熱中症で死亡、9割が屋内 エアコン、水分補給で予防を
2016年7月1日
東京23区内でこの5年間に熱中症で死亡した人の9割が屋内で発見されていたことが、東京都監察医務院の死因調査でわかった。「屋内は大丈夫」と誤解している人が多いと、注意を呼びかけている。
都監察医務院は、23区内で見つかったすべての異状死について解剖などで死因を調べており、熱中症で病院に運ばれた場合も対象となる。毎年、熱中症での死亡と認定したケースの状況を公表している。朝日新聞は、公表データと監察医務院への取材をもとに、2011~15年のデータを集計した。
この5年間に熱中症で死亡したのは計365人(男性219人、女性146人)で、うち328人(90%)が屋内で見つかっていた。328人の中で、エアコンがあったのは160人、なかったのは134人、不明34人。エアコンがあるのに発見時に使われていなかったのは138人だった。一人暮らしは203人。
死亡者全体の365人でみると、65歳以上は290人(79%)。死亡したと推定される時間帯は、日中(午前5時~午後5時)が142人(39%)、夜間(午後5時~午前5時)104人(28%)、不明119人(33%)だった。
また、最高気温が34度以上の日が連続した時期に、死亡が増える傾向にあった。昨年は34度以上が9日間続いた7月30日~8月7日に48人が亡くなった。
監察医務院の福永龍繁(たつしげ)院長は「高齢者は暑さを感じにくく、気づかぬうちに脱水が進みやすい。屋内だからと安心してはいけない。エアコンなどで温度調節するとともに、意識的に水を飲むよう心がけてほしい」と話す。
気象庁によると、この夏は10年夏以来のラニーニャ現象によって猛暑になると予想されるという。10年夏は北日本、東日本で記録的な猛暑となり、監察医務院によると東京23区内での熱中症の死亡者は210人と過去最多となっている。
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