駒澤大学「情報言語学研究室」

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おたまじゃくし【蝌蚪】古「かへるご」

2023-10-15 10:54:40 | 日記
2018/09/18 更新
おたまじゃくし【蝌蚪】─『言海』と『日国』─
萩原義雄識

 大槻文彦篇『言海』〔明治二二年刊〕
おたまじやくし(名)(一)しやもじの小くして、黒漆に塗れるもの。(東京婦人語)(二)轉じて、かへるこの異名形、相似たればいふ。
茲で、⑴「かへるこ」の異名形と説明する。また、⑵「黒漆に塗れるもの。(東京婦人語)」で「東京婦人語」という用いも台所用具の一具の言いようで、これが當時の都市の婦人が用いていたと伝えるているものだけに見逃してなるまい。

⑴かへるこ
かへるご 【蛙子】〔名〕蛙類ノ卵ノ、始メテ孵(カヘ)リタルモノ、頭、圓ク大ク、身、狹ク長クシテ、尾アリ、色黑ク、泳グヿ魚ノ如シ、其形ニ因テ、おたまじゃくしノ名アリ。 蝌蚪 長ズレバ、尾ヲ脱シ、足ヲ生ジテ、形ヲ成ス。〔二一四頁中段〕

としていて、かたちの類似性から「かへるご」から此の名として用いられ始めたことになる。漢字表記「玉杓子」は、茲には見えていない。だが、江戸時代末の狩谷棭齋『倭名類聚鈔箋注』の標記語「蝦蟆」の項目に「蝌蚪」の和語例として、

今(いま)俗(ゾク)に於(お)いては「玉杓子(たまシヤクシ)」と呼(よ)ぶ。
△ △『郝』に曰(いは)く、冬(ふゆ)から春(はる)に水中(スイチユウ)に子(こ)を遺(のこ)し、曳(ひ)き繩(なわ)のごと〈如〉く有(あ)り。日(ひ)に黒(くろ)き點(テン)を見(あらは)し、卷水下(まきみづした)の時(とき)に鳴(な)き聒(カツ)して(而)生(シヤウ)じ、之(これ)を「聒子(クワツシ)」と謂(い)ふ]。
※本文は漢文体表記だが、此を訓読し、総ルビを添えている。此は便宜的に筆者が添えて示した。「△ △」の注解一文は、大和文華館写本に記載する。
とある。

 「玉杓子」の記載を見ることは、既に江戸庶民の生活に密着していて、「かへるご」から「お玉杓子」が一般化していたことを示す。江戸にも田園風景があって、田圃に「かえるご」が生息していた自然環境が保たれていたことを物語っている。
 だが、現在の国語辞書、小学館『日国』第二版には、その特徴とも言える⑴⑵の記載は、【語誌】の欄に、

【語誌】(1)(2)の意は、江戸時代に江戸を中心に生じたもの。古くは「かへるこ(蛙子)」。(1)の調理道具との形態上の類似による連想によって命名されたと考えられ、その分布は、北海道、関東、中国、四国に集中し、東北、九州ではまばらである。
とあって、『言海』の妙趣さはなく、一寸味わいのない意味説明へと変化してきていることは否めない。ただ、『日本方言地図』〔国研〕⇨『日本方言大辞典』〔小学館刊〕を活用した当該語の方言分布は圧巻な内容となっている。

《補助資料》
小学館『日本国語大辞典』第二版
おたま‐じゃくし 【御玉杓子】〔名〕(1)柄のついたまるい汁杓子。おたがじゃくし。*洒落本・一騎夜行〔一七八〇(安永九)〕一・大通俗を謗て樽を枕とす「襦袢の干したが幽霊に見へ、を玉杓子(ヲタマシャクシ)が見越入道に成る」*土〔一九一〇(明治四三)〕〈長塚節〉一「ほうっと白く蒸気の立つ鍋の中をお玉杓子で二三度掻き立てておつぎは又蓋をした」*毛布譚〔一九七〇(昭和四五)〕〈柏原兵三〉「鍋はおろかお玉じゃくしや皿に至るまで」(2)蛙の幼生。卵から孵化して間もなく、黒灰色で、まだ四肢がなく、鰓(えら)で水呼吸し、長い尾を振って泳ぎまわる時期をいう。おたがじゃくし蛙子(かえるこ)。《季・春》*俳諧・俳諧歳時記〔一八〇三(享和三)〕上・二月「蛙 蝌斗(オタマジャクシ) 山蛤」*随筆・足薪翁記〔一八四二(天保一三)頃〕三「蛙の子をおたま杓子といふは、御多賀杓子の訛なりといふ事、或人の随筆にあり」*重訂本草綱目啓蒙〔一八四七(弘化四)〕三八・湿生「蝌斗〈略〉ヲタマジャクシ 江戸」(3)(形が(2)に似ていることから)楽譜の音符の俗称。また、音楽一般のことを俗にいう。*蛙〔一九三八(昭和一三)〕〈草野心平〉さようなら一万年「楽符のおたまじゃくしの群が一列」*父の詫び状〔一九七八(昭和五三)〕〈向田邦子〉お八つの時間「わが『お八つの交響楽』を作れたらどんなに楽しかろうと思うのだが、私はおたまじゃくしがまるで駄目なのである」(4)(「!」の形から)「エクスクラメーションマーク」の俗称。*春迺屋漫筆〔一八九一(明治二四)〕〈坪内逍遙〉をかし・三三「!(オタマジャクシ)を用ひて文章を泥川の波だてる如くにしたりき」【語誌】(1)(2)の意は、江戸時代に江戸を中心に生じたもの。古くは「かへるこ(蛙子)」。(1)の調理道具との形態上の類似による連想によって命名されたと考えられ、その分布は、北海道、関東、中国、四国に集中し、東北、九州ではまばらである。(2)「蛙の子」に由来する命名法による語形は、「カエルノコ」「ガエラゴ」「ゲーラゴ」「ゲーノコ」「ビキノコ」など全国的にかなり多い。しかし、「蛙」と「おたまじゃくし」とは形態、生息場所にかなり相違があるところから、共通語の「かえる」と「おたまじゃくし」のように、それらの語形が対応しない地域も多く認められる。(3)「おたがじゃくし」の転ともいわれるが、『日本言語地図』によれば、オタガジャクシという地点は和歌山と滋賀県の各一地点のみである。【方言】すいとんをすくう丸形のしゃもじ。《おたまじゃくし》長野県上伊那郡469【発音】〈なまり〉アタマジャクシ〔島根〕オタガジャケシ〔和歌山県〕オタマジクシ〔大和〕オタマシャクシ〔千葉〕オタマジャッコ〔神奈川〕タマジャクシ〔熊本分布相〕オチャマジャクシ〔鹿児島方言〕〈標ア〉[ジャ]〈京ア〉(ジャ)【辞書】ヘボン・言海【図版】御玉杓子(2)

かえる‐こ[かへる‥] 【蛙子・蝌蚪】〔名〕(「かえるご」とも)おたまじゃくし。《季・春》*色葉字類抄〔一一七七(治承元)~八一〕「蝌蚪 カヘルコ」*籾井家日記〔一五八二(天正一〇)頃〕五・丹波家出張摂州表事「蛙の子の魚に似て、かへる子となるを見れば頼みなし」*俳諧・卯辰集〔一六九一(元禄四)〕上・春「蛙子のおよぎ習し古江かな〈雨柏〉」*あらたま〔一九二一(大正一〇)〕〈斎藤茂吉〉蝌蚪「かへるごは水のもなかに生れいでかなしきかなや浅岸に寄る」【方言】(1)動物、おたまじゃくし。《かえるこ》仙台†058山形県東置賜郡139新潟県佐渡348福井県敦賀郡443滋賀県蒲生郡062奈良県675島根県鹿足郡739大分県大分市・大分郡941《があらくと》山形県北村山郡139《があらご》奈良県吉野郡675《があるこ》高知県高岡郡864《がいご》石川県能登407《かいこだま》奈良県675《がいごのこ・がいころ》石川県能登407《がいごろ》富山県東礪波郡402石川県能登407《がいのこ》熊本県阿蘇郡919《がいのご》石川県能登407《がいらんべえ》岐阜県郡上郡504《がいりこ》愛媛県北宇和郡840《がいろこだま〔─玉〕》岐阜県恵那郡498《がいろだま〔蛙玉〕》岐阜県武儀郡498《がいろっこ》山形県東置賜郡・南置賜郡139愛知県奥設楽063《がいろぶくろ〔蛙袋〕》大分県北海部郡941《がいろぼ〔蛙坊〕》岐阜県益田郡502《がいろぼうず〔蛙坊主〕》新潟県中頸城郡383《がいろんこ》熊本県阿蘇郡919《がいろんべ》岐阜県益田郡502《がいろんべえ・がいろんぼ》岐阜県郡上郡504《かえころだま》三重県名賀郡585《がえらく・がえらくた》山形県139《がえらくと》山形県最上郡(足の生えたもの)139《かえらこ》宮城県仙台市123《がえらこ》山形県139《がえらご》南部†039岩手県紫波郡093宮城県仙台市054山形県139石川県鳳至郡407《がえらんこ》山形県西村山郡139《がえらんご》山形県139《がえるくじょ》新潟県東蒲原郡368《がえるくたま・がえるくちょ》山形県西置賜郡139《がえるくと》山形県東田川郡139《かえるご》宮城県仙台市121滋賀県湖西583三重県志摩郡585香川県綾歌郡829《がえるこ》滋賀県583三重県松阪市584奈良県675島根県725香川県仲多度郡829高知県高知市861幡多郡864《がえるご》山形県東置賜郡139新潟県東蒲原郡368三重県志摩郡054員弁郡592大阪府泉北郡646奈良県宇智郡683和歌山県690島根県725香川県仲多度郡・大川郡829《かえるここ》京都†039《かえるこだま》奈良県675《かえるこんぼう〔蛙小坊〕》茨城県那珂郡188《がえるったま》新潟県中頸城郡383《がえるのこ》高知県安芸郡・長岡郡864《がえるま》新潟県347《かえるまちょ》新潟県東蒲原郡368《がえるまちょ》新潟県361《がえるまちょお》新潟県中蒲原郡347《がえるまっちょ》新潟県東蒲原郡368《がえろく》山形県西置賜郡139北村山郡144岐阜県益田郡502高知県中村市・幡多郡864《がえろくた》山形県北村山郡・最上郡139《がえろくたま》山形県138《がえろくだま》岐阜県恵那郡498《がえろくと》山形県139《かえろご》青森県南部071三戸郡083山形県東置賜郡139《がえろこ》山形県139岐阜県恵那郡498《がえろご》青森県南部085秋田県鹿角郡132山形県東置賜郡139三重県宇治山田市591南牟婁郡603《がえろっこ》山形県東置賜郡139《がえろっこだま》新潟県中越373《がえろったま》新潟県上越市382《かえろぼう》岐阜県益田郡498《かえろぼうず》新潟県中頸城郡382《がやりこ》高知県幡多郡861高岡郡864《がやるご》香川県綾歌郡829《がらご》石川県能登407三重県南牟婁郡603和歌山県東牟婁郡690《がらごら・がらごろ》石川県能登407《がりこ》高知県幡多郡864福岡県小倉050《がりご》石川県能登407岐阜県飛騨497吉城郡498《かりこだま》奈良県吉野郡675《がるこ》高知県高知市・幡多郡861《がるご》石川県能登407三重県南牟婁郡603《がるごら・がるごろ》石川県能登407《がるのこ》高知県吾川郡864《がるも》奈良県吉野郡687《がれご・がんたこ・がんたたき》石川県鹿島郡404411《ぎゃあこ》鳥取県西伯郡719島根県出雲市725《きゃあこめ》島根県八束郡725《ぎゃあのこ》富山県射水郡394鳥取県西伯郡718《ぎゃあらこ》群馬県多野郡040《きゃあるご》兵庫県出石郡652《ぎゃあるこ》京都府620《ぎゃあるっこ》新潟県西頸城郡385《ぎゃあるのこ》高知県861《ぎゃあれんこ》熊本県919《ぎゃあろんこ》熊本県上益城郡919下益城郡930《ぎゃいるご》香川県三豊郡《ぎゃえろご》兵庫県城崎郡652《ぎゃごろ》熊本県球磨郡919《ぎゃっこ》新潟県西頸城郡382《ぎゃのこ》富山県390391394《ぎゃらいご》山形県村山138《ぎゃらくた》山形県新庄市・東村山郡139《ぎゃらくと》秋田県仙北郡136山形県139《ぎゃらこ》山形県139高知県幡多郡861熊本県阿蘇郡919《ぎゃらご》富山市近在392《ぎゃらこと》山形県最上郡138《ぎゃらんこ》熊本県阿蘇郡・上益城郡919《きゃらんぼ》長野県更級郡054《ぎゃらんぼ》長野県上高井郡471《ぎゃりこ》岐阜県北飛騨459島根県簸川郡725長崎県南高来郡905熊本県919《ぎゃりご》富山市近在392岐阜県飛騨502《きゃるこ》近江坂田郡†037石川県062404422《ぎゃるご》富山県富山市近在392婦負郡396石川県石川郡421福井県坂井郡427兵庫県加古郡664香川県三豊郡829《ぎゃるのこ》徳島県美馬郡810高知県860《ぎゃるんばば》石川県能美郡062《ぎゃれんこ》熊本県上益城郡054《ぎゃろ》青森県073島根県簸川郡725《きゃろくと》山形県139《ぎゃろこ》熊本県阿蘇郡・球磨郡919《ぎゃろご》青森県073《ぎゃろっこ》宮城県栗原郡114《ぎゃろのこ》高知県香美郡861《ぎゃんごろ》岐阜県飛騨502《ぎゃんのこ》熊本県919《ぎょおろくだま》長野県南佐久郡054佐久493《ぎょろったま》新潟県中越373《ぎりこ》三重県阿山郡596《ぐいらご》愛知県碧海郡564額田郡577《げ》鹿児島県961《げああらご》岩手県上閉伊郡097気仙郡103《げああろご》岩手県九戸郡088宮城県遠田郡118《げぁらくと》秋田県130山形県139《げぁらこ》山形県139《げぁらご》岩手県上閉伊郡098気仙郡102宮城県117120121秋田県仙北郡130《げぁらこと》山形県最上郡139《げぁらんこ》山形県南村山郡139《げぁりごと》秋田県仙北郡130《げぁるぐど》秋田県130《げぁろくた》山形県139《げぁろくと》秋田県由利郡130山形県139《げぁろこ》山形県南置賜郡139《げぁろも》秋田県北秋田郡130《げえ》鹿児島県961《げえこ》長崎市906熊本県芦北郡919《げえご》鹿児島県961《げえのこ》熊本県阿蘇郡919鹿児島県968969970《げえらくと》山形県139《げえらこ》熊本県阿蘇郡923《げえらこと》山形県最上郡139《げえらばくろ》大分県大分市・大分郡941《げえらふぐ》愛知県碧海郡564《げえらぶく》大分県北海部郡939《げえらぶくろ》大分市941《けえらんこ》大分県大分市・大分郡941《げえらんこ》大分県941《けえりこ》新潟県佐渡351《けえりご》福島県会津155《げえりこ》筑後†039新潟県佐渡352長崎市053大分県下毛郡939《げえるくたま》山形県139《げえるくと》山形県東田川郡139《げえるご》福島県相馬郡156《げえること》山形県139《けえるこんぼ》茨城県多賀郡・那珂郡188《けえるっこ》茨城県稲敷郡062《げえるのこ》大分県別府市941《げえるのまっちょ》新潟県東蒲原郡368《げえろくたま》山形県東置賜郡139《げえろくだま》新潟県中越373長野県東筑摩郡480《げえろぐちょ》新潟県下越387《げえろくと》山形県139《げえろこ》山形県東置賜郡139熊本県阿蘇郡919《げえろご》福島県会津155《げえろこと》山形県最上郡139《けえろっこ》福島県会津155《げえろっこ》新潟県上越市382中頸城郡383長野県諏訪481《げえろったま》群馬県利根郡217長野県471475484《げえろばくど》大分県大分郡941《げえろんこ》大分県南海部郡939大分郡941《げえろんご》埼玉県秩父郡047《げご》鹿児島県961《げどばく》大分県南海部郡941《げのこ》鹿児島県961《げらこ》熊本県阿蘇郡919《げりこ》三重県585591599福岡県久留米市883大分県大分郡941《げりっこ》三重県度会郡585《げりのこ》宮崎県児湯郡947《げりぶくろ》大分県東国東郡941《げりんぼ》熊本県天草郡919《げりんぽ》熊本県天草郡936《げるくと》山形県139《げるこ》三重県名賀郡585《げるご》三重県志摩001度会郡599《げること》山形県東田川郡・西田川郡139《げれくと》山形県飽海郡139《げれこ》京都府620三重県名賀郡585熊本県阿蘇郡919《げれっこ》大分市941《げれんこ》宮崎県南那珂郡947《げろくたま》山形県東置賜郡139《げろくと》山形県139《げろご》青森県北津軽郡054上北郡082三重県志摩郡585《げろこと》山形県139《げろたま》山形県西田川郡139《げろっこ》宮城県栗原郡114《げろも》宮城県栗原郡114三重県鈴鹿市585《げんこ》宮崎県児湯郡947《げんごろったま》長野県南佐久郡054《げんのこ》熊本県球磨郡919宮崎県宮崎郡・南那珂郡947《じゃありぇんこ》熊本県上益城郡919《じゃありんこ》熊本県919《じゃあれんのこ》熊本県下益城郡919《じゃご》熊本県飽託郡919《じゃねんこ》熊本県八代郡919《じゃらご》富山県390392石川県能登407《じゃりこ》徳島県美馬郡054熊本県鹿本郡・玉名郡919《じゃるこ》熊本県919《じゃるのこ》高知県香美郡864《じゃれご》石川県鹿島郡411《じゃれんこ》熊本県球磨郡919《じゃんごろ》富山県氷見市056《じゃんのこ》熊本県八代郡・芦北郡919(2)蛙(かえる)の子。《かえるこ》京都632《がいるくじょお》新潟県050《がいろくだま》三重県三重郡062《がいろこ》岐阜県恵那郡514《がいろご》三重県南牟婁郡603《かええろっこ》静岡県志太郡(まだ尾の付いているもの)535《がえらご》宮城県054《かえるまちぇ・かえるまつ》新潟県050《がえろこ》山形県米沢市149《かえろったま》千葉県夷隅郡277《きゃあるこ》京都府620《ぎゃりこ》島根県大田市725《きゃるこ》石川県江沼郡422《ぎゃるご》石川県石川郡421《げえご》長崎県906《げえのこ》鹿児島県054《げえりこ》福岡市880《けえろっこ》栃木県下都賀郡197《げえろったま》千葉県夷隅郡040長野県南佐久郡486《じゃるご》石川県江沼郡422(3)動物、かえる(蛙)。《があるっちょ》山梨県453《がいろく》岐阜県恵那郡498《がいろくしゃあ》埼玉県秩父郡251《かいろっこ》栃木県安蘇郡197静岡県榛原郡(小児語)541《がいろっちょ》静岡県520《かいろっちょお》山梨県453《かいろんご》栃木県安蘇郡197《がえるこ》滋賀県蒲生郡607《がえろっこ》愛知県東三河556《かえろびき》秋田県鹿角郡132富山県050《かえろんご》栃木県198《がりこ》岡山県和気郡756《ぎゃあこ》鳥取県西伯郡712島根県出雲724《ぎゃあご》島根県大根島732《きゃあるめ》栃木県芳賀郡050東京都八丈島343《きゃあるんぼう》埼玉県入間郡054《きゃあろんどん》静岡県庵原郡534《ぎゃいこ》島根県大田市725《ぎゃるっぺ》福井県坂井郡427《ぎゃるめ》福井県432《ぎゃるんべ》福井県坂井郡427《ぎゃろもっけ》秋田県北秋田郡054《げえるちょお》山梨県中巨摩郡458《げえるっちょ》山梨県461《げえるっちょお》山梨県455《げえるめ》栃木県198《げえろっこ》埼玉県北葛飾郡258愛知県東三河556《げえろったま》長野県054475484《げえろっち》千葉県印旛郡054《けえろめ》栃木県河内郡・芳賀郡198《けえろんご》栃木県安蘇郡198《げこ》長野県佐久(幼児語)493《げご》長野県南佐久郡054《げるご》三重県志摩郡585《げろぎゃく》新潟県東頸城郡382(4)動物、ひきがえる(蟇蛙)。《ぎゃいる》香川県829(5)蛙(かえる)の卵。《がいろ》岐阜県飛騨502《がえろくたま》山形県139151《ぎゃえるご》香川県仲多度郡829《げえらんこ》大分県北海部郡・大分郡938《げえろったま》長野県佐久493《げりくた》新潟県岩船郡366(6)人をののしっていう語。《げえろったま》長野県佐久493(7)((1)に似ているところから)藻、ひじき(鹿尾菜)。《かえるこ》紀伊†107【辞書】色葉・和玉・言海【表記】【蝌蚪・蛞𧓕】色葉【蝌・蛞】和玉【蛙子】言海

山田美妙『日本大辞書』〔明治二十六(一八九三年)初版〕
かへる・ご {_蛙+子}第四ゴ (全平) 名。蛙類ノタマゴノ最モ初生ノモノ。頭ハ大キクテ圓ク、尾ニ至ルママ滑ラカニ長クセマク、色ハ黑ク、ヨク水ヲ泳グ。形チノ似タ所カラおたまじやくしトモイフ。進化シテ尾ガ取レ、足ガ生ヘ、かへるニナル。=オタマジヤクシ。=蝌蚪【(クワ/ト)】。
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