中国PM2.5、告発動画が話題 1日で再生1億回 有名元記者が製作
2015年3月3日05時00分
中国で微小粒子状物質PM2・5を巡る問題を告発しようと、国営中央テレビの元記者が100万元(約1900万円)を投じて製作した動画が、ネットで1億回を超える再生回数を稼ぎ大きな話題になっている。企業や政府の無策を厳しく批判し、成長一辺倒の国のあり方に疑問を投げかけた。
動画をつくったのは、国営中央テレビの有名記者・キャスターだった柴静さん。ニュースの特集番組仕立てで、103分の力作だ。1年ほど前に出産した長女に先天性の腫瘍(しゅよう)があり、大気汚染との関係も疑われたことから、中国を覆うPM2・5の原因と背景を探った。
違法操業をする鉄鋼工場などへの突撃取材のほか、科学者や政府、企業関係者にインタビュー。中国が国を挙げて経済成長を追い求めた結果、様々な環境規制が企業の利益や雇用の維持を理由に守られてこなかった実態を指摘した。とりわけ、市場を独占し巨額の利益を上げながら、ガソリンなどの品質の向上を怠ってきた国有石油大手を手厳しく批判。社会的責任を問いただされた元幹部は「我々は肥え太ったが、(企業としての体質は)脆弱(ぜいじゃく)なのだ」などと苦しい釈明を重ねている。
先月28日に公開してから約1日で、再生回数が1億回を突破。環境保護相が「尊敬に値する」とコメントするなど、反響を呼んでいる。
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