今回の連載を始めたのは、もちろん計算方法の指導に関することではありまが
それとともに、「単位」についてしっかり指導することが大切だと思うからです。
最初に、あなたの「単位」に関する認識を試してもらいます。
(問題) 横3m、たて80cmの花だんの面積を求めなさい。
(解答例) 3 × 80 = 240 答 240センチ平方メートル
この解答例をみて、あなたはどう思いますか。
「間違え」
と思ったあなたは、「単位についての認識が曖昧」と言えます。
さて、「間違え」と思ったあなたは憤慨しているかもしれませんが
「そもそも、単位が異なる2つの数値をかけ算しているから間違え」と思ったら
そこから出直しです。
単位は統一されています。
えー、という声が聞こえてきそうですが、統一されているのです。
「メートルとセンチでは違う」と言いたいですか。
それが違っています。
「メートルとセンチメートル」です。
もうお分かりでしょう。
どちらも単位は「メートル」です。
センチは「接頭語」あるいは「接頭辞」と呼ばれるもので単位とは関係なく、1/100を表しているだけです。
240センチ平方メートルは 240 × 1/100 × ㎡ = 2.4㎡(平方メートル)
といことになります。センチ平方メートルという言い方が一般的に通用するかどうかは別ですが。
つまり、一般的には最初にセンチを計算してしまい
3 × 0.8 = 2.4
としているにすぎません。
問題なのは、これによって「単位が統一された」と指導することです。
「メートル」と「センチ」という単位があると誤解してしまうのです。
つまり「接頭語」あるいは「接頭辞」と単位が明確に区別できていないと正しい計算ができません。
mmもよく出てきますが、「ミリ」ではありません。「ミリメートル」で単位としてはあくまで「メートル」です。
「単位」は基本的なものがいくつか定義されていて、計算の結果いろいろな単位が組み立てられます。
文字面の数値だけに目を奪われて計算して、単位に注意しないと何を求めているかわからなくなります。
かけ算の順序にこだわっていては、「単位」が身につきません。
ましてや、わり算で出てくる答の「単位」はこどもたちにとっては謎でしかありません。
余談ですが
例1. 私の体重は50キロです。
例2. 彼の身長は180センチ以上よ。
例3. 高速道路を時速120キロ以上のスピードで走った。
意味は通じますが、キロやセンチが単位だと思ってこのような表現をするのは日本人だけです。
外国人は決してこのような表現はしません。
CMですから、台本に沿って演技しているので分かりませんが、バイク王CMの「大男編」を
ご覧になっことがあるでしょうか。長身の外国人俳優が自分の身長について
「196センチメートル」と言っています。妙に納得してしまうのは小生だけでしょうか。
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