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【イベント】山梨会場限定!山梨岡神社ご神宝『キ神像』特別展示~水木しげる魂の漫画展@山梨県立博物館

2023-08-29 14:55:21 | 博物館・美術館・イベント
2017年鳥取県立博物館から始まり全国を巡回していた同展
今年7月山梨県立博物館で開催されると聞いていながら会期があと1週間と迫った8月最後の週末ようやく観に行って参りました。
山梨県立博物館 以前常設展示の鑑賞で訪れた事があり2度目の訪問です。
博物館を入ると中央に机に座った水木先生と鬼太郎とその仲間たちがお出迎え

水木しげる 魂の漫画展エントランス

波乱万丈人生紙芝居 彼の生まれてから波乱万丈だったその人生の回顧展と言える同展。会場では、2分ちょっとの動画で紙芝居風に要所要所で紹介してくれています。
残念ながら会場内は、撮影禁止でしたので会場内の様子は以下のニュースで。
我々夫婦はけっこう鬼太郎好き。わざわざ彼の(本名:武良茂 )幼年期時代を過ごした鳥取の境港まで以前訪れた事があります。
また、自宅沿線が水木しげるプロダクションがある東京調布市に近かったせいで調布界隈の散策や深大寺の鬼太郎ハウスへも幾度となく訪れています。
今回の企画展は、2017年より鳥取から巡回が始まり岡山、京都、横浜、宇都宮、岡崎、帯広、いわき、そして今年7月山梨の開催へとなったものです。

会場では、章ごとに区分されまさに彼の人生の集大成を年代ごとに分かりやすくパネル展示と自筆画や生原稿、メモなどが所狭しと展示されていて、とても充実した内容でした。
プロローグ 水木しげる劇場 ~波乱万丈人生紙芝居~
第1章 武良茂アートギャラリー ~小年天才画家あらわる!~
第2章 水木しげる漫画研究 ~片腕で生み出す独自の画法~
第3章 水木しげる人気三大漫画 ~鬼太郎/悪魔くん/河童の三平~
第4章 総員玉砕せよ! ~壮絶な戦争体験記~
第5章 溢れる好奇心 人物伝
第6章 短編に宿る時代へのまなざし
第7章 妖怪世界へようこそ
第8章 人生の達人 水木しげる

幼少期、境港の正福寺に伝わる「地獄極楽絵図」に心を奪われてから、目に見えない世界を信じるようになったのだとか。
特に、彼の若かりし10代の頃 天賦の才能が頭角を現した数々の残された絵画はとても10代の少年が描いた絵とは思えない構図と描写力、色使い、デッサンと筆使いなどは目を見張るものがありました。
中でも彼が16歳の頃に描いた「昆虫界繪巻物」は、今回初見でしたがパステル調の色使いと独特のタッチ、その描写力がとても緻密で後世の彼の独特の世界観の先駆けと言える作品だと思います。
その後、太平洋戦争に出兵し激戦地ラバウルでは生きるか死ぬかの戦いをくぐり抜け、失われた多くの魂を見つめながら自らも空爆で左腕を失うという試練を受けます。
「総員玉砕せよ!」の章では、まさに彼の体験された壮絶な戦争体験記を漫画に託しながら見るものを圧倒します。このリアルな描写も「戦争を体験した漫画家として、残さねばならない仕事」として彼の執念のようなものを感じ取ることが出来ました。
今回の回顧展では、初見だったものが多く特に数多くの生原稿は、とても貴重な展示でした。
人物伝や短編モノなど多くの生原稿が見られたのも本展覧会ならではだと思います。
また、彼の愛用具だったGペンの独特の使い方。一本の線だけで立体感を表現するその彼ならではの技法もなかなか興味深かったです。
展示作品の総数300点あまり。山梨会場では彼も絵にしていて、先日山梨岡神社への例大祭で見たばかりの7年に一度の御開帳『キ神像』が特別展示されていました。
見応え充分のまさに水木しげるワールド集大成の展示会でした。
今回購入した図録には、特別付録として未完成の草稿「虫の絵本」が付いています。没後に遺構を整理中に発見されたものだそうです。

展示されていたパネルや直筆原稿などほぼ全て網羅されていて資料価値としても十分ボリュームのある一冊となっています。



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