jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

体内兇器/F・ポール・ウィルスン

2008年02月25日 | 読書
英語で面白い本のことを"page turner"という。
読み出したら、やめられない!止まらない!という意味である。
この本も「やめられない!止まらない!」であっという間に読破。

F・ポール・ウィルスンの医療サスペンスとしては、
前作の「密閉病室」の方が逃げ場のない恐怖感が
常にいやらしく貼り付いているような感じ。
ジメジメした怖さといったらよいだろうか。

こちらの本は、カラっと乾いた怖さ。
謎解きがわりと早い段階でオープンになっていて、
犯罪の構図がわかりやすい。
こんなに開けっぴろげで大丈夫だろうか?
謎のタネあかしはもっと最後のほうにとっておいたほうが、
怖さも増すのではないだろうか?
と大きなお世話ながら心配になってしまうほど。

しかし、最後のクライマックスへと向かう終盤の息もつかせぬ展開は、
実に映画的でハラハラドキドキ。
ドンデン返しがいくつもあって、
果たしてどんなオチが待っているのだろうと手に汗握る。

アメリカでも医療に関してはいろいろ問題を抱えているのがわかって興味深い。
われわれ患者側だけでなく、
お医者さん側にとってもいろいろやりにくい時代なのだな。
物語の舞台がワシントンDCなので、情景がすぐに思い浮かぶ。
やはり、自分が行ったことのある場所を取り上げている本は、
より身近に感じられるのを実感した。

ヘタな映画やドラマよりも面白いと思える作品に出会えてヨカッタ!


体内兇器
Inplant
F・ポール・ウィルスン (著)
猪俣 美江子 (翻訳)
出版社: 早川書房 (1997/09)
ISBN-10: 4152081058
ISBN-13: 978-4152081056
発売日: 1997/09