関連ブログ記事・・・2023/2/9付「球磨川沿いの国道219号は2024年以降も一般車通行止めのまま?」、2023/12/28付「球磨川沿いの国道219号の復旧状況が明確に分かるサイトが公開されました」
熊本県の「令和2年7月豪雨復旧・復興本部会議(第13回)」が2024/3/27に開催されました。
https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/206/201229.html
https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/244407.pdf (資料はこちら)
球磨川流域の幹線道路である国道219号ですが、被災部分があまりにも広範なため、既に被災から3年半以上経過しているにもかかわらず、完全復旧どころか一般車両通行止めの解除のメドも未だ立っていないようです。少なくとも会議の資料からは具体的な時期は全く読み取れません。
資料の46~48ページ目が、重点10項目の1つである「国道219号をはじめとした道路・橋梁の創造的復興」に関する内容となっています。こちらによれば、2023年度末時点の状況は、
・国道219号および対岸道路(国の直轄代行)については、『道路復旧方針』に基づき、避難計画やまちづくり計画等を踏まえ、国・県・市町村が連携して道路護岸の復旧や嵩上げなど本復旧工事を推進
・対岸道路は、本復旧のための迂回路整備(JR肥薩線使用)が概成し、迂回路整備から本復旧工事へ移行。早期完了に向け、工事を推進
となっています。
国道219号は既報(2023/12/28付ブログ記事)の通り、6か所で本復旧工事が推進されています。そして、唯一球磨川本流を渡り流失してしまった鎌瀬橋については仮橋の横に新たな本設の橋を建設中ですが、2023/11/末現在では橋台が姿を現した段階です。
一方、対岸道路については八代市坂本地区~芦北町~球磨村の広範囲にわたりJR肥薩線の線路敷を活用した迂回路が整備されていますが、下方の図を見る限り、5か所程度では未だ迂回路整備が現在進行形のようです。このあたりのJR肥薩線は大半の区間で国道219号の対岸を通っており、さらに大部分で「法面-線路敷-道路-川」の順番になっているため、道路が大きく損壊したり嵩上げが必要だったりしてもすんなりと線路敷を活用できる区間が多かったようですね。もちろん、球泉洞駅周辺の如く肥薩線部分も大被害を受けた個所があるのは周知のとおりですが・・・
現在の状況からすると、2024年度末段階でも国道219号の一般車両通行止めの解除は困難な公算が高まっています。そして、JR肥薩線に関しては2024/4/3に開催された「第7回JR肥薩線検討会議」で鉄道としての復旧を進めることで関係者が基本合意しましたが、ことごとく流失した鉄橋の再建もさることながら、対岸道路の本復旧工事を早く完遂させて迂回路を元の線路敷に戻せるようにすることが急務となりました(まだ5年程度は猶予がありそうですが)。