ちえさんが美術史美術館へ行っている間に、少し前の日記になりますが、追記しておきます。(現在「はにゅうす」はほとんど私個人のヨーロッパ記録帳になっております。あしからず)
9月8日にミュンヘンを出て、一泊旅行として、ルードヴィヒⅡ世が亡くなったシュタルンベルク湖へ行きました。残念ながら雨でしたが、森鴎外が「うたかた」で書いた情景そのままになりました。船の船長さんがとても親切でステキな人で、ルードヴィッヒの十字架がどこに見えるかなど、教えてもらいました。
約1時間の船旅を終え、私たちは以前に行ったとこがある、オーバーアマガウというドイツの有名な保養地を目指しました。ここへ行くには、ムルナウという駅で単線の電車に乗り換えないといけません。車掌さんに聞くと、1Aのホームで待っていなさいとのこと。しかし待てども待てども電車は来ません。もう出発の時間なのになぁと思っていると、はるか向こうのほうから「オ~バ~アマガウか~~~~?」とおっさんの声。私も負けじと「オ~バ~アマガウで~す!」すると、こっちへ来いと手招き。ホーム間違えた???私たちは全速力でホームの端から端まで走っていきました。するとそこには1台のバス。「なんで?電車でオーバーアマガウに行くんだけど。」と聞くと、「10月なにがしまで電車は走っていないから、このバスにのりなさい。」とのこと。よかった~。もしあのおっさんの声が目的地以外の質問、例えば「そんなところでなにしてんね~ん?」とかだったら、私は無視して電車どころかバスにも乗れなかったことでしょう。
さて、オーバーアマガウでは、簡単な観光をしました。ここは10年に一度、村民全員が出演するキリストの受難劇を行うことで有名です。次の上演は2010年だそうです。もう一つの名物は、壁のフレスコ画。キリスト関連のものも多いですが、現在観光名所になっているのは、赤づきんちゃん、ヘンゼルとグレーテル、7匹のこやぎなどの壁の絵です。
また、結婚式ラッシュのこの時期、ここでも結婚式に出会いました。花婿は中央の冠の男性。花嫁は(見えるかな?)後ろの水色の民族衣装の女性ですが、皆で町中パレードをし、そして、よその町から来た花婿に、この村の青年たちが、民族舞踊を教えるのですが、あまりに難しく、周りに笑われていました。村の洗礼を受けていたような感じです。
その後、バスでフュッセンに移動し、次の日、白鳥城とホーエンシュヴァンガウ(ルードヴィヒⅡ世の父の城)を見学し、そして夕方からフュッセンの街でおもしろいものを見ました。
これは、1年に一度この街で行われている、市民劇のひとつだそうですが、街のアマチュア劇団のみなさんが、この日の記念して、「中世の裁判」の様子を演劇にしています。写真のシーンは、女主人がキノコで夫を毒殺したのですが、それに対して館の調理師である女性が「奥様は無理からに私にそのキノコを使うように言いました。」などと申し立てています。他にも薬草売りや、義兄弟、前の召使など、どんどん申し立てにやってきて、女主人を悪人に仕立てていきます。街のすみっこの広場でこっそりやっていたのですが、ドイツ語がよくわからなくてもおもしろかったです。(劇は裁判官の「これであなたの刑は確定しました」という台詞で終わりましたが、もちろん彼女は、お約束どおり有罪、おそらく打ち首の刑になったことと思います。)
上の3連の写真は、劇のあと、夜店の屋台にまじって、人間のセリをしておりました。がまの油の口上よろしく、「さあ、いくらでヒモを引っ張る権利を買うかね?」と。あるおじさんは1ユーロでその権利を買いましたが、桶の中に2ユーロ掘り込んでしまい、「おつりは残念ながら両替できないんでね」と断られていました。でも一発で当たりのヒモを引っ張り、奴隷?は見事水の中へ!当時の余興の一つなんでしょうか?見ているのはとっても楽しかったです。
さて、前にもブログに書きましたが、フュッセンのペンションは、東山魁夷が泊まったペンションとして、宿のおじさんが自慢していました。「朝ごはんついてる?」って聞いたら「おいしい朝ごはんがついている」と自慢しているペンションでしたので、とても期待していきました。そして期待通りとてもステキなペンションでした。まず到着後すぐ、ロビーでゆっくりジュースをご馳走になり、Nご夫妻は、窓を開けると白鳥城が見える部屋でしたし、近くは普通の住宅街なので静かですし、町まで出る散歩道も白鳥城を見ながらのコースなんです。おじさんは写真のとおり、大きな身体をのっしのっしとゆすりながらでしたが、しゃべるしゃべる!でもとっても気遣いのいい、親切なおじさんでした。(おじさんは英語ができないので、ドイツ語のできないお客さんは困っていました。朝ごはんも期待以上にかわいらしくおいしかったし、出発の記念に、ホテルの写真を貼り付けたカードに、Nご夫妻結婚25周年に寄せてコメントも書いてもらい、ちょっとステキなプレゼントができたかしら?と我ながらこのホテル選んでよかったと思える場面でした。
写真はメイドインオーストリアのアルムドゥドッラーAlmdodolerです。アルプスのハーブをレモネードにしたジュースで、これをお土産にして欲しいという元留学生も多いです。
さて、今日は急きょ予定を変更して、ムジークフェラインでザクセン州立カペッレドレスデンに行ってきました。カペッレをどう訳していいかわからないので、管弦楽団にしておきますね。指揮は先週ドレスデンのゼンパーオペラで聞いたサロメの指揮者ファッビオ・ルイジ。
最初はベートーベンのピアノコンチェルト「皇帝」でした。ピアノの演奏会は絶対寝る自信がある私ですが、なにしろ立ち見。(6ユーロ)それも満員御礼。寝るどころではありません。それどころか、こんなに繊細で、美しいベートーヴェンは初めてでした。とてもまじめな指揮なのですが、とても熱い。好感が持てました。
ピアニストのエレーヌ・グリモーは、日本語のHPで調べると、とても有名な人らしかったのですが、最初だれだか全然わからなくて、まあ、かわいらしいお嬢さんだこと!という印象でした。力強さは立ち見の屋根の下ではよくわからないのですが、繊細さは2楽章ですばらしく表現されていました。
後半は、R・シュトラウスの「アルプス交響曲」でした。この曲は、シュトラウスがガルミッシュパルテンキルヒェンにいたときに書いたのでしょうか、アルプスの山々の夜明けから、牛が鳴いていたり、雷雨が降ったりやんだり、鳥が鳴いたりするとっても面白い曲です。立ち見でしたが、飽きずに楽しませてもらいました。
終演後、指揮者のサインをもらおうと並んでいましたが、サインに応えているのはピアニストだけ。あと一人で私の順番がまわってくるという時に、指揮者がサインに応えるため楽屋から出てきました。40のおばさんが小躍りして喜んだので、たいそう目立ったことでしょう。そして誰よりも早く、一番にサインしてもらい、先週ドレスデンでサロメを見たことも言いました。そして、握手までおねだりしました。とても小柄な人でしたが、この身体のどこから、さっきのシュトラウスのあの熱さが出ていたのか、不思議なくらいでした。
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今日はその後、ちえさんとザッハーで震えが来るくらい甘いザッハートルテを食べました。1カット4.9ユーロです。(800円だ!)コーヒーとあわせて〆て1600円のザッハーは高いか、安いか?難しいところです。(おごってもらいましたけど)
ということで、今日はいい夢みれそうです。
さて、今日は急きょ予定を変更して、ムジークフェラインでザクセン州立カペッレドレスデンに行ってきました。カペッレをどう訳していいかわからないので、管弦楽団にしておきますね。指揮は先週ドレスデンのゼンパーオペラで聞いたサロメの指揮者ファッビオ・ルイジ。
最初はベートーベンのピアノコンチェルト「皇帝」でした。ピアノの演奏会は絶対寝る自信がある私ですが、なにしろ立ち見。(6ユーロ)それも満員御礼。寝るどころではありません。それどころか、こんなに繊細で、美しいベートーヴェンは初めてでした。とてもまじめな指揮なのですが、とても熱い。好感が持てました。
ピアニストのエレーヌ・グリモーは、日本語のHPで調べると、とても有名な人らしかったのですが、最初だれだか全然わからなくて、まあ、かわいらしいお嬢さんだこと!という印象でした。力強さは立ち見の屋根の下ではよくわからないのですが、繊細さは2楽章ですばらしく表現されていました。
後半は、R・シュトラウスの「アルプス交響曲」でした。この曲は、シュトラウスがガルミッシュパルテンキルヒェンにいたときに書いたのでしょうか、アルプスの山々の夜明けから、牛が鳴いていたり、雷雨が降ったりやんだり、鳥が鳴いたりするとっても面白い曲です。立ち見でしたが、飽きずに楽しませてもらいました。
終演後、指揮者のサインをもらおうと並んでいましたが、サインに応えているのはピアニストだけ。あと一人で私の順番がまわってくるという時に、指揮者がサインに応えるため楽屋から出てきました。40のおばさんが小躍りして喜んだので、たいそう目立ったことでしょう。そして誰よりも早く、一番にサインしてもらい、先週ドレスデンでサロメを見たことも言いました。そして、握手までおねだりしました。とても小柄な人でしたが、この身体のどこから、さっきのシュトラウスのあの熱さが出ていたのか、不思議なくらいでした。
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今日はその後、ちえさんとザッハーで震えが来るくらい甘いザッハートルテを食べました。1カット4.9ユーロです。(800円だ!)コーヒーとあわせて〆て1600円のザッハーは高いか、安いか?難しいところです。(おごってもらいましたけど)
ということで、今日はいい夢みれそうです。