日日是好日

退職後の日々を写真で記録

災害時の良寛

2020-06-05 14:29:22 | 良寛
日本は地震などの災害が多い国といわれているが、2011年に発生した東北大震災は津波や原発事故も伴って忘れることのできない災害だった。
新潟県だけでも新潟地震、新潟県中越地震、新潟県中越沖地震など大きな地震が起きている。
これらの災害は明日起きるかもしれないが、それらに対してどのような心構えでいなければならないかを考えたとき、良寛が一つの答えを出しているので紹介したい。



文政11年(1828) 11月12日三条大地震が発生した。
越後の被害は死者4300人、全半焼・焼失家屋23,500。

地震後、良寛が知人の山田杜皐へ宛てた返信の手紙。

地しんは信(まこと)に大変に候。
野僧草庵は何事なく、親るい中、死人もなく、めでたく存候。

うちつけに死なば死なずてながらえてかかる憂き目を見るがわびしさ

しかし、災難に逢う時節には災難に逢うがよく候。
死ぬる時節には死ぬるがよく候。
これは災難をのがるる妙法にて候。かしこ  


(中野東禅氏の訳)
地震は大変でしたが、こちらは無事でしたし、そちらの親戚にも亡くなった人はいなかったようで、よかったです。
和歌「ぽっくり死ねばいいものを、長生きしたばかりにあちこちの人が死んで、こんな悲しい思いをするのです」
人間は災難に遭うときには遭うし、死ぬときには死ぬ、それを静かに受け入れるべきだ。
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「災害に遭うときは遭えばよい。死ぬときは死ねばよい。」とはかなりキツイ言い回しである。
しかもこれが災害から逃れる方法だという。
災害に遭ってしまったら、遭う前には戻れない。
遭わなければよかったと悔やんでもどうにもならない。
まずは災害に遭ったことを受け入れることで先が見えてくるということだろう。
コメント
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