忙中閑あり

日々のこと、ぽつぽつと綴っていきます‥

【俳句】日光・華厳の滝

2016-05-26 | 日記

木曜日は 『 プレバト 』 の日! 

いつき組の云うところの  プレバト ナイト

Oh yeah ~  

 は

 「 日光・華厳の滝 」

‥さて 、早速 ‥

 

第5位 三十路超え滝に近づき保湿する (30点)

      滝しぶき三十路の肌を潤わせ

     思いに共感する女性はいるかもしれない

     何が一番腹立たしいかというと、夏の季語「滝」

     季語は主役として描かないといけない

     これが三十路女の保湿機呼ばわり

     この展開が季語に対して失礼極まりない

     「滝に近づき」 苛立たしい!

     「滝に近づきしぶき

     「保湿する」 腹立たしい!

     「三十路超えの肌を

     「保湿」が本当に普通の言葉 「潤わせ

 

第4位 日の本が世界に誇る滝姿 (32点)

      日の本が誇る男滝の轟けり

     一見、何となく俳句になっているが、中身がかなりスカスカ

     映像として出てくるのが「滝姿」しかない

     もうちょっと滝の映像を言わないと日本がどんなに誇っても伝わらない

     情景を入れるには、何か言葉を捨てていかないといけない

     どの言葉なら捨てられるか、明確、真ん中 「世界」!

     日本が誇るなら、世界しかない! 火星人に誇ったって仕方ない!

     「世界に誇る」 4音があればちゃんと情報が言える

     男らしい、雄大な滝のことを「男滝」    「姿

      【男滝】 勢いが強く大きい滝

     男滝が音を立てているなら、「の轟けり

      「世界に」は要らない

        日本が誇っているのなら世界に向けているのは言わなくても分かる

        無駄を省いて余った音数でどんな滝かを描写する

 

第3位 茂りから顔出し落ちる白い糸 (35点)

      万緑の中より白き水の糸

     「茂り」という季語の持っている空間が狭い

      【茂り】 (夏の季語) 草木が生い茂り集まっていること

     いきなり「顔」が出てくるから、みんな人間の顔だと思う

     「茂り」「顔」 擬人化だと分からない

     凡人以下、特に才能ナシの人は すぐ擬人化を使いたがる

     擬人化は高度なテクニックだから、頭が高い!

     もっと大きな季語にする、「茂りから万緑の中より

      【万緑】 (夏の季語) 草木が見渡す限り緑であること

     「顔出し落ちる

     「白い糸」 ここは生かさないと気の毒 「白き水の糸」

      「滝」と分かる表現を

        今回のお題のポイントは「滝」をどう詠むか

        写真を見ていない人には何が顔を出しているのか分からない

        具体的に「水」と表現すれば「滝」を詠んだ句だと伝わる

 

第2位 不可解や絶へぬ華厳の滝の白 (65点)

      不可解な生と死華厳の滝白し

     「不可解」が有名な遺書の一節にある

     「華厳の滝」という]固有名詞が出れば、藤村操の事件を知っている人の句と分かる

     「絶へぬ」 歴史的仮名遣いを使おうとしている   俳句の知識もある人

     「絶ゆ」が正しい 「絶ぬ」  ヤ行下二段活用で「え」になる

     2つの意味を1句で想像してもらおうとしたことで軸足がブレた

     ちゃんと「藤村操の事件」を語ったほうがいい

     知らない人にも、何が「不可解」か分かる言葉を付け足す

     “ひょっとしたらこの滝で自殺した人がいるのかもしれない”

     そういうところまで丁寧に書いてあげると完璧!

     「不可解な生と死」 「生と死」である程度 意味が伝わる

     「絶えぬ」 「華厳の滝白」 ここで映像になる

     不可解な生と死が世の中にある

     しかし、華厳の滝は昔から変わらず ずっと美しく白いまま

 

第1位 水しぶき伸ばす手に夏感じる子 (70点)

      水しぶきへ伸ばす手に夏感じる子

     映像をきちんと確保している

     「夏」という季節を感じる、発想を変えてきた評価の1つ

     1か所だけもったいない 「水しぶき」 5音

     1音 字余りで足すと 点数が増えた

     上五は字余りになってもいい

     「水しぶき」 方向を示す助詞を入れる

 

そして 、 ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!

特待生4級の HUJIWARA藤本さんっ!

白雲を吸い込み放つ大瀑布

ダイナミック!

“雲を吸い込む”って一体何だろうと一瞬思う

“白雲を吸い込んで放つ”なんて突拍子もない俳句になるのかなと思った瞬間に

大瀑布 → 巨大な滝  という言葉の塊がドスンとくる、雄大

「大瀑布」を ちゃんと見つけ出してきた

辞書や歳時記を真剣にめくっている

果たして 査定はっ ‥‥‥ ワンランク昇格ーっ!

言葉のバランスが秀逸!

中七 「吸い込み」 複合動詞  「放つ」 動詞

動詞がごちゃごちゃと入っていくと どうしても一句全体がバタバタして落ち着かない句になるところ

「白雲」と「大瀑布」で 17音のバランスを上手く調整している

 

そして 、もう一方、 ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!

特待生5級の 東国原英夫さんっ!

滝落つる水の身投げのごとくなり

 滝落つる水の身投げのごときなり

滝の上に水現れて落ちにけり  後藤夜半(1895-1976)

 客観描写に徹した名句

この句は後藤夜半の名句と同じような視点を持ちながら

なおかつ擬人化して身投げのように落ちていく

擬人化を克服しようとした力作!

果たして 査定はっ ‥‥‥ ワンランク昇格ーっ!

17音の「器」がやっと分かりましたね!

今までは17音という「器」が分からないで何でもいいからてんこ盛りにしていた

ちゃんと修正してきた

1句が支えられる「器」は 季語が1つと あとひと工夫ぐらい

1か所だけ、「なり」と断定しているので「ごとなり」が正しい

これで何か掴んでくれたと期待をしております!


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