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東大法の推薦入試問題を、京大法出身者が答えてみる。

2020-08-15 20:21:21 | 京都大学

にて、

2018年度の推薦入試では、以下のようなテーマが出ていました。

各種イベントのチケットの転売規制について、あなたは、どのように考えますか。「チケットの転売」を規制することには、誰にとって、どのような意味をもつのか、また、それにはどのような限界や問題点があるかについて、議論してください。

どうでしょうか? すごく身近なテーマですよね。チケット転売のニュースは頻繁に耳にするものですし、自分でチケットを手配した経験があれば自然と目にします。
そのときに、法律の限界や問題点、誰を救って誰を救えないのかといった法律を勉強するうえで重要な視点から「考えて」いれば、この問題に対応するのはそう難しくはなさそうです。

重要な視点」とは
比較衡量
エンフォースメント

「チケットの転売」を規制することには、誰にとって、どのような意味をもつのか、
・需要者にとって
 購買機会の増大
・転売者にとって
 利潤獲得機会の減少

また、それにはどのような限界や問題点がある
 限界としては
・適用範囲・捕捉可能性の限界(プロ・アマ問わず、イベントは全国各地に数多ある。まさか、プロアマ問わず、全部一律に?)。
・「実需の購入かか、それとも、転売目的の購入かか」の線引きの限界(目的(内心)の推認は、各分野で争点として出てきます)。
・「ダンピング販売と転売益獲得目的販売」との線引きの限界(あのイベントのチケットを掴まされて、困った事を思い出します。)

 問題点としては、
・(転売者の)営業の自由を侵害。
・価格メカニズムへの介入(自由経済秩序への国家による介入)。
・(意を翻した)需要家の財産権を侵害(「無用の長物」を金銭に交換できない)
 ジャニーズのコンサートチケットでは、キャンセルが難しい、という話を聞いたことがある(消費者法or経済法絡みの話題で)。
警察当局への負荷と保護しようとする利益(保護法益)とのアンバランスさ(暴力団や半グレ絡みでない限り、警察はなかなか動きにくい。忙しいから)。

 前述の意味とこれらの問題点との比較考量で、85分間のディスカッションで、という流れでしょう。




の最終頁に答えらしきものが載っているものの、
当方が採点する立場ならば、

百点満点中の40点。
マクロ・ミクロは、ちゃんした視点。

経済学部ならば。

法学部ならば、
各当事者の立場に立ちつつ、エンフォースメント上の限界にまで目を向けて、テミス様の天稟(比較衡量)を使わないと……及第点は厳しいかな。


これ以外にも、工学部の推薦入試では「あなたが特に独創的であると感じた発明や発見を1つ取り上げ、なぜそう感じたか、説明しなさい」という問題が出ています。 

これにもお答えしたい。

……磁気ストライプカードです。
独創的を感じる理由は、三点。
一、カードリーダーに通す一手間だけ、という簡便かつ短時間のうちに情報の記録・読み取り・消去ができる、という操作性の高さ。
二、他の電磁的記録媒体と異なり、耐水性・耐久性・耐塵性・耐震性に優れているため、保管のしやすい点。そのため、強い磁性を帯びた物体に近付けないように気を使いさえすれば、保管の手間も大して掛かりません。もちろん、保管中、電力も不要です。
三、磁力というありふれた力を用いているのに、操作性が高く、保管しやすいだけでなく、長年クレジットカード・キャッシュカード・預金通帳・定期券を支える基盤として、金融業界・鉄道輸送の効率化・利便性向上を支えただけでなく、ICカードを含む、現代の電子決済への橋渡し役を果たした、という経済活動に広範な影響を及ぼしている力強さ。

……意外に手こずりました。

ちなみに、クレジットカードは時々、
偉大な発明品として扱われることがあります。


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