故人からのメッセージです
私は昨今騒がれている、コロナウイルスに感染し死亡しました
東京在住、60代後半女性です
幸いなことに、家族に私以外の死者は無く、無事回復の兆しがあり
最後の検査が終わったようです
苦楽をいっぺんに味わうことになりました
感染は大難、それでも見捨てられることなく看病していただける最福
家族と会えずに寂しく一人去る苦、それでも家族にまで類が及ばずに済ませられた幸
振り返ってみると、濃密な人生経験であったといわざるをえません
家族とは普段のコミュニケーションが取れていたので、
特筆して伝えるまでもない気がしていますが、
この度お世話になりました医療スタッフの皆様へ、
どうしてもお礼を伝えたく、手紙を書くことにしました
ご自身の身の危険を感じながらの、手厚い看護
治療に当たり、限られた選択肢の中で最善の医療を施そうと
懸命に努力して下さるお姿に、とても心が熱くなりました
スタッフの人員が十全ではない、医療品も不足している
何時急変するか分からない大勢の患者を抱えながら
ギリギリまで諦めない治療をして下さいました
家族に会えない寂しさは当然あるのですが、
それを察してくれている人達が、傍に居て下さったことがとても力になりました
一人寂しく去ったと申しましたが、家族とという意味であり
実際には見守ってくれた看護師さんが付き添ってくれ、息を引き取る事が出来ました
世界中では、臨終に立ち合うことさえ難しく、
文字通り一人きりで逝かれた方が沢山おられます
私は恵まれております
厄は辛くありましたが、多くの優しさに、責任という名の元の気高い行為に触れ
人の情を受け、大難の中でも福を見いだせました
誠にありがとうございました
治療を受け、残念ながら身罷った日本の人々の代弁としても
お礼を申し上げます
ありがとうございました。
2020年4月
最後の「ありがとうございました」は沢山の人が声を揃えて言われています。
☆お読み下さった方へ
このマーク内の紫文字は故人からのメッセージです
茶文字は私自身の言葉です