貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

国産アデュラリア!

2023-08-11 20:28:20 | 国産鉱物

アデュラリア。氷長石。
この名前に妙に惹かれて、あちこち探し回って一つゲットしたのですけど、かなり濁りのあるもので、なかなか「氷」にふさわしいものは見つからない。「あんまり出ないのかなあ」と半ば諦めていました。

ところがどっこい。意外なところから伏兵登場。
国産です。しかも塩山の平沢。それが水晶クラスターとセットで何と500円! ヤフオク鉱山恐るべし。



アデュラリア特有の「菱形」結晶がくっきりしている。少し赤っぽい濁りがあるけれど、先端部は透き通って美しい。



アデュラリア。氷長石。いいですねえ。

(アデュラリアの詳細についてはこちら。)


中津川産レインボー・トパーズ

2023-08-09 20:10:08 | 国産鉱物

岐阜県中津川市関戸川産。ヤフオクでなんと500円。
「レインボー・トパーズ」というのはハンターたちの間で使われている呼称で、一般的なものではないらしい。針状インクルージョンの入った「レインボー・ニードル・トパーズ」というのがあるけど、それとは別。

表面が虹色に輝く。
どうも結晶面が薄い層構造になっていて、そこで光が屈折・干渉して虹色が出るように見える。ラブラドライトの発色と似た仕組みかもしれない。
縦の面はトパーズ特有の条線が見える。断面は菱形。
なかなか美しい。




表面が虹色に輝くものには、有名な天川のレインボー・ガーネットとか、世界のあちこちで出るレインボー・クォーツとかがありますね。水晶に人工蒸着したレインボー・オーラ・クォーツなんてのもある。
どれもなかなか人気がある。だったらレインボー・トパーズというのも稀少品として人気があるのかと思うと、どうもそうではない。そもそも聞いたことも見たこともない。
要するにたくさん出るというようなことがないということなのでしょう。もしどこかでまとまって出ていたら、けっこう名が売れて高価な石になったかもしれない。
でもたくさん出ないのだから余計稀少で、とんでもないお値段が付くかと思いきや、そんなことはない。ハンターさんたちだけが知っていて、市場に出ることもなく秘蔵されているのかもしれない。で、誰も知らないから安く落札できたとか。まあよくわかりませんけど。(ぐだぐだw)
トパーズがこんなふうに劈開面を作るのでしょうか。ちょっと長石っぽい姿。あんまり見たことないような気が。それとも結晶がすぱっと折れた?
まあわからないことだらけで、珍しい割にお手頃で手に入った、不思議な石です。


朝飯前(?)のススキ入り水晶

2023-08-06 10:17:52 | 国産鉱物

何だよ朝飯前って。
どうもこういうことらしい。
古いブログで時々あるんだけど、トップページや著者紹介へ行くリンクアイコンがない。「ここは誰? 私はどこ?」になる。こういう人みたい。
湯沼鉱泉で朝食前に採集会が開かれ、それに由来して隠語みたいなものができたということらしい。
要するに長野県川上村湯沼鉱泉産ということですね。
湯沼鉱泉は甲武信ヶ岳へ西から入る登山道の基地。南から入るのは塩山ルートで、その途中に竹森や甲武信鉱山がある。
竹森のススキ入り水晶はススキ盛り沢山ではなくてその点ではちょっと残念。ヤフオクでこれが安く落札できそうだったのでゲット。4本セットで1000円台。

細ーい針状結晶が入っていて、根元のほうはピンクがかっている。いい味わい。
ススキはとても細い針。遠めだともわあっとした霧みたい。




これはひょっとすると「まりも」入りじゃないかな。



ルチル入り水晶というのはあちこちで出ていますが、これはルチルではない。角閃石(アンフィボール)という説が一般的ですけど、ドラバイトあるいはショールという説もある。色が薄いのは前者、黒っぽいのは後者なのかな。
角閃石だとするなら、これがたくさん入り込むと「タイガーズアイ」になるのですかね。いや、でき方が全然違うか。
インクルージョンが何かわかっていない石というのは案外多い。砕いて分析すればわかりそうなものなのに、そこまでやる人はいないらしい。まあわからないのもまた一興かもしれませんね。


竹森・天上沢の水晶

2023-08-04 10:04:40 | 国産鉱物

産地にこだわるなどというのはあちきのような新米には生意気な話だけれど、国産鉱物だとちょっと違う。地名に親しみがあると、いささか気を惹かれる。「トマス・ゴンザーガ」とか言われても「はあ」となるだけだけど、「甲武信岳」と言われると「懐かしい」となる。「文挟」なんて言われたら「こりゃ一つ買っとくか」となる。もっとも西の方は知らないから「高梁市」とか言われても「?」になってしまうけれど。

「竹森のススキ入り水晶」というのは有名らしく、あちこちで見る。けれど、竹森が塩山(現・甲州市)なのだとは全然知らなかった。え? 塩山なの? 塩山と言えば大菩薩峠じゃん。何百年も前の青春時代、センチメンタリストだった頃(はあ?)に「入り浸って」いた最愛の山。竹森はその登山口・裂石温泉へ向かう道から少し北に入った所。いやあ全然知りませんでしたねえ。
ヤフオクでそれを知って、とたんに気を惹かれて「竹森産水晶3点セット」をゲットしてしまいました。一緒に別のものも買ったのでおまけがついて6点セット。ありがたい。
出品者さんいわく、
《竹森では古くから水晶を目的に採掘が行われてきました。結晶中には苦土電気石や白雲母、緑泥石を包有することが多いものの、昔は大型で無色透明の結晶を産出したそうです。本品は、かなり昔に採取されたもので半透明~透明感のある水晶のセットで一部には苦土電気石を包有しています。》


これは形はよくないけど、「ススキ」が見える。角閃石の針状結晶でしょうか。

これはたぶんドラバイト入りで濁っているけど、実は双晶。そして透過光だととても美しい。ススキも入ってるんですな。



成り損ないの平べったい結晶。面白い。わちゃわちゃの所も紫だの緑だのの結晶があって楽しい。

これは平凡だけど、どうも負晶(自形結晶形の空洞)がいくつかあるみたい。

まあどれも地味ですけど、なかなかの味わいがあります。

     *     *     *

もう一つ。同じ出品者さんから栃木県塩谷郡塩谷町天上沢産水晶。2点プラスおまけ。
塩谷という土地は聞いたことがある程度だけど、まあ日光からさほど遠くない栃木なので。
天上沢という名前はいいですな。


《中生代後期白亜紀のマグマ活動に伴い形成されたデイサイトや流紋岩から構成された地質帯で、採取地の近くには天上沢鉱山があり閃亜鉛鉱や黄銅鉱など硫化物を採鉱していました。》
まだ小さいものなら散らばっているらしい。

三つ枝の冠がえらくかわゆい。

これはわちゃわちゃクラスター。きらきら。少し紫が入っている?

どうもこういう「ドゥルージー水晶」が有名らしい。

有名産地とは言えないかもしれないけど、案外素晴らしいではないですか。

(国産鉱物、終わりとか言ってなかったか?)


荒川鉱山水晶軍団

2023-08-02 20:23:48 | 国産鉱物

いや、とんでもないのをゲットしてしまいました。ヤフオク国産鉱物。
荒川鉱山水晶10本、送料込みでなんと、なんと、なんと、な(よしなさい)2300円!
んなあほな。

すごい! 右上ので40ミリくらい。チビ水晶ではない。
こんなことあり得ますか?
しかもどれも美しいのです。
まずは緑水晶。一番大きな結晶は幅7ミリくらいで色も濃い。写真だとあまり濃く写らない。



これはちょっとちびくて色も淡いけど、繊細。

しかもこれ、根元のほうは紫水晶になっている。トライカラーですよ。すげえ。

次の2つは紫のファントム。先端部もぴっかぴかですごく美しい。



これは特に姿が均整とれている。おまけに色合いの微妙な変化もある。



ほかのも地味ではあるけどなかなか美麗。










荒川鉱山は緑水晶でえらく心を掴まれ、いつも気になっていたのですけど、今回はちょっとびっくりで、あわあわと入札したのでした。いやあ、よかった。
こういう「掘り出し物」があるのがヤフオクの面白さですね。