
通潤橋の北に取水する円形分水工があります。土木工学では「円筒分水工」と呼ばれ、昭和初期から全国各地に設置されています。
また、見た目の美しさから観光資源としても活用されています。
1.円形分水工
円形分水工は田んぼの作付け面積に応じてその地域に比例した水を公平に分配することができます。
通潤橋の取水口に1956年に取り付けられました。
2.笹原川の堰堤
まず、笹原川の堰堤で貯められた水が取水口から円形分水工へ流れます。
3.円形分水の取り入れ口
砂とごみや枯れ枝を取り除きます。
4.ドーナツ状の分水工
取り入れられた水は地下道水管を通り、円形分水工の中央から溢れ出ます。
5.円形分水工の仕組み
円形の中央から噴出する水はドーナツ状の円形水路に均等に溢れ流れ出ます。
ドーナツを切るように円周に「仕切り板」を置くことにより、水量をを計算通り分配することができます。
仕切られた円周の長さに応じて水量が分配できるわけです。
私は今までは単に水を四方に分配する装置とだけ思っていました。
水の分配量が公平であることが瞬時に確認でき、又その仕切り板を動かすことにより分配する水量を可変とすることができる素晴らしい装置ですね。
6.円形分水工の意義
歴史的に長い年月をかけ、大規模な灌漑施設が完成しましたがそれを各地域に公平に利用できることが大切です。
7.通潤用水の概要
白糸台地は三方を川に囲まれていますが、川底との高低差がありその水を利用することができませんでした。
通潤橋は白糸台地に農業用水を供給する灌漑施設の一部です。
通潤橋へ水を分配する調節機能をこの円形分水工が任っています。
通潤橋は大規模で見た目にも素晴らしい歴史的構造物ですが、それだけではなく、灌漑用水の一部としての円形分水工も素晴らしい設備です。
また、用水を利用し成功した白糸台地の農作地も見るべきでした。夏休みの宿題には最適なテーマですね。
撮影:CANON EOS RP + RF24-105mm F4-7.1 IS STM
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます