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こんにちは広島県呉市に皮膚科を開業します 橋本クリニックの院長 橋本康志です。
先日知人から突然平日の午前中に電話がありました。
ある大学病院の助手を辞めることになった!これからは医局員(非常勤職員)になる!!
というものでした。あまりにも突然の電話なのでビックリしていたら、内容にもっとびっくりでした。どうも教授と意見が合わなくて衝突してしまったみたいです。で、知人が助手の職を退くことで話がついたそうです。年収700万から年収300万の非常勤に。奥さんと喧嘩になったそうです。確かになりますよね。子供二人、家のローンもあって・・・。奥さんからすれば何で!!でしょうね。でも知人の言いたいこともよくわかるんですよね。
結局本当に助手の職を退いて、医局員になってしまいました。・・・。
また他の知人からも突然電話がありました。
病院辞めようかと思って・・・。
当直や病棟で重症の患者さんを診るのが怖いんです。学年があがってきて責任が重くなりますし。子供と一緒にいる時間もないしと壁に当たってしまったみたいです。結局、就職活動をしてみてから、医局を辞めるか残るかを考えてみるということでした。
頑張っている医者が報われない・・・・。無理して救急を診ても訴えられる危険性が高いし・・・。
医療崩壊といわれて医者個人がが責められても・・・。
俺たちも人間だし・・・。
正直な僕の感想です。医療崩壊はすぐそばまで来ているように思います。
みなさんこんにちは!
広島県呉市の皮膚科、橋本クリニック院長の橋本康志です。
前傾に引き続きアトピー性皮膚炎について記載しようと思います。
治療に先立ち重症度分類を行います。厚生労働省のアトピー性皮膚炎の治療ガイドライン2005より抜粋です。
重症度分類
軽症:面積に関わらず、軽度の皮疹のみ認められる場合です。
中等症:強い炎症を伴う皮疹が全身の10%未満に認められる場合です。
重症:強い炎症を伴う皮疹が全身の10%~30%未満を占める場合です。
最重症:強い炎症を伴う皮疹が全身の30%以上を占める場合です。
この重症度分類は治療開始時の重症度を判定し、その後の治療の効果判定に使用します。
治療について
1.原因・悪化因子の検索と対策
年齢によって原因や悪化因子が異なるため、問診を手助けに原因・悪化因子を探します。(明らかな原因・悪化因子が見当たらないこともあります。)原因や悪化因子が類推できる場合にはできるだけ避ける方法を考えます。
2.スキンケア
アトピー性皮膚炎の方の皮膚では、皮膚の機能異常が生じていることがあります。皮膚の機能異常とは、水分保持能の低下(皮膚に水分を保つことができず、カサカサになってしまうことです。)、痒みの域値の低下(通常痒みを感じない弱い刺激でもかゆみを感じるようになることです。)、皮膚のバリア機能の低下による易感染性(とびひなどの感染症になりやすくなることです。)
このような皮膚の機能異常が生じている場合には、スキンケアで本来の機能を補ってあげる必要があります。皮膚の水分保持能の低下に対しては、その程度に応じて保湿剤で水分の不足を補ってあげる必要があります。皮膚のバリア機能の低下に対しては、毎日の入浴・シャワーを行い皮膚を清潔に保つようにする必要があります。
3.薬物療法
アトピー性皮膚炎の治療のガイドラインでは、原因・悪化因子の除去、スキンケアでも皮疹の改善がみられない場合に、薬物療法を行うことになっており、ステロイド外用剤・抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤療法が治療の基本となり、タクロリムス軟膏についても記載があります。
実際には病院に来ていただく患者さんは、ある程度症状があることが多いので、薬物療法と悪化因子の除去・スキンケアを同時に進行していくことになると思います。
現在アトピー性皮膚炎の症状を抑えるためには原則としてステロイド外用剤が用いられます。補助的に必要に応じて抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤の内服を加えます。これら内服を加える目的は、ステロイド外用剤には痒みをとめる効果はあまりないので、痒みを抑えるために加えます。アトピー性皮膚炎では掻破を繰り返すと、治癒が遅くなるため掻破しないようにするために痒みを抑える必要があるからです。つまり痒み⇒掻破⇒痒み⇒掻破という悪循環を断ち切るために内服を加えます。
また特殊な状態をのぞき、一般的にはステロイド剤の内服はおこないません。
病状によりナローバンドUVBの照射を行う場合があります。
今日はアトピー性皮膚炎について書いていこうと思います。
アトピー性皮膚炎の概念(定義)
(厚生労働省 アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2005改訂版より引用)
アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因をもつ。
アトピー素因とは、①家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれか、あるいは複数の疾患)、②IgE抗体を産生しやすい素因
アトピー性皮膚炎の診断基準
1.掻痒があること
2.特徴的皮疹と分布
①皮疹は湿疹病変であること
②分布が左右対称性であること
乳児は顔面から始まり体幹、四肢に降下
幼小児期には頚部、四肢屈曲部の病変が目立つ
思春期・成人期:上半身に皮疹が強い傾向がある。
3.慢性・反復経過
乳児期では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上を慢性化とする。
上記1、2、3の項目を満たすもので、症状の軽量を問わずアトピー性皮膚炎と診断するとあります。
除外すべき診断や診断の参考項目は割愛しました。
厚生労働省のアトピー性皮膚炎治療ガイドラインの定義によると、乳児期では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上を慢性化とするとありますので、罹病期間を聞かず、皮疹だけから初診でアトピー性皮膚炎と診断することはできないのです。少なくとも問診で罹病期間が上記以上あるかどうかを確認する。できればしばらく経過をみて診断をつけるというのがアトピー性皮膚炎治療ガイドラインの定義にそった診断です。日本皮膚科学会の定義もほとんど同じような内容です。
実際には、特徴的な皮疹の性状から一目で診断をつける先生もおられると思いますが、罹病期間が上記に満たない場合には私はアトピー性皮膚炎の可能性がありますねという程度にしております。つまり湿疹が出始めてから1ヶ月では診断基準を満たしていないのです。(アトピー性皮膚炎というとショックを受けられる親御さんがおられるため、こころの準備をしていただくという意味もあります。厳密には診断基準は満たしていませんしね。)
次回は治療について記載しようと思います。
九州大学のホームページがかなりわかりやすく記載してあります。ここへのリンクを貼るだけで、このブログを終わろうかと思ったくらいです。
九州大学医学部 皮膚科学教室http://www.kyudai-derm.org/atopy/index.html
厚生労働省 アトピー性皮膚炎の概要と基本的治療 ~厚生労働科学研究「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2005」を中心にhttp://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-03.pdf
治療案内
順次追加していきます
ニキビ(尋常性ざそう)治療
イボ(尋常性疣贅)の治療について
脂漏性皮膚炎について
手掌・足底の多汗について
男性型脱毛症(AGA)の治療について
飛び火(伝染性膿痂疹)について
水いぼ(伝染性軟属腫)について
コラム『ステロイドについて』