なおじい(HOBBY:カメラ・ビデオ撮影・DVDオーサリング/資格:ラジオ体操指導員・防災士・応急手当普及員)

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職求め中国へ、実は詐欺電話 逆らうと暴力、逃げられず加担 現地公判で証言

2015年04月07日 09時10分30秒 | ブログ

職求め中国へ、実は詐欺電話 逆らうと暴力、逃げられず加担 現地公判で証言

2015年4月6日05時00分

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 電話を使った詐欺事件がいっこうになくならない。最近は捜査の網から逃れるため、海外から電話をかける手口も目立つ。中国広東省で捕まった日本人の男たちが現地の裁判で語ったのは、気軽に誘いに乗ったばかりに異国で恐怖にからめとられ、加担させられていく日々だった。

 

 詐欺未遂などの罪に問われた日本人の男5人の裁判が1月、広東省珠海市の中級人民法院(日本の地裁に相当)で結審した。全員が大筋で罪を認めた。

 

 ■1日100件かける

 主犯格とされるのは、佐藤剛被告(27)。24~41歳の4人とともに2013年5~6月、日本の高齢者から現金をだまし取るため、珠海市内のマンションから電話をかけたとされる。いわゆる「かけ子」だ。

 検察の主張や公判での供述によると、佐藤被告が日本との連絡役で、他の4人を監督。4人は、平日は午前7時半から午後5時まで1人約50~100件の電話をかけ続けた。

 かける相手は、日本から送られてくる名簿に載っている高齢者。銀行員をかたって「あなたの口座から金が盗まれた可能性がある」とうそを伝え、警察官役が「銀行から被害届を受けた」と言って信じさせる。その後、日本にいる仲間が銀行員を装ってキャッシュカードを受け取り、暗証番号を聞いて引き出すという手口だ。5人は「約1カ月間で3件成功し、300万~400万円をだまし取った」と法廷で話した。ただ、中国側では被害が確認できていないため、罪名は詐欺未遂となった。

 大分県出身の被告の男(37)は法廷で振り返った。「被害者には申し訳ないが、命令に従わなければ殴られる。仕方がなかった」。オペレーターの仕事を失い、求職中に友人から「中国の仕事で人手が足りない」と声をかけられた。詐欺とは思っていなかったという。ほかの3人も「中国で電話をかける仕事がある」などと誘われて渡航。互いに面識はなかった。

 なぜ逃げなかったのか――。現金や荷物、パスポートを預かられ、日本での住所も知られていた。共同生活で自由は制限され、外に出ても中国語は分からない。佐藤被告に包丁で切りつけられたり、薬物を飲まされたりしたこともあったという。大分出身の男は「逃げれば、家族にも危害が及ぶと思った」と語った。「日本に帰してほしい」。佐藤被告に頼むと、「500万円を出せ」と言われ「何を言っても無駄」とあきらめた。

 佐藤被告は「自分の意思で中国に来たのに、怖いなんておかしい」と他の4人を批判。弁護人は「主犯は日本にいる人物」と実名を挙げて主張した。「裁かれているのは末端だけ。全体像は解明できていない」と事件関係者は話した。

 

 ■「うまい話ない」

 供述によれば、だまし取った金の分配は、日本側が45%、部屋や電話などを用意した台湾人被告が25%、残り30%が「かけ子」だったとされる。4人の中には「取り分は5%」と聞いていた被告もいたが、「帰国後に払う」と言われ、誰も手にしていなかった。

 検察は論告で「日本は礼儀の国のはず。若いのに正しい道を歩かず、はるばる外国で自国民をだました。誠実に反省するよう願う」と述べ、裁判所に適正な判決を求めた。

 日本から傍聴に来たある被告の母は言った。「加害者の母として言わせてもらえるなら、若者はうまい話に安易に飛びつかないでほしい」(広東省珠海=延与光貞)

 

 ■海渡った犯罪、実態解明困難

 警察庁によると、中国で今回、日本人が罪に問われた詐欺は、電話口で銀行員や警察官、親族になりすます「オレオレ詐欺」に分類される。オレオレ詐欺や、医療費の還付を装う「還付金詐欺」といった「特殊詐欺」の日本での被害は昨年、過去最多の約559億円に上った。中国から日本に電話をかける手口が問題視され始めたのは5年ほど前で、同庁幹部は「(日本での被害のうち)一定数はあるだろうが、実態は不明だ」と話した。

 同庁が把握している特殊詐欺の海外拠点は中国だけという。幹部は「中国は電話が普及し、日本で人集めができる人脈を持った中国人が多いことが背景ではないか」とみる。ただ、「日本国内でも詐欺グループの実態解明は難しい。海を渡るとさらに困難」と話し、中国側との連携で容疑者特定に努めているという。


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