今日の日記はタイトルにグルベローヴァがつきます。これはもちろん私が勝手につけました。国立歌劇場がつけたものではありません。
なぜ「グルベローヴァ」か?この人をよく知らない人は、こう想像してください。オペラ界の森光子だと。もちろん森光子さんよりはずっと若い。まだ60歳を過ぎたばかりくらいだと思います。でも、声の世界はその寿命がずっと早いので、オペラ界の森光子はちょうどよく理解してもらえると思います。
昨日の出し物はベッリーニ作曲「清教徒」話はよくわからんし、舞台は暗いし、舞台セットもよくわからんオペラでした。でもグルベローヴァを見るために集まったお客さんで超満員です。(他の目的の人もいたとは思うけど)私もその中の一人で、このオペラ界の怪物(失礼!)を見るために興味深々で国立歌劇場へと向かいました。
彼女の役どころは、嫁入り前のお嬢さんの役。しかし、婚約したのに、その人が政治的な理由から他の女性(カール1世のおきさきだったか?)と逃げる。彼女は狂乱し、悲しみにくれる。しかしその後、彼と再開し、誤解がとけ、また国が崩壊し、彼も恩赦の元、結婚か!という時に昨日は刺されて死んだ。そしてまた狂乱。
こんな感じの役。
最初、少し高音に不安定感がありましたし、声の圧力は昔に比べて落ちているような気がします。(昔はもっとキ~ンと声が飛んできた)しかし、60過ぎても、どっからみても娘役だし、娘さんの声だし、そして3点Esまで出している。3点Esってわかります?私は出ますが、人前では怖くて出せないですよこんな音。真ん中のドの上の、そのまた上のドの上の、そのまた上のドレミのフラットです。それをいとも簡単に出している。この人はいったい何者?喉にCD入っているのか?
他の役どころの人たちとのアンサンブルは、そんなに良くなかった気がしますし、もう一度この出し物があるので行く?って聞かれたら行かないと思います。(たとえそれが彼女の引退公演であっても)個人的にも、私はグルベローヴァはそんなに好きでないです。でも、昨日の公演は、尊敬するし、すごい人である以外のなにものでもありません。ずっと「森光子のでんぐりがえりと、この人の3点Esと、どっちがすごいか?」考えていたくらいです。
中にとても有名なアリアがあります。生徒さんが一人練習中の曲です。テンポや曲想はそれほどはずれていないようでしたが、ここに来てオペラやコンサートを見て思うことは、声やフレーズに思いの出る人と、声を出しているだけの人では、その差が大きいということ。その辺自分も要再点検です。
今は、まだまだ音楽のシャワーを浴びるのが精一杯で、歌う所までいってません。
ジョルジョVitalij Kowaljow
アルトゥーロJos・Bros
リッカルドGabriele Viviani
エルヴィーラEdita Gruberova