故人からのメッセージです。
僕は命の終わりを迎え、どうしても娘達に伝えておきたいことが有り
こうして手紙を書き残します。
娘の一人は現在22歳、もう一人は19歳です。
僕の年齢は享年52歳、死因は末期の脳まで達した癌
生きることは難しくも、親として子供達に最低限のことは伝えてから逝きたかった。
僕が入院してからは家族の面会も出来なく最後の言葉を交わすことも出来なかった。
入院中ラインビデオ通話で顔を見たり、近況を効くことは出来ても
本当に伝えるべき事はなかなか話せない、そこで死後になってしまったが親として
娘達へ人生の教訓になる様にと願い想いを伝えます。
君たちの将来には困難も楽しみや喜びも有ります。
そのどちらも有るからこそ人生だとも云える。かといって困難に向き合うときは苦しいものだ。
君たちは既に父親との早い別れを経験した。大切な家族を失う哀しみを味わった。
この哀しみは、同じ境遇や痛みを抱える人に共感できる、そうしてこその経験。
僕は人に自慢できるほどの優しさは持ち合わせていなかった。
他人に馬鹿にされないよう、教養と学力はつけさせてきたつもりだが、
人生にはそれだけでは味けなく、終わりを迎えるときに後悔してしまう。
これは僕の経験から得た教訓だ。
思い出せる友人や恩師がいる事が人生には必要で、豊かな心持ちになれる。
周囲を敵と見なすより、自分に何かを伝えている、もしくは人生を彩る協力者
と捕らえるかで世の中の見え方は180度変わってくる。
どちらを選ぶともお前達の人生だが、父の経験を糧とするならば、後者を選んでほしい。
あとは、人生のパートナーを選ぶときが来るときの参考にしてほしいのだが、
見た目よりも、心根。そして誠実で在るかが重要だ。当たり前のようで
この誠実という気質は誰しもが持つものでは無い。
よくよく見極め決めてほしい。君たちの幸せ、ひいては孫の幸せのために。
人生は長い、そして一瞬一瞬が選択の連続だ。
どのように生きる、は選べるのだ。
病気になって初めて父はその事に思い至った。
人生の長さは何歳まで長生きしたかではなく、どう選んでどのように生きるかで決まる。
充実した人生であってほしいと願い、父の最後の言葉を伝えます。
別れの挨拶を、
これまで家族として過ごせたこと感謝している。
お母さんのことを宜しく頼みます。あまり仲の良い夫婦仲とは言えなかった
かもしれないが、それでも今後のことは案じられる。
僕が優しく出来なかった分を娘達に託します。
身勝手ですまない。
これまでありがとう、さようなら。
2020年10月 没
2021年2月18日 記
☆お読み下さった方へ
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