眩しいくらいの月の光です。
今日が、満月だったかな。
子供の頃、夜に、母と祖父母の家から帰るとき、街灯もろくにないような田舎道を通ると、それはそれは真っ暗で、怖がりな私は、必死で早歩きの母についていきました。
そんなとき、月がでていると、本当に安心したものです。月の光って、すごいなぁって、こんなに明るく照らしてくれるんだなぁって。
そこを抜けると、少し車の通りがあるので、車のライトが頼り。でも今度は、狭い橋の上を歩くのが怖い。
駅までどれくらいでしょうか、今考えてもよく歩いたなって思います。
駅に近くなると、醤油屋さんからあまーいお醤油の匂いがしてくるので、分かります。九州のお醤油は、甘いのです。
ここまでくれば、駅はもうすぐ。
駅のホームで、やっと着いたと、空を見上げます。
真っ暗な道、母は、怖くなかったのかな。
母も、月の光にほっとしたのかな。
記憶にはないけれど、もしかしたら、「今日は、月が明るいね」なんて話をしながら歩いたのかな。