Justice! 社会正義の実現!所得充実政策!ワクチンより検査を積極的に推奨! / 薬剤師・元参議院議員・消防団
ひらがな5文字の「はたともこ」ブログ
酪農から有機農業への転換 5月28日
北海道の牛乳が売れない。ホクレンは、ペットボトルのお茶や豆乳などの普及が、牛乳の販売量の低下に大きく影響していると分析しているが、新発売される他の飲料水の台頭が、牛乳の消費を低下させている大きな要因であるとの見解は、正しい分析だとは言い難い。「病気にならない生き方」の著者・新谷弘実医師が指摘しているように、牛乳は、そもそも人間のための飲物ではない。それを無理に人間の飲物とするために、粒上の乳脂肪を均一に攪拌する際、乳脂肪が過酸化脂質へと酸化し、人体にとって牛乳は、むしろ「毒」と化してしまっているという事実を、そろそろ私たちは正面から受け止めなければならない時に来ている。
特に乳幼児に牛乳アレルギーが多発していることは、紛れもない事実だ。本来、子牛の飲物であって人間の飲物ではない牛乳を、子どもたちの体が拒絶することは、実は、まったくおかしなことではない。人間が自然の摂理に反して、牛乳を大量生産し、人間の飲み物として認めようとしたことにこそ無理があり、これまでの「牛乳は健康に良い」という絶対的概念が揺らぎ始めていることは、決して不思議な話ではないのだ。
「農業情報研究所」の北林寿信氏も、余剰する北海道牛乳に触れ、ホクレンの姿勢に問題提起する人物の一人である。北林氏は、「魅力のない安い商品を大量生産してきた」政策のつけが、1,000トンの生乳廃棄の主な要因であると指摘する。商品開発の努力を怠り、本来なら人間が受け付けるはずがない生乳を、カルシウムが豊富であることだけを取り上げて、いかにも健康に良い食品であると断定し、学校給食の必須アイテムにしたてたあげたホクレンや行政の責任は、極めて大きい。アトピーや喘息などのアレルギー症状が、牛乳などの乳製品を完全に断つことで改善する事実が、牛乳が人体にとって毒であるという真実を如実に物語っている。
本来牛は草食動物であるにもかかわらず、大量に乳を搾り取るために、海外から輸入した穀物飼料や過去にはレンダリングそのものである肉骨粉や代用乳を、飼料として与えていた。その結果、乳牛の自然の摂理は乱れ、国内でも27頭のBSE感染牛が発見されるに至っている。子牛が飲むための生乳を、無理矢理、人間用の商品にするために、乳牛そのものを量産すると同時に、人工的に乳の出も良くしてきた。しかし、敏感な人の場合はアレルギー症状を起こし、少なくとも、人間の味覚にマッチするとは言い難い牛乳が、次第に私たち消費者の嗜好からはずれていくことは、ごく自然の成り行きなのだ。
輸入穀物飼料市場を繁盛させ、酪農家やJAに利益をもたらしてきた牛乳神話に対して、「そりゃないよ獣医さん」の著者である岡井健氏も警鐘を鳴らす。酪農家を牽引してきた行政や政府に、最大の責任がある。岡井氏は、自然に帰依することの重要性を指摘するが、過酸化脂質の塊「錆びた脂」である牛乳が、人体にとって有益な食品でない事実に正直に向き合うなら、酪農から他の農業への転換を指導していく責任が政府にはある。
錆びた脂である牛乳は必要ないが、広大な北海道の地で、大豆や野菜の有機農業が盛んになれば、私たち消費者にとっては、この上ない喜びだ。それは、私たち消費者の健康に多大な利益をもたらすからだ。明日から、残留農薬の規制強化のためのポジティブリスト制度がスタートするが、可能な限り農薬や化学肥料を使用していない野菜を食することは、消費者の悲願だ。しかし、無農薬野菜や有機野菜の供給量は、需要に比べて極めて少なく、それらはしかも高価だ。ホクレンが一大決心をして、酪農から、大豆や野菜の有機農業への転換をはかれば、食糧自給率の向上と併せて、国民の健康維持に多いに貢献することになる。
飼料の大半を輸入に頼ってきた北海道の酪農は、これまで、日本の食糧自給率の向上の足かせとなってきた。人体が欲しない牛乳を無理強いすることにきっぱりと終止符を打ち、健康に寄与する有機農業に大転換していくよう、政府は責任を持ってホクレンを牽引していかなければならない。ホクレンの余剰牛乳廃棄の問題は、酪農の限界を示しているのだ。健康と食糧自給率向上のためにも、有機農業こそ北海道の農業の唯一無二の選択肢なのだと、私は信じている。