前向きな人生の整理整頓

人生も後半、一日が短いです。明日やると思っても、若者のようには明日はたくさんないのかもと気づいた今日この頃

ブルーグレイの夜が明けて後の物語 / 小林麻美

2016年08月08日 15時24分12秒 | 本・漫画
毎日あまりにも暑いので、買い物に出かけると暫し店内で涼むのです。

先日は本売り場で、一冊の雑誌を手に取りました。
昔は雑誌をよく買いました。まだ流行とかに支配、左右されていましたから。
今はあまり立ち読みもしないのですが、懐かしい方が表紙だったもので。

雑誌の名前はku:nel。表紙を飾っているのは小林麻美さん。
わたしたちの世代にとっては、あこがれのお姉さんでした。

中学生の頃くブルーグレイの夜明けという本を手に取って以来あこがれの女性です。
メイクしている表紙、ちょっとせつなげな雰囲気の目元が素敵でした。
日東紅茶しか飲んだことのない田舎の中学生にアールグレーティーを教えてくれたのも、
前日から明日着るものを選ぶのではなく、朝の天候や、気温なども考えて余裕を持つことを
教えてくれたのもこの本です。
病気をして髪を切りましたが、長い髪でいることや、ずっと痩身を貫くのも
ここに起因しておりました。

後の、バブル期にはアンニュイ女優などと言われていましたけど、あまり女優としての活動は
そんなにしていなかったと思いますが、わたしはセイコーの腕時計『ティセ』のCMが印象的でした。
当時のこの時計がまた小さく華奢で、彼女の細い腕によく合っていました。
あと、車のCMも。甲斐バンドのフェアリー(完全犯罪)が流れていましたっけ。

彼女を一番有名にしたのは、ガゼボのカバー雨音はショパンの調べ/Gazebo I Like Chopin
だったのではないでしょうか。声も物憂げな歌い方も似合っていました。

大人の女性、雰囲気の素敵な女性、そういうひとになりたいと、指針にしていたひとですが、
突然、引退。
社長さんと結婚。すでに妊娠。ちょっとイメージが瓦解した瞬間でした。

もともと、自分の価値観には満足していたので、あまり人様にあこがれるとかいうことが
少なく、そう考えてみれば、それ以降は自己流に生きている気がします。

60さいを過ぎた小林麻美さんを見て、特別な思いは沸いてきませんでした。
ただ時が流れたのだな…という思いが一番強く。
時代の演出にうまく魅了されてしまっていた若き日の自分を眺めていました。

何かとっくに解けてしまった魔法に、ああそんな魔法にかかっていた時もあった
んだなと改めて思った夕涼みの時間でした。




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