愛する妻へ
僕は鹿児島県生まれで千葉で大学教授をしていたものです
残された家族の元へ最後の手紙を書きます
一人の子と妻へ
まだ居なくなってしまった寂しさに慣れてはいないだろう
ほとんど仕事で帰宅時間も遅く、我が子の生い立ちの手助けもあまりしてはやれなかったね
君には苦労かけた
いざ、これから夫婦の時間もつくれ共に余生を末永くと思い描いていたのだが
すい臓がんだから進行も早く、介護の甲斐もなく旅立つことになって すまない
僕は君に出逢え 君を伴侶にえられ幸運でした
優しい笑顔にどれほど力付けられたか
感謝の気持ちはとても表現しきれない
君が立派に子育てをやりとおし、我が子は自分の道をしっかり歩んでくれている
何の心配もせずに旅立つことができるのも君のお蔭だ
君の残りの人生が最高に楽しい時間になることを心の底から祈っている
敬具
素敵なラブレターにちょっとうらやましくもあるくらい
愛情深いご主人から奥様宛のお手紙です。