jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

不夜城/馳星周 角川書店

2006年12月16日 | 読書
「いま、会いにゆきます」を読み終わった後、取り掛かったのがこの作品……。
世界が180度変わります(汗)。
「いま、会いにゆきます」は、登場人物がみんないい人。ヒール役はひとりもいない。
ほんわかとした読後の余韻に身をゆだねることができる。

一方、「不夜城」は登場人物が全員悪党。主人公も悪い奴。
小説の舞台は新宿の歌舞伎町。
殺伐としたドラマにふさわしい。
自分が生き残るために他人をとことん利用しようとする。
主人公は台湾系のドンを利用しようとあれこれ手を尽くすのだけど、
いつのまにか逆に利用されているというパターンが何度も。
主人公に感情移入できないままエンディングを迎えてしまう。
後味が決していいとはいえないけれど、こういうのもアリでしょう。

映画化されているけど、見たいような気もするし、
見ないほうがいいような気もする。
このモヤモヤした感じを上手く表現できないけれど。

解説は北上次郎(目黒考ニ)さんでした。



不夜城 (文庫)
馳 星周 (著)
出版社: 角川書店 (1998/04)
ASIN: 4043442017