Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

国立歌劇場「ボエーム」16.10.2007

2007年10月17日 06時07分04秒 | Weblog
一箱だけ日本から送ったんだけど(船便)、まだつかないので、コートがなくて寒いです。楽譜もなくて、しかたがないので、この間りりちゃんのお母さんにいくつか楽譜を借りました。魔笛のパティトゥアと、ミサブレービスと、イタリアアリア集・・・すごいラインだけど、一冊だけ鞄にいれたウィーン物の曲にあきたら、夢遊病とかを発声がわりに遊んでいる状態。早く楽譜きてくれ~!

さて、今日はボエーム行ってきました。プッチーニの最高傑作?だと思います。結論はとってもよかったけど、ほんとうによかったけど、数年前にドレスデンで聞いた黒人の人がミミをやっていたボエームのほうが感動した。あの人今どこでうたっているんだろう?絶対ブレークしてると思うんだけど。

それでも今日もとてもよかったです。配役みて驚かれると思いますが、主役の男性ロドルフォが、アジアの名前です。そしてもう一人、最近よくみるKaiさん。男性4人のうち半分がアジア人ってすごいです。でもどちらもまったく見劣りしない(立ち振る舞いや、ちょっとした立ち方、手の動かし方がアジア人を感じさせないのです)すばらしい内容でした。

また、ミミを歌った女性は、ここぞというところでとても美しく、後半のアリア「さようなら」の最後、うらみっこなしねという部分で、美しいピアニッシモを歌い、客席が拍手できない雰囲気をつくってしまいました。こういう空気は久しぶりです。
反対に4幕で、死んでいくミミの歌がとてもよかったので、マフを落として死んだとたんに拍手が出てしまいました。(かなり!)これはいくら歌がよくても、観ている方の気分はよくなかったです。そのまま静かに、緊張したまま次へ行かせてくれ~って思いましたもん。

今日はムゼッタもおもしろかったです。私が歌うとただ気が強いだけの女になりますが、お色気あり、そして恋人マルチェッロの気を引くための演技力あり、かわいいところもあり。最初のアリアでは、まるでマルチェッロの首元を羽でくすぐるかのような歌でした。(どんなんや?それくらい雰囲気よかったです)

それにしても、知らない歌手ばかり。私たちが留学していた頃の歌手はどこへいったのでしょうか?グルベローヴァはいまだに健在なのに、アライサは?リーマは?
時代が変わったのでしょうか、ちょっと寂しいです。

指揮Constantinos Carydis
詩人ロドルフォ Ho-yoon Chung
音楽家ショナール Eijiro Kai
画家マルチェッロ Markus Eiche
哲学者コリーネ In-Sung Sim
大家さん Alfred Sramek
お針子ミミ Sinéad Mulhern
ムゼッタ Jane Archibald
コメント (3)
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