2024/5/29付ブログ記事「「くまモンのIC CARD」のスマホアプリへのシフトについて <6/2追記あり>」の続報です。
熊本県内各社(九州産交バス・産交バス・熊本電気鉄道・熊本バス・熊本都市バス)の全国交通系ICカード利用終了は、当初見込みより前倒しの2024/11/15となりました。
https://www.sankobus.jp/busportal/wp-content/uploads/press-ic20240930.pdf
その後3か月程度の端末入替期間を経て、2025年3月上旬から「クレカ等のタッチ決済・QRコード決済・くまモンのIC CARDに対応した機器」を用いた新体制がスタートします。決済端末のセンサー部分は乗降ともICカードとタッチ決済で共通となっており、これはやはり独自ICカードとタッチ決済の二本立てで対応している茨城交通・福島交通・会津バスと同様です(機器のフォルムは異なりますが)。ちなみに、他社と同様当初時点ではマスターカードのタッチ決済には対応しません。
さて本題です。
熊本地区で交通系の決済システムを仕切っているのは上記ブログ記事に書いた通り地元最大手金融機関の肥後銀行であり、これは他地域では例を見ない独自構造です。
「くまモンのIC CARD」の発展形となるスマホアプリ「くまモン!Pay」に関する情報は上記ブログ記事以降なかなか出ませんでしたが、ダイヤモンド・オンラインに2024/9/27付でその肥後銀行の頭取へのインタビュー記事が掲載されました。タイトル自体が
「くまモン!Payを県民通貨にする」肥後銀行・笠原慶久頭取が明かす地域通貨構想
となっています(非会員は途中までしか読めませんが)。読める部分に
「くまモンのICカード」事業で年間3億円程度の赤字が続いていた最中、10カードの廃止は肥後銀行にとってまたとないチャンスだ。九州フィナンシャルグループの笠原慶久社長(肥後銀行頭取)も「くまモンのICカードを”県民カード”として、くまモン!Payを"県民Pay”として定着させたい」と意気込む。
の文言があり、肥後銀行としては、自行の収益に寄与しない全国交通系ICカードを排除した上で、自前のICカードやスマホアプリを大いに活用してもらうことにより、交通系の決済システムをそれ自体で収益が上げられるように一刻も早くしたいことでしょうね。
一方、交通事業者側は「くまモン!Pay」には相変わらず一切言及していません。