ほど恐ろしい国はないと思います。

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jhs***** | 21分前

脱線した列車を乗客ごと埋めようとした国だからね。
隠蔽に隠蔽を重ねてるけど、何処かで必ず限界が来る。
その時に巻き込まれない様に警戒しなければならない。

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wwe*** | 23分前

中国の携帯解約数が2月末まで1400万件、3月700万件あったそうだ。倒産、失業で携帯代払えなくなったとか何台も持ってた人とか、いろいろ事情はあるけど、コロナの死亡者も何十万人かは含まれてると思う。死亡者3,300人はどう考えてもおかしい。

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bod***** | 43分前

世界は隠蔽に隠蔽を重ねる中国を許さない!!!
必ず報いを受けるだろう!!!習近平も油断出来ないぞ、今ある命を大切に。

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uch***** | 4分前

今は中国ウィルスとの命懸けの仁義なき戦いの真っ最中なのです!感染者激増で日本が混乱したら中国の思うツボです。こんな時でもどさくさ紛れに中国は尖閣諸島に頻繁にちょっかいかけて来てます。日本が衰退したら中国が攻めて来ますよ!これは世界制覇を目論む中国が仕掛けたバイオテロであり、中国の人類に対する宣戦布告であり、世界制圧しようとする中国の策略と忌まわしい陰謀なのです。
中国との戦争に負けてはなりません!

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dok***** | 13分前

負の記録を残しているとコロナ感染がおさまったあとに検証され損害賠償を請求されるから?それによって国家存続自体が危うくなるからでは?

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hea***** | 52分前

最終的にはアメリカに消されそうな気がする。

どちらにしても世界中から叩かれればそうなるでしょう。


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