強毒「ヒアリ」国内初確認 環境省「侵入否定できぬ」
2017年6月13日20時05分
環境省は13日、強い毒を持つ外来種のアリ、「ヒアリ」を国内で初確認したと発表した。中国から貨物船で運ばれたコンテナの内部にいるのを、兵庫県尼崎市で見つけ、消毒して死滅させた。環境省は「現時点ではヒアリが定着し繁殖している可能性は低い」としているが、念のため、周辺に侵入していないか緊急調査を始めた。
ヒアリは赤茶色で体長2・5~6ミリ。人が刺されるとやけどのような激痛が走る。毒針で何度も刺すほど攻撃性が高く、かゆみや動悸(どうき)などが引き起こされ、アナフィラキシーショックによる死亡例もあるという。
発表によると、中国・広州市の港から出航した貨物船で運ばれたコンテナが、5月20日に神戸市の神戸港(ポートアイランド)に陸揚げされて25日まで保管、26日に尼崎市で積み荷を取り出す際に、内部でヒアリの集団を見つけたという。6月1日に神戸市にコンテナを移動させて消毒を始め、5日に終えた。
環境省は「周辺に侵入した可能性を完全には否定できない」として、コンテナが一時的に留め置かれた神戸市と尼崎市の計3カ所の周辺で捕獲わななどを設置し、緊急調査をしているが、今のところ見つかっていない。
ヒアリは南米原産だが、一度定着すると根絶は難しく、今では北米、中国、フィリピンなどに生息。日本では、2005年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定し、輸入や飼育を原則禁じるなど、侵入を警戒してきた。(
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