新型コロナのワクチン開発へ 大阪大発の創薬ベンチャー
2020年3月6日 6時52分
大阪大発の創薬ベンチャー、アンジェス(大阪)は5日、大阪大と共同で新型コロナウイルスのワクチンの開発を始めたと発表した。半年後の臨床試験開始を目指すという。
開発するのは、合成したDNAを接種することで抗体をつくらせる「DNAワクチン」というタイプ。DNAが体内でつくるたんぱく質によって、新型ウイルスの抗体がつくられ、感染しにくくなったり重症化を抑えたりする効果が期待される。通常のワクチンは、弱毒化した病原体や増殖しないようにした病原体を使うため、培養に半年ほどかかるが、DNAワクチンなら数週間で製造できる。
同社はすでにウイルスの遺伝情報に基づき、試薬大手タカラバイオと協力してDNAワクチンの製造に着手している。DNAワクチンは理論的には強い免疫反応が起きると期待されるが、実際に人に使うと免疫が十分につかないこともあった。今後、動物実験できちんと抗体ができるか試したうえで、人での臨床試験に入るという。
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アンジェス創業者の森下竜一・大阪大教授は「DNAワクチンは早く製造できるのが長所。まずは2カ月でマウスにどれくらい抗体ができるかを見ていきたい」と話している。
DNAワクチンはまだ人で市販化された例はない。森下さんは「これまで1400人以上のDNAワクチンの臨床試験で安全性の懸念は一度も起きていない」と強調。効果については「場合によってはDNAワクチンを3回、4回うって抗体を増やすこともありうる。また、ウイルスが多少変異してもカバーできる」と話している。
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