おそらく人類はこの地球上に現れたときから微生物による病気に悩まされてきただろう。
微生物のほうが人類より遥かに早くから地球上で生活していた先住民なのだから。
ここに40年ほど前に発行された本がある。
この本には20世紀における人類と微生物との戦いについて書かれている。
19世紀の終わりころコッホとパスツールの研究により微生物が病気の原因であることとその予防法について少しづつ分かり始めた。
20世紀に人類は抗生剤、ワクチン等の開発により微生物による伝染病と戦ってきた。
こうして天然痘ウイルスはワクチンを用いることでこの地球上から根絶された。
天然痘に関しては征服したといえるが、これは唯一の例で他の微生物は相変わらずこの地球上に存在しており征服したとは言えない。
(原著もconquest of the twentieth century と征服の語を使用している。)
しかも次々に病原性の強い新しい微生物が見つかっている。
たしかに20世紀は19世紀に比較すれが大きく進歩したが「征服した」とは人類の驕りであろう。
生物どうしの戦争なのだ。A国とB国との戦争みたいなもの。
攻められれば反撃するであろう。反撃のための人類の武器が抗生剤だったりワクチンだったりする。さらに人間の体内には免疫という武器も持っている。
さらに新しい武器が今後開発されるであろう。
微生物の武器は何だろう? 人間の目には見えない透明人間見たいもの。変異も武器になる。
しかし戦いの最後は互いに妥協して終わり、ともに共存するのが大体の筋書きであろう。
今回の新型コロナウイルスとの戦争も時間はかかるであろうが何れ互いに妥協することになるだろう。征服するなどと思わないほうが良い。
今回の戦争は人間が先に手を出したために始まったと思われる。
新型コロナウイルスは何らかの自然宿主の体内で静かにしていたのを人間が踏み込んでしまったのが戦いの始まりだろう。
ウイルスは宿主が変わると病原性が強くなることが知られている。しかしウイルスも宿主を殺すと自分も死ぬことを知っていることから病原性を弱めてゆくことも知られている。
新型コロナウイルス殿、ここら辺で停戦としませんか?