継父が逝ってから半月。部屋の片づけをしました。箪笥や押入れの中にあるものはほとんどが母のものばかりでした。母の死後、もう10か月経っていたのに、何一つ手をつけてはいませんでした。
父のものといえば、スーツ1着と普段着の衣類、好きだったお茶のセットと庭木の選定用具、そしてお寺へのお布施等の記録、毎年帰省したときに郷里の人からいただいたお米や野菜などの記録でした。
東京での生活は規則正しく質素なものだっただけに、かかわりは決して濃いものではありませんでした。毎日をさり気なく接し、互いに負担にならないようにと考えていたせいもあります。
しかし、今、こうして後片づけをすると、これまであまり意識しなかった生前の生きざまが甦り、何を考え、何を大切にしていたかが母の思いと共に伝わってくるようです。
(飼い主)