Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

階段

2007年09月24日 17時29分47秒 | Weblog
怪談ではありません。階段です。

ウィーンにいると(いやいやヨーロッパでは)身体障害者のためにエレベーターや、段差がないようにの工夫は日本の比ではないほど整備されています。例えば市電やバスも最新型は降りるときに、降りる側の車体が(空気が抜けるみたいに)傾いて道路と段差がなくなります。そして出発する時に車体が起きます。もちろんオペラも車椅子席もあり、付添い人席もありますし、どの階もエレベーターであがれます。

しかし!今住んでいるような昔の住宅には階段しかなく、またオペラの立ち見にならぶには階段を上らねばなりません。

考えてみると、今まで星田村の駅階段は上りましたが、それ以外は全部エスカレーターかエレベーターですんでいた生活でございました。長距離歩くけど、この身体を持ち上げるのはとってもしんどいので、階段はご遠慮いただいていた生活でした。

それが、いきなり毎日階段を上り下りする生活に変わったのです。例えばある一日をとって見ると、朝買い物の帰りにペンションを3階(日本式の3階)登る。友達の家に行くのに4階。オペラの立ち見に6階。席取りして、休憩中など7階へ上るので1階分×3回。帰ってきて3階。

おかげさまで、今まで使っていなかった筋肉が動くようになり、背中の背筋周りの肉が取れました。(おなかは減ってません)

入らないブーツも、日本にいるときよりはファスナーがあがっています。もう少しで履けるようになるかも?もちろん歩く距離も日本の2倍は歩いています。

他にウィーンに来て、日本と違うことは、化粧しなくなったこと。これはもうヨーロッパについた瞬間からしなくなりました。すっぴんに口紅と眉毛だけ。座る席にオペラを見に行くときだけ化粧してました(2回だけ)おかげさまで肌は焼けて黒くなりましたが、調子がいいいです。

あとは衛生観念がいいかげんになります。ハエがのってようが、お金触った手でパンをつかまれようが、そんなの気にしてたらこっちでは何も食べられません。2000Mの山に水洗トイレがある話はしましたが、衛生観念が日本とは少し違う。モスト(ワインになる前のジュース)だって蓋開いたままハエ飛んで売ってる。果物も洗わないで皮ごと食べてるし(リンゴはまだしも洋ナシまで!)レストランで米は洗わず水を入れて炊いている。だから頭をこちらのスイッチに切り替えないとやっていけない。

一番ここにいてうれしいのは、自分の大きさが目立たないこと。最近本人も気にしなくなってきました。日本にいるとどうしても自分の大きさが他の人と違うので、電車のガラスにうつった時とか気になりましたが、まったく気にならなくなりました。(だからといって気にせず食べるというわけではありませんので)

今日はこれから部屋の中でちょっと声でも出そうか?と思っています。夜はあまりいい出し物がないし、(ロックバンド・クイーンの曲にあわせてバレエがダンスを踊るのを見に行くべきかどうか悩んでいます)洗濯もないし、退屈な一日になりそうです。



コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フォルクスオパー「地獄のオルフェウス」23.9.2007

2007年09月24日 04時56分37秒 | Weblog
オルフェでなくって、オルフェウスでした。

さて、この9月に久しぶりに舞台に登場し、しかも新演出、新舞台。初回の新聞の批評もおおむね好評で、批判は一つもなかったと、開演前にとなりのおばちゃんに教えてもらって、期待は膨らむばかり。しかしその昔「蝶々夫人」のプレミエを観て怒り狂った経験もあるので、ちょっと抑え気味で入りました。

舞台は見事に期待を裏切るくらいよかったです。まず全部現代風にアレンジされているものの、かえってギリシャ時代の台詞とうまくミスマッチしていて笑いを誘います。例えば「私はあなたの羊飼い」と告白されても、昔はそのまま受け取るけど、今は卑屈に聞こえるのでかえって笑えたりしました。

舞台中央にエレベーターがあり(ほんまモンで、地下鉄などにあるやつ。ドアが開く前にピンポンと音がする)奈落からあがってくる。つまり地上から天上へと。天上はクア(温泉?)になっていて、マッサージを受けている人もいる。そしていたるところで火薬が爆発し(神様が怒ると怖いのだ)、キューピットにいたっては黄色い野球の人みたいなジャンバーを来て、そして神様に反抗する若い世代を見事に演じていました。2000年もたって、いろいろな進歩が地上ではあり(試験管ベビーとか?代理母とかか?)失業寸前だと嘆く。

そして一番の驚きは、そのエレベーターに乗って神様ご一行様は地獄へ降りるわけだけど、奈落に落ちるわけには行かないし、どうするのだろうと思っていたら、エレベーターの箱はそのままで、今度はエレベーターの回りがあがりだした。なんと3階分くらい。これで、舞台はそのままなのに、全員が地獄までさがってことになる。これには驚きました。こんな大仕掛けを持ってきたのにも驚いたけど、エレベーターの周りの枠を上へ上へ上げられるくらい天井が高いということでしょ?すご~いと思わずうなってしまいました。

このオペラは「カンカン」(踊り)で有名ですが、ダンサーもエウリデケもブラジャーにパンツ、ガーターベルトにストキングというようないでたち。日本の市民会館では上演中止かもというぎりぎりの線をやってます。でも意外といやらしく感じなかった。

さて、話は変わって、マナーが悪いのは日本の若者だけではなかった。今日は開演直前に日本のおじさんおばさんが5人ほど。それも立ち見(しか取れなかったのでしょう)。まずどこに立っていいかわからないので、他の人がとっている場所にたってしまう。そこで「前列はもう他の人が取ってますから2列目に並んでください」と声をかけたにも関わらず、5人のうち3人までが立ち見の1列目に割り込み、そのうち一人は上演中にフラッシュたいて写真まで撮っている。いつものとおり私はカチンと来たので、休憩中に注意しようと思ったら、休憩後はいなくなった。きっと裸は目に毒だし、ドイツ語わからないし、立ってるのしんどいし、帰ったのでしょう。それにしても、割り込んでおいてすみませんねぇという雰囲気も出さず、最後まで黙って知らん顔攻撃をするのはいかに?

ほんまに、若いモンも年よりも・・・

その上、アイスクリーム食べたいけど一人で行くのはいやなので、一人で来ていた若い日本人旅行者に休憩中声をかけた。終演後にもう一度話をして「アイスでも?」という計画だったのに、終演後そそくさと帰られてさらに気分が悪い。

演出Helmut Baumann
舞台美術Mathias Fischer-Dieskau
衣裳Uta Loher
指揮Florian Ludwig
エウリディケJennifer Bird
ディアナMartina Dorak
世論Erni Mangold
ビーナスRegula Rosin
ジュノーHelga Papouschek
ミネルヴァUlrike Pichler-Steffen
バイオリニストCaroline Löffler
プルートChristian Baumgärtel
ジュピターCarlo Hartmann
オルフェウスSebastian Reinthaller
スティクスPeter Matic
メルキュアーWolfgang Gratschmaier
マースHeinz Fitzka
キューピットGerald Pichowetz
(配役の訳し方も間違ってたらごめんなさい)
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする