今回は、宮崎、熊本との県境近くに位置する矢岳高原の巨石群の紹介です。
矢岳高原は、今でこそパラグライダーとオートキャンプ場で有名ですが巨石群がある事はあまり知られておらず、いち早くここを紹介して頂いたのは、宮崎より巨石関連の情報を発信されていた今は亡き「猫ばす堂」さんこと谷口実智代さんでした。2005年7月に宮崎で開催されたイワクラ学会主催「イワクラサミットin宮崎」では、中心となっていろいろご尽力され素晴らしい大会でした。
わざわざ私たちの為に企画して頂いた神楽あり、地元の方たちの暖かいお接待あり、巨石探訪ツアーあり。今でも鮮明に記憶に残るサミットでした。改めてここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
矢岳高原へは、えびの市内より15キロほど。熊本県との県境に位置しています。(ちなみにJR肥薩線 矢岳駅は熊本県人吉市になります。)
矢岳パラグライダーテイクオフ場
矢岳高原は、パラグライダーのフライト地で有名で、オートキャンプ場も人気スポットだそうです。
展望台よりの眺望 目の前に広がる霧島連山と田園風景は、なかなかの絶景です。
矢岳高原で見られる巨石群ですが、人工的に加工された痕跡がみらるものが多く何が目的で手を加えていたのか気になるところです。
頂上付近にあるストーンサークル 見るからに不自然で何かの目的で置いたものと思われます。
面白い形状の巨石 この角度から見ると勾玉ですが…。
見る視点を変えると…。
中腹にある巨石 高さ3メートル近くあります。
杯状穴がありました。
えぐれた(えぐられた?)痕跡
積層がみられる巨石
御供え型の巨石(笠石)
舟形の巨石
水平にカットされている痕跡がある巨石
分割された部分を下から見上げてみると…。
土台の部分とは異なる断面であり組み合されたものである事がわかります。
三片に分割した巨石
ユニークな顔に見える巨石(サイコパスの「笑い男」に見えなくもない?)
文字が書かれている巨石
文字部分のアップ 二番目はあきらかに“楠”の文字
矢岳高原の巨石群をネットで調べてみましたが、今でもあまりヒットせずどれも貴重な写真ではないかと思います。
前述の谷口さんの考察では、麓の集落より尾根伝いに各方面へ連なるかつて存在していた古道があったそうです。
この地域では黒曜石が産出されていた事から矢作高原周辺は、重要な古道の要衝だったと思われこれらの巨石は、そのランドマークとして要所要所に規則的に配置されていたものでは?と、推測されていました。
頂上より正面に霧島連山を望める事から霧島山に対する巨石を利用した祭祀遺跡の可能性にも言及されていました。
住宅街の一画にあった支石墓(ドルメン)
矢岳高原からの帰路に立ち寄ったえびの市郊外のとある公民館の一画で偶然発見。現在も同じ場所にあるかどうか不明で貴重な写真と思われます。
(撮影:2005年7月)
お断り:2005年当時の情報となります。当時とは異なる事が想定されますので訪れる際には、事前に調べて頂き記事は参考程度とお考え下さい。
お断り:2005年当時の情報となります。当時とは異なる事が想定されますので訪れる際には、事前に調べて頂き記事は参考程度とお考え下さい。
【マップ】
はた目から見ればただの巨石なんですが石を良く観察すると違和感があるものが多いのもここの巨石群でした。
言われるまでは全く分かりませんが言われてみるとなるほど!となります。
やはり古代の民たちには、石に関して卓越した加工技術を持ち合わせていたんだと思います。
漢字の彫られた巨石は、近年何かの目的で記したものなのでしょうね。
墓碑、境界石、道しるべ、経文とか…。。以前調べた事があるのですが、何も情報がありませんでした。ここを紹介してくれた谷口さんも亡くなり、引き継いで調査されている方は、果たしていらっしゃるのでしょうか。
次回も楽しみにしてます。