韓国・北朝鮮問題「北風と太陽」 5月21日

韓国の選挙は激烈だ。統一地方選挙で優位に立つと言われるハンナラ党代表で、来年の大統領選候補の朴槿恵氏が、顔面を切りつけられ10cmもの傷を負った。現行犯逮捕されたのは元懲役囚で、15年にも及んだ自身の服役期間の長さへの不満から切りつけたのだと供述しているようだが、もう一人逮捕された仲間の男は、与党ウリ党の党員とも言われ、政治テロである可能性も十分にある。

盧武鉉政権は、横田滋さんの訪韓に対して、予想通り冷たい反応だった。北朝鮮との融和を重視する盧武鉉政権にとって、韓国で拉致問題が重大な政治問題となることは得策ではないと判断しているからだ。一方、ハンナラ党の朴槿恵代表は、横田滋さんと面会し、拉致問題に党を挙げて取り組むことを言明した。

日本国内では、韓国民団と朝鮮総連との「歴史的和解」が大きな話題となった。拉致問題や不良債権問題で窮地に立つ朝鮮総連の救済策とも言われるこの「和解」は、盧武鉉政権の「太陽政策」と連動していることは間違いないようだ。あるいは、日本の国会で大問題となっている「共謀罪」とも関係があるかもしれない。

日本と韓国・北朝鮮との情勢は、このところ益々連動しつつ変化しているように思う。来年の韓国大統領選挙の結果も重要だが、韓国・北朝鮮にとって、今年9月の自民党総裁選の結果も極めて重要なファクターだろう。安倍晋三内閣と福田康夫内閣とでは、まさに「北風」と「太陽」との違いがある。

日本と中国との関係は、靖国問題のトゲさえ抜いてしまえば、米国も含めた利害関係の調整で、殆どの問題は解決可能だ。しかし、韓国・北朝鮮との隣人関係は、竹島問題一つとってみても、単なる利害関係の調整ではとらえきれない要素も大きく、拉致問題も含めてその解決は極めて難しい。安倍晋三内閣の「北風政策」でも、福田康夫内閣の「太陽政策」でも、解決に向かった十分な政策は打ち出せないのではないか。

ここは、小沢一郎内閣の「北風と太陽」政策が、最も対応能力が高いのではないか。このことを、日本国民と世界に対して大きくアピールして欲しいと、私は思う。
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