という記事である。
この記事の誤謬を幾つか紹介しておく。
企業のCEOの給与と社員の平均的賃金の格差
給与、ではなく、報酬。両者は全く違う。
CEO報酬は、
労働の成果
ではなく、
企業価値をいかに増大させたかの結果。
結果出せない奴は、あっという間に切られる。
さもないと、企業があっという間につぶれるから。
庶民の暮らしは不安定化
人口ピラミッドの変化だけで説明が付く変化(高校地理の範疇)。
米国の労働者の平均的賃金は、1970年代半ば以降、伸びていません。
虚言です。
安定的に伸びている。
欧州諸国では、子ども一人を生み育てることについても、金銭的なことを考えて躊躇してしまう夫婦が少なくありません
虚言です。ていうか、夫婦の問題に介入しようとする余計なお世話。
非正規雇用が急激に増え……中間層の生活は不安定化しました。
非正規雇用と中間層の生活との間に関係があるとすれば、
非正規雇用の結果、低価格のサービスが提供されるようになり、中間層とってに選択肢が増えた、だ。
実質賃金は大幅に下落し
いいえ。
「1人当たり賃金は、被用者全体では減少傾向にあるものの、一般労働者とパートタイム労 働者に分けてみると、それぞれの1人当たり賃金は減少傾向がみられない。 」高給取りが停年で抜けただけ。
ちなみに、パートタイム賃金の伸びは、一般労働者の伸びよりも、大きい。
多数の普通の人々の暮らしが不安定化し
無根拠。
グローバル化が始まった1990年代後半以降
これ間違い。
遅くとも、ソ連崩壊直後からと見るべき。
ただ、グローバル化の流れは、ベリー来航以前から始まっていた(世界システム論は、世界史で扱う。)
もしグローバル化に反論すれば、「後ろ向き」「鎖国主義者」「孤立主義者」「ナショナリスト」「内向的」「閉じこもりがち」などというレッテル貼りが待っています。
国粋主義が抜けている。学の浅さが垣間見える。
問題が多い「グローバル化」現象
その具体例が一切示されていない。
「グローバリズム」「グローバル化」を、少し長いですが「多国籍企業中心主義」(英語だとMNC-Centrismでしょうか)、「多国籍企業中心主義化」と呼ぶようにするのはどうでしょうか。
グローバリズムは、
「地球規模で、ヘビが龍を飲み込める下剋上時代」
と称するべき。
九州に住んでいるならば、
その下剋上ぶりを実感できるばすなのに……
九州発祥のトライアルが、イオン系列を閉店に追い込んだ
そんなことすら知らないのか。
ヒトやモノ、カネ、サービスの移動が自由化・活発化だから起きた下剋上。
日本の財界人もよく口にしますが、「法人税率を下げないのだったら、うちの会社は海外に出ていかざるを得ない」などといって、法人税率を下げさせるのです。
法人への所得課税自体、法人が実在するというフィクション(法人実在説)の上に成り立っている無茶ぶり。
ていうか、
法人への所得課税の負担は、
巡り巡って労働者に帰着する、
これは、税法・財政学の常識(九大には税法・財政学の講座すらないのか)。
に限らず。
「深刻な人手不足を克服するために外国人労働者の受け入れを認めるべきだ」
を施 光恒(せ・てるひさ)@九州大学)は、批判的に引用。
こいつ、外国人差別主義者でしかない。
そして、労働の現場を全く知らない。
ちなみに、
世界システム論に逆らった連中は、
悉く生き残り失敗している。
龍を丸呑みにする程のヘビを、
どうして押し留めることができようか。
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