jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

さゆり 上・下/アーサー ・ゴールデン

2008年02月15日 | 読書
久しぶりに翻訳ものを読んでみた。
これほど翻訳の匂いがしない翻訳ものに出会ったのは初めてかもしれない。
素晴らしい。

この本に興味を持ったのは、
翻訳者の山岡洋一さんが珍しく褒めていたから。
彼はめったに褒めない。
文芸翻訳で「本当に翻訳ができる人は10人くらい」と常々言っている人である。
毎年数え切れないほどの翻訳書が出版されているにもかかわらず、たったの10人!
この人のお眼鏡に適うのは、よほどのことであるとわかっていただけると思う。

さゆりの口述を記録したテープをそのまま文字に起こしたような文章。
昭和初期の祇園の風景や芸妓の世界が目の前に広がる。
イッキ読みでした。
山岡さんが絶賛するだけの価値は充分にありました。
日本人の作家でも、なかなかこれだけのものは書けないような気がする。

ちなみに映画は未見。
会長はん:渡辺謙
延はん:役所広司
置屋のおかあさん:桃井かおり
おカボ:工藤夕貴
日本勢のキャスティングはパーフェクトだと思う。
幼少時代のさゆりを演じた大後寿々花も評判がいい。

肝心の大人のさゆり、初桃、豆葉が外国人というのはどうなんでしょう?
読書後のイメージを大切にしたいので、
映画のほうは当分見ないと思います。


さゆり 上
Memories of a Geisha
Arthur Golden (原著)
小川 高義 (翻訳)
出版社: 文藝春秋 (2004/12)
ISBN-10: 4167661845
ISBN-13: 978-4167661847
発売日: 2004/12

さゆり 下
Memories of a Geisha
Arthur Golden (原著)
小川 高義 (翻訳)
出版社: 文藝春秋 (2004/12)
ISBN-10: 4167661853
ISBN-13: 978-4167661854
発売日: 2004/12