30歳で夭折した天才洋画家と言われた佐伯祐三の没後80年を記念した作品展。道立近代美術館には佐伯祐三の感性あふれる作品110点が展示されているほか、彼と交流があった画家の作品およそ30点が公開されている。パリをこよなく愛したといわれる作品からは独特のタッチでパリの町並み、街頭が存在感あふれる風景となっているのが感じられる。その一方で、帰国した彼が東京・下落合の風景を描いた作品も展示されているが、彼自身の言葉にもあるように、そこに描かれた日本の風景は何か違う、そぐわない雰囲気が漂う。パリの街こそが彼の描く街並みとして受け入れるのだろう。