時間の都合がつかず、3日ぶりに病院へ行く。
丁度夕食が終わった後で、母はベッドに腰掛けていた。気分がよかったらしくいくらか饒舌だった。昨日のことや一昨日のことを思い出しながら次々と話した。
雷の日にラッキーのことが心配で、父に自分のことはいいから早く帰ってくれと頼んだこと。東京に出てきて最初に友達になったSさんがわざわざ八王子の西寺方からお見舞いに来てくれたこと。毎日付き添ってくれている父のことをありがたいと思うが、看護婦さんに自分の目の手術のことばかり延々と語っていて恥ずかしくて困ったこと。お腹の膿を管で取り出すのに時間がかかること。看護婦さんたちに優しくしてもらっているので嬉しいこと。
退屈しているかと思っていたが、結構刺激的な日々のようだ。
ひところの気弱な状態は、すっかりなくなっていた。
「もうこんなによくしてもらっているので、家に帰ったら1年も生きれば十分やわ」
といかにも満足そうだった。
手術前は3か月から半年、手術後は2、3か月と担当のS先生から聞かされていたので、すぐには言葉を返せなかった。
(飼い主)