木曜日は 『 プレバト 』 の日!
いつき組の云うところの プレバト ナイト
Oh yeah ~
は
「 菜の花列車 」
‥さて 、早速 ‥
第5位 マフラーにかかる菜花の息白し (30点)
菜の花は冷たし風のマフラーよ
季語が3つ入ってる
「マフラー」「息白し」 ⇒ 冬の季語
「菜花」 ⇒ 春の季語
季語を1句に一つというのは、決まりというよりも
初心者は一句一季語のほうが失敗しない
季語を複数で存在させるには、強弱をつけるのが最初の方法
その方法の一つとして 一番言いたい季語から始めてみる
「マフラー」ではなく「菜の花」から
「菜花」 普通に 「菜の花」 、 「菜の花は」
句またがりという特殊な型
仕方ない 、 どうもこうもならない (夏)
「息白し」 「息」が出てくると人物が出てくる
季重なり3つで人物まで入れると成り立たない
「冷たし」 「菜の花は冷たし」でカット
菜の花は冷たいよ
「風のマフラーよ」 マフラーが冷たい風に揺れ始める
ここまで直されると ‥ もはや自分の句ではない (夏)
一番伝えたい季語を【主役に】
初心者の場合、季語は一つに絞るのが得策
どうしても複数にしたい場合は、一番伝えたい季語から
第4位 春風と共に羽ばたけ君の夢 (50点)
春風の岡に羽ばたけ君の夢
恥ずかしいほどの予定調和
「春」「羽ばたく」「夢」
今週の King of the ど凡人
一番問題なのは
「春風と」と言ってしまえば「共」は要らない
本当に凡人の典型的な視線
映像がそんなに見えてこない
最低限の字を入れ替えて映像だけ確保する
「春風の」「岡」 ここで映像を作ってみる
中七・下五に「岡」という場所が付くだけで映像は見える
ただ、この程度やったところで普通は普通
何の足しにもならない (夏)
第3位 懐かしや春風ひゅるりら君の街 (60点)
春風ひゅるりら君住む町の懐かしき
発想自体が決して悪いわけではない
「懐かしや」 あの写真の気分を表現するなら
強いものではなくて もっと淡くて優しい恋心のようなもの
「春風ひゅるりら」 サビの部分?
知ってんのねー (北)
真ん中の7音のところは 極力7音に収めるのが大事
サビの部分の字余りを頭に持っていく
どうしても字が余る時は頭に持って来る
これも一つの定石
「君の住む街の」 「懐かしき」
「春風ひゅるりら」 この冷たい感じが
君の住む町の何と懐かしいことよ
このちょっとした冷たさが
青春の苦い思い出的なニュアンスを醸し出す
これぐらいやってくれると 特待生 (夏)
第2位 君恋し菜の花越しの汽車を待つ (65点)
君恋し菜の花を来る汽車を待つ
本当なら才能アリにいける句
問題点は 「越しの」
菜の花があって、菜の花越し、の汽車
あ、菜の花があって 向こうに汽車があるんだな
‥ と思った瞬間に「待つ」
え? 汽車はそこに無かったの?
この遠近感、本当に汽車があるのか無いのか
「越しの」だけで 5点以上はマイナス
ちゃんと菜の花の向こうに汽車を見せる
「菜の花を来る」
ちゃんと向こうの方から汽車が来る
菜の花の彼方からやってくる
これなら1位の句を飛び越して1位
【遠近感】を的確に
汽車を待つ気持ちをより強く表現するなら
「菜の花越し」の汽車ではなく
「菜の花を来る」という
より汽車が遠くにあるイメージの言葉を選ぶ
第1位 この先をひとつ曲がれば春近し (70点)
この先を曲がれば春の近き海
この句は他の人たちと発想を根底から変えている
或る意味、己を知っている一句
描写をすることはできないから初めからやらない
自分の想いを「春近し」という季語だけを信じて
自分の想いだけでまとめようとした
己を知るということも大事な事の一つ
「曲がれば」というところが春への期待感
時系列+遠近感 、一句の中でちゃんとできている
残念なのが、映像というものがほとんど無い
当たり前、映像は描かないと決めたのだから
が、映像をちょっとだけ入れることもできる
「ひとつ」 「この先を曲がれば春の近き海」
あ、あのカーブを曲がると海なんだ
最後に映像が海の広がりとして見えて期待感に繋がる
最下位だったお嬢さんがここまで来て本当にびっくり (夏)
そして 、 今回も 特待生の昇格試験がっ!
ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
特待生5級の 東国原英夫さんっ!
一輌の端で待つ君すみれ草
一輌の傍に待つ君すみれ草
俳句や短歌の世界で「君」は恋愛の対象を意味する
「君」という人物を「すみれ草」に喩える、一つの余情
「一輌」「端」という場所、「待つ」という行為、「君」という恋愛の対象
そして、それを表す「すみれ草」という季語
全く他の言葉と意味を重ねることなく
置かれるべき位置に置かれている
特待生らしい 心の行き届いた一句
果たして 査定はっ ‥‥‥ 現状維持ーっ!
きちんと詰めていないところが甘い!
「端」 一輌の端と言われた時に
車両の中の端を思う人と、外側の端を思う人が出てくる
車内ということを言いたかったら「隅」
車外ということを言いたかったら「傍」
「で」 ⇒ 続く動詞が動いているイメージ
「に」 ⇒ 続く動詞が静かなイメージ
無難に置きに来て ちゃんとやっていない
ダメなんじゃないっすかー? (夏)
助詞の「に」と「で」
「待つ」という静かなイメージの動詞を繋ぐ場合
来たるべき助詞は「に」
助詞一つで読み手に与えるイメージは変わる
そして、今回は もう一方
特待生5級の Kis-My-Ft2 横尾さんっ!
春愁の言わで判れし日の記憶
春愁の言わで判れし日の鉄路
【春愁】 春の季語 何となく侘しく気持ちが塞いでいる
「春愁の」が「記憶」に掛かっている
「言わで」 上の言葉を否定しながら、下に続いている
「で」の働きがとても正しく使えている
「別れし」 過去の意味
春の想いを持っておりました
言わないで別れたあの日の記憶が
春が来るたびに私の心を悩ませます
果たして 査定はっ ‥‥‥ ワンランク昇格ーっ!
勉強は大事なんだよーっ! (横)
若い人が努力を積み重ねるって 本当にかっこいい! (夏)
この先のためにアドバイス
単語を一つだけ変える
「記憶」が「春愁」の季語のイメージに近い
「鉄路」 線路のこと
最後に、ずっと続く線路だけが映像に残る
どこかに映像が一つ入るだけで物語が動き出す
言わで別れたあの日は 駅で思いを残しながら別れた
この1語を変えるだけで分かる
勉強した句は見たら分かる (夏)