しばらく、4月27日に全国一斉に公表された「防災・減災、国土強靱化に向けた道路の5か年対策プログラム」のブロック別の内容を取り上げます。
中国地方整備局から発表された管内(鳥取・島根・岡山・広島・山口の5県)分の内容は以下の通りです。
https://www.cgr.mlit.go.jp/chiki/doyroj/bousai_gensai/pdf/all.pdf
いわゆる「ミッシングリンク」(幹線道路のネットワークの欠落部)がまだまだ各所にあることがわかります。
1.日本海沿いの高規格幹線道路
重要度の高い「鳥取~米子~松江~出雲」の区間でも、まだミッシングリンクが残っています。
・倉吉市や北栄町の海沿い・・・「北条道路」として2026年度開通予定
「出雲~大田~浜田~益田」の区間も島根県の東西を結び重要ですが、鉄道の高速化がとっくの昔に終わったのに対し、高規格幹線道路のほうは浜田道から枝分かれする区間以外はまだまだです。
・出雲IC~出雲市湖陵町~出雲市多伎町間・・・2024年度開通予定
・大田市中心部~大田市仁摩町間・・・2023年度開通予定
・浜田市東部<福光・浅利道路>・・・未定(未だ調査中の区間、2023年度に橋梁の上部工に着手する区間あり)
・浜田市三隅町~益田市中心部間・・・2025年度開通予定
2.岡山市と美作東部(津山市・美作市など)を結ぶ幹線道路
美作西部(真庭市など)には岡山自動車道がありますが、美作エリアの中心都市たる津山市と岡山市の間にはほとんど2車線かつ一部に勾配・急カーブのある国道53号しかありません。
国道53号に並行する高規格幹線道路「空港津山道路」の計画はありますが、津山市近郊区間を除き未だ着工には至っていません。
また、東寄りのルートで岡山県が整備している「美作岡山道路」は半分以上の区間が開通済みですが、中間部(赤磐市吉井町~美作市湯郷温泉間)の一部は2021年度にようやく新規事業化されるとのこと。
3.広島市と東広島市を結ぶ幹線道路
山陽道では遠回りとなることもあり、現在の国道2号に並行する高規格幹線道路の開通が急がれますが、特に勾配とカーブが連続する瀬野~八本松の区間(並行するJR山陽線でも難所です)がなかなか開通しません。
この区間は「安芸バイパス」として建設中で、途中の大山トンネルは2007年にすでに開通していますが、前後区間の施工が遅れており、全通は2022年度予定となっています。