
クリント・イーストウッド監督、主演の映画、グラントリノを見た。映画は自動車メーカーのフォードの元組立工でその妻の葬式のシーンから始まる。主人公の住む住宅街もアジア系やヒスパニック系住民らが増えてきて様変わりだ、やや余裕のある白人などは次々に引っ越していく。そんな中、しだいに時代についていけなくなって来た元ブルーカラーの退職者がある事件をきっかけに隣のアジア系家族と交流が生まれていく。思いもしなかった人間の結びつきが本人もかたくなに閉ざした心に変化の兆しが生まれる。ところが、そこにまた、悲劇が起こる。悩みぬいて教会で懺悔までした彼が最後に起こした行動は・・・、自動車産業の衰退、黒人ばかりではない、移民が多いアメリカ社会の深い悩み、昔と違う家族の在り方、高齢者と社会のかかわりの難しさ。時代がどんどん変わり、価値観が、倫理観が、何もかもが失われていくのだろうか?深い映画だ!